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2018年07月11日

予特H30.7①

細川かをりです。
一般質問に引き続き、児童虐待、性暴力、セクハラ、障碍者雇用に関し伺います。

児童虐待

児相と警察の「児童虐待に関する情報の全件共有」を求めたところ、本県では平成19年より申し合わせを行っていることと、今後はより積極的に情報共有する旨のご回答でした。
特に、平成28年度から警察が積極的に児相に繋いでいることは、これまでの議論やデータから分かる。ポイントは児相から警察への情報提供である。
厚労省からも実績調査があったと思うが、

① 児相から警察への情報提供や共に家庭訪問するなどの取組みは何件あるのか?
また、一般質問での「今後より積極的に取り組む」との答弁は評価するが曖昧な表現であるため、具体的にお聞かせください。

要は、虐待されているかもしれないという子どもの安否確認を確実に行ってほしいということだ。
兵庫県明石市では、「子どもの健康状態100%確認事業」で小学校入学前に4回は確認、児相の数、職員数の倍増、施設の充実など、あらゆる子供支援事業を行っていますし、お隣滋賀県では、児相の数が増え、すべての児相に、OBではなく現職警察官配備、それも刑事課や生活安全課の現場を知っている人だそうです。警察官は当然データアクセス可能ですべてのケース会議に参加し把握しています。それは、滋賀の児相は強い!頼りになる!と感じます。

② 福井でも、児相と警察の「虐待に関する情報」は、100%、全件共有すべきではないか、もし踏みとどまるならその理由をお聞かせください。


女性の性被害、セクハラ・防止

セクハラ防止の一般質問で、産労部長が「民間企業の職場セクハラ」に関し「福井労働局とともに企業人事担当者や事業主への働きかけをお答えでした。
しかし、セクハラは職場だけの問題ではありません。

③ 首相がセクハラは「人権問題」と述べておられるのに、県では「労使の問題」としか考えておられないのか?また、対応についてもうかがう。

一般質問で、警察がより相談しやすい体制作りに努力されているのはご説明いただき、良い方向と思ったが、「警察に届けのない性被害」に関する対策をお聞きしたい。
ひなぎくで警察への届け出を提案しても、なかなか届け出離されない、全国データでは9割近くが泣き寝入りというデータをお示ししましたが、警察への1歩が出せない女性の状況や心理を考えると、話しやすい相談場所が必要。
同じく、セクハラにしても、職場の上下関係で物申せない立場の中で起きやすいことを考えると、職場の中に設けた保健室・相談室以外に当てになる所が必要だと思う。

例えば、以前、東京港区に空き店舗を利用した「港区コミュニティカフェ」という気楽に行けるカフェ、オープンスペース、性差別や暴力などの相談室などを行う場がありました。あいにく再開発で近年閉鎖になりましたが、その敷居の低さから、区民はもちろん、昼間港区に仕事に来る在勤者が多く利用したり、DVで妻から虐待を受けている男性からの相談があったりしたとのこと。
今、公共サービス、特に相談業務に関しては、「小さく、より身近に」という方向にあるともきいている。

④ 性暴力やセクハラ防止・DVなどに関し、まずは、もっともっと敷居の低い相談の場を設けていくべきではないか、考えを伺います。

予特H30.7②

性被害の低年齢化に関し、先日教育委員会から「性教育を行っている」「防犯教室開催で不審者対応訓練などを行っている」「相談体制強化」というお答えをいただきました。
外部不審者に対してはそういう手立てだろうなと感じましたが、私は特に「義理の父、兄、近所の人」など身近な人への対応を強化すべきと考えておりますので、その点に関し伺います。
大人も含め、「性暴力被害の特徴」は「面識のあるものから被害を受ける場合が多い」ことです。ひなぎくのデータでは加害者との関係データによるとその4分の3は「家族・親戚・職場の関係者」など顔見知りです。だからやっかい。子どものケースの同様です。先日、県内の「義父からの性暴力」に小学生のころから長年苦しんできた女性の裁判記事を読みました。痛ましくてなりませんでした。これは、性教育や防犯教室では防げません。
私の知る限りでは、そうしたケースを想定した暴力防止プログラムが「CAP」です。

⑤ CAPのような暴力防止プログラムを広め、子どもたちが性暴力やセクハラを「拒否」し、「離脱」し、「相談できる」ようにすべきではないか。強く求め、所見を伺う。


障害者の雇用促進


「障害のある人もない人も幸せに暮らせる福井県共生社会条例」が施行された。
「分け隔てなく、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現」を願い、「障害者の自立及び社会参加の支援等ならびに障害者差別の解消のための施策を策定し、総合的かつ計画的に実施する」ことを県の責務と謳われています。
また、「福井県障害者福祉計画」には、就労支援として「福祉施設から一般就労への移行」を促す方向性が数値目標を持って示されています。
しかしながら、先の一般質問で中小零細企業への就労に関しては、実態も把握していない状況とのことだった。県内民間企業の99.7%が中小零細企業であることを考えると、県が把握している民間企業の障害者雇用はごくごく一部に過ぎないということになる。

⑥ 大きな企業や福祉事業所だけが障害者の就労支援策の対象だということか?
⑦ 障害者の社会的統合の観点からも、一般就労、特に中小零細企業への就労移行を促す支援策を考えるべきではないか?

障害者の就労可能性を広げるものとして「テレワーク」が着目されているが、実際にテレワークシステムを導入しようとすると経費が掛かる。

⑧ 障害者を雇用している企業に対するバリアフリーなどの支援と同様、テレワークシステム導入に支援してはどうか。

一般質問H30.6.27①

細川かをりです。
子どもの虐待に関して伺います。
東京都目黒区で5歳の船戸結愛ちゃんが、父親からの暴力で死亡しました。残されたノートには「もうおねがい、ゆるして、ゆるしてください おねがいします」と綴られ、この事件はマスコミによって多くの人々の知る所となりました。
結愛ちゃんは、香川県にいた際、虐待の疑いで二度も一時保護され、父親が二度も書類送検されていました。その後一家は東京に引っ越し、都の児相には香川から「虐待の危険性が高い家庭」と伝えられていましたが、児相が家庭訪問しても母親から面会拒否され、そのままにし、殺されました。もしこれが機動力ある警察官であったら、家庭訪問で「お子さんを見せてください。」と確認し、ガリガリにやせていたら「食事与えず」ということで保護することができたのにと思うと残念でなりません。
親の面会・調査拒否は危機的状況です。イギリスならそれだけで子供を保護するところですが、日本では児相がその先に踏み込むことがなかなかできないまま、みすみす虐待死に至ってしまうケースが後を絶ちません。児相が知りつつ虐待死した子供は10年で150名に上るそうですし、日本小児学会は年間350人の子供が虐待死している可能性を述べています。
また警察官とて、近所からの通報で家庭訪問しても、そこが「虐待家庭の疑いあり」と知らなければ、「夫婦げんかでした。すみません。」とごまかされます。実際その5日後に子供が虐待死した事案もある。情報がなければそうなります。現在、警察から児相に対しては全件情報提供しますが、児相から警察への情報提供は、一部に留まっています。
虐待防止に取り組むNPO法人の代表で、元警察官僚の後藤啓二弁護士は「児相が案件を抱え込まず警察と情報共有し、連携して家庭訪問していれば、結愛ちゃんの命を救うことができた。関係機関と情報共有もせず案件を抱え込む姿勢自体が致命的な間違いだ。」と力説しておられます。
虐待の問題は決してよそ事ではなく、福井でも、児相の虐待相談の受付件数は一昨年度で510件、いつ重大事件が起こっても不思議ではない数で、起こってからでは遅いです。
① 児童虐待に関しては、児童相談所と警察の全件情報共有を行うべきと考えますが、知事のご判断を伺います。
ちなみに高知県や茨城県では、すでに警察と全件情報共有し、連携して活動しています。先日には、愛知県、埼玉県、岐阜県が全件情報共有を表明、大阪府でも近々実現する見込みと伺っています。
念のため、高知の児相の方に全件情報共有によって相談件数が減っていないか伺いましたが、第3者からの通報が多いのでその影響はないとのことでした。だったら、子供の命が第一、虐待の全件情報共有を求めます。

さて、児童相談所に関し、幾度となく議会から相談体制強化が求められ、国も児童福祉法改正で「体制強化を」と示されました。本県でも児童福祉司と児童心理司が増員されてはいますが、国の基準では平成31年度までに更に増員が必要となります。
② 来年度までに、国の配置基準に到達できるのか伺います。また合わせまして、総合福祉相談所と敦賀児童相談所の建物の築年数と、老朽化したこれら建物を改築するおつもりはないのか、知事に伺います。

一般質問H30.6.27②

次は女性が被害に遭う問題です。
これは、熊本地震の際、男女共同参画センターが配った性暴力・DV防止啓発のポスターです。これまで被災地の街や避難所・仮設住宅における、女性や子供たちへの暴力は、「証拠がない、ねつ造だ」と言われ、ほとんど表面化してきませんでした。しかし東日本大震災以降、ようやく公のデータが出るようになってきました。
例えば、「東日本大震災女性支援ネットワーク」が関係者にアンケート用紙を900票配って調査しただけでも、子供や女性を狙った性暴力・DV が82件報告され、被害相談はいまだに続いている状況です。お配りした資料は、その報告書の一部です。また西日本新聞の熊本地震関連の記事には「地震があった2016年度に熊本県警が把握した避難所や周辺でのわいせつ事案は、強制的な性交や盗撮など約10件に上った。災害時は加害者の不安定な心理状況が、弱い立場の人に暴力の形で向かいがちだ。」と、実際にあった事案とともに記載されています。
「被災を期に夫のDVがひどくなった」とか「ボランティアからの性暴力」、逆に「ボランティアへの性暴力」など、わかっただけでもひどい実態です。
大きな災害の後は、女性に対する暴力が増加することを予測しておくべきであり、その防止活動が災害救援の中に組み込まれなくてはなりません。
福井県内では、どこの市町も地域防災に熱心に取り組んでおられますが、女性目線での防災はまだまだ、特に、女性や子供に対する性暴力防止といった視点は今後広めていかねばならない課題です。
③ 女性目線の避難所運営や、避難所における性暴力防止対策について、県がリーダーシップをとって啓発したり、マニュアルを作ったりすべきと考えますが、ご所見を伺います。

一般質問H30.6.27③

先日、済生会病院内の「性暴力救済センター・ふくい:ひなぎく」で、お話を伺ってきました。
性被害の一番の特徴は、「被害の届け出がなされにくい」ことです。センター長の実感として、被害者は少なくとも6~7割は警察に届け出ない。理由は、「大事にしたくない」とか「知れたらマズイ」、特に公務員が被害者だとその傾向が強いそうです。いろんな意味でのムラ社会の中で、声を上げずに苦しんでいる痛々しい女性の姿が浮かびます。近年警察は相談しやすい環境づくりに努力してくださっていますが、それでも女性からすると威圧感や敷居の高さはいなめません。
④ 「被害届が出されない方が多い」とはっきり認識したうえで、その警察へ届のない性被害に対しでも、向き合っていくべきではないか伺います。

さて全国に40か所あまり、「性暴力救済センター」ができています。相手に寄り添う柔らかなイメージで、病院や犯罪被害者支援センターなどを中心に関係機関と連携し、ワンストップで対応しています。他県へ行ったとき、その連絡先を書いたカードが女性トイレの鏡の前にそっと置かれているのを見ると、女性としてほっと安心できます。
福井では先にご紹介した「ひなぎく」が正にそれで、センター長中心に、スタッフの皆さんがとても頑張っておられます。今年度中に24時間の相談対応を計画中とのことですが、相談件数の倍増が想定され、人が足りるか不安を抱えておられました。他県のセンターではすでに24時間対応もあり、例えばお隣の滋賀では、ワンストップで総合的なケアをする組織=通称「サトコ」を、滋賀県が協定を結び総合支援しています。富山・石川・岐阜では、行政が入った連携体制です。
⑤ 福井も、県として「ひなぎく」を力強く支援すべきではないか伺います。

ひなぎくのデータによると、被害者の年齢は10代、20代が多いのですが、平成28年度には10歳以下が5人も入ってきました。断じて許されないことです。
⑥ 県警では「働く女性」対象に防犯講習などを行っていますが、被害の低年齢化を思うと、学校での対策が必要です。教育委員会の取組みを伺います。

一般質問H30.6.27④

セクハラに関し伺います。政府は、財務省のセクハラ問題などを受けて、今月、セクハラ防止の緊急対策を決定しました。安倍総理は「セクハラは明白な人権侵害であり、あってはならないこと」と述べておられます。
セクハラは私たちすべての女性を取り巻く問題で、例えば「出張中の車中において上司が女性労働者の腰、胸等に触ったが、抵抗されたため、その女性労働者について不利益な配置転換をした。」というように、自分より弱い立場の女性に対して行うことが圧倒的に多いです。泣き寝入りせざるを得ない相手を選んでやるのです。
また、基準が曖昧なだけに、証拠がなければ「そんなことするはずがない」「目撃者でもいるのか」などと加害者が開き直ることもある。全くに卑劣な所業です。
加害者は軽く考えていても、特に若い女性は自分を卑しめられたと感じ、深く傷つきます。総理のおっしゃるとおり「あってはならないこと」です。

県では、
⑦ 県庁内のセクハラ防止策をどのように実施しているのか伺います。

⑧ また、民間事業主に対し、セクハラ防止をどのように進めていくのか伺います。

先日、セクハラの現状を伺おうと県庁に問い合わせをしたところ、初めに電話が回されたのは女性活躍推進課・・・でもセクハラは扱っておらず、職場の上下関係の問題なので労働政策課かもと、そちらに回され、さらに、人権問題だから人権センターかと言うことになり、人権センターに電話したら「時間外で留守電」でした。確かにその時は午後5時20分でしたが、呆れるのを通り越して、笑ってしまうほどのたらいまわしでしたし、働く女性が日中にセクハラ相談の電話はできません。

⑨ 知事、セクハラは「明白な人権侵害であり、あってはならないこと」です。
しっかりした対策とワンストップの対応を求めます。

一般質問H30.6.27⑤

最後に、障害者の就労支援についてです。
県では、障害者が就労する施設等の仕事を確保し、その経営基盤を強化するため、「障害者優先調達推進法」の規定に基づき、障害者就労施設等からの物品等の調達の推進を図っておられます。印刷、洗濯から清掃、データ入力まで、様々な品目・役務が対象ですが、法の目的に沿ってどんどん推進していただきたいところです。
 障害者の就労支援は、福祉施設だけではなく、民間の事業所がどれだけ雇用するかが重要なポイントですが、県ではその対象に含まれる民間企業を、
「身体障害者、知的障害者又は精神障害者である労働者の数が5人以上」
「障害者割合が労働者の20%以上」
「障害者に占める重度身体障害者の割合が30%以上」
という3条件すべてを満たすこととしています。これは「国が物品調達する際の条件」に準拠したものですが、中小零細企業が99.7%を占める福井県においては、とても厳しい条件です。障害者が多くなると指導員・支援員の人件費負担が増大するでしょうし、資金的に余裕のある大企業しか無理だと推察します。

⑩ そこでまず、実際に対象となる民間事業所は何事業所なのか、中小企業はどの程度含まれているのか、伺います。

⑪ 併せて福井では単なる国の調達条件準拠ではなく、中小零細企業が受注対象となるよう調達条件を緩和すべきと考えるが、所見を伺います。

また、本県の障害者就労支援に関する様々な制度は、事業所や施設に通勤する事が前提となっています。しかし今、政府が進めている働き方改革では、テレワークは働き方としてきちんと位置づけされ、それによる障碍者雇用のチャンス拡大を期待しています。

⑫ 本県でも、テレワークを雇用者数のカウントに入れ、それに掛かる発注の役務拡大を図るべきではないか伺います。

障害者施設等への優先発注については、法の主旨も踏まえ増加への取組みを行っているところであると思いますが、実際の契約状況はどうでしょうか。
ややもすると複数年継続して同じ業者が契約している実態が見受けられますし、となると受注できない施設があるのではないでしょうか。

⑬ 一定の障害者施設に受注が偏ることのないようすべきと考えますが、所見を伺います。

一般質問H30.2.28①

細川かをりです。教育について伺います。

前議会で、池田中学校の生徒さん自死事件後の、それに関する総合教育会議について尋ねたところ、「池田町の総合教育会議などで話し合われた後、県として開催を考えたい」とお応えでした。

① そこでまず、その後、総合教育会議が行われたのかどうか伺います。


先日の代表質問で、県会自民党の力野議員が、議会が意見書で求めた「①真の教育のあり方の再考。②本県教育行政の根本的見直し。③意見書を踏まえた県の対応方針。」を質されました。教育長は「業務改善、地域と連携した学校体制強化の予算を計上した」と応えられました。相談体制の強化や学校支援員の増強など、業務改善に向けた取り組みを行っていただけることを、まずもって感謝いたします。

しかし「真の教育のあり方」に関しては、「児童生徒の成長を見守り、個に応じた個が尊重し合う丁寧な教育」というのがお応えに当たるのでしょうか?だとしたらあまりにあっさりしているので、突っ込んで伺います。我々は、「福井県の公教育の在り様」を問うています。

② 意見書を提出してから2か月余り、この間、総合教育会議や県の教育委員会の会議の中で、『いま日本に必要な教育』、『真の教育のあり方』に関し、どういった議論が交わされたのかお聞かせください。


今の教育委員会制度は、平成27年度に改革されたものです。大津で起きたいじめによる自殺事件の際に、教育委員会が迅速な対応をできなかったことなどを踏まえ、教育行政の責任体制の明確化や、児童・生徒等の生命・安全にかかわる緊急の場合に迅速に協議・対応できるようにすることが目的です。そのために、教育委員会の責任者を教育長にして、首長がその任命責任を持つ、さらに首長と教育委員会とで総合教育会議という議論の場を設けるというものです。
池田町の事件に対し、総合教育会議はどういう役割を成したのか成さなかったのか、教育委員会制度改革が、有効であったのか、さほど意味をなさなかったのか、今回の事件対応で改革の有効性を検証すべきです。

③ 池田中学校の事件の対応全体において、明確な責任体制の元、迅速な協議・対応ができたとお考えか、課題があるとしたら何か、教育委員会制度の改革は妥当であったのか、県のご所見を伺います。

一般質問H30.2.28②

皆さんは、学校時代にどういう教育を受けていたのか、覚えておられるでしょうか?
県庁理事者の方々は、難関大学の御出身者がほとんどですから、勉強に励まれ、入学試験を突破された方々だと思われますので「学校教育=試験勉強」なのしょうか?
教え子たちと話していて感じるのは、学校生活の記憶は、受験勉強や体育祭、文化祭、修学旅行と言ったインパクトの強いものは残りやすく、日常の学校生活や教育は忘れられることが多いということです。「親の心、子知らず」と言いますが、「先生の心も、生徒知らず」です。子供は成長するのでそれでいいのですが、教員が学校で行う教育は、決して机上の勉強だけではありません。テストの点数を上げることだけを目的としているのではないことを、老婆心ながら確認させていただきます。
たとえば、松原小学校2年生担任の時、落ち着きなく、目の前のことにすぐ気を取られる児童がいました。ある日、「さようなら」と教室で挨拶をしたあと職員室に戻ったら、その子が学校の前で車に当たったと言われました。しりもちをついてランドセルがクッションになったので幸い何ともありませんでしたが、「今教室にいたところなのに、そんなに早く校門から出られたのか?」とびっくりしました。聞けば、観たいテレビ番組に間に合うようにダッシュで教室を出て、左右の確認なく道路に飛び出したとのこと・・・。
その次の年に担任した花筐小学校1年生にも、やはり何かが面白いと思うと周りが見えなくなる子がいました。子供らしいし活発なのですが、学校帰りに遊びに夢中になって飛び出し、車にぶつかりそうになった。
「飛び出したらだめよ」と言ったところで、何かに夢中になったらそれで頭がいっぱい、注意の言葉は頭から消え去ります。日ごろの行動様式を変化させるしかありません。
学校生活の中で両者に共通するのは、廊下をすぐ走るということ。「走るな」と言ってもその直後悪気なく走っている・・・これを少しでも直すことが、世間に出た時の事故リスク軽減のトレーニングだと思い、重点的に指導しましたし、他の受け持った子たちにもその点をしっかり注意し身につけさせるように心がけました。

その後、自分が担任した子の中に交通事故に遭う子はいませんでしたが、他の学年のやはり落ち着きのなかった子の中には、中学卒業後バイクに乗って交通事故を起こし、命を失った子がいます。事故を知ったときには「小学校で、もっと叱ってやればよかった。」と今でも思っています。

一般質問H30.2.28③

あるいは小学校6年生のやんちゃな男の子たちが、お昼休みに砂場で遊んでいました。「ふ~~ん、珍しいな。」と見ていると、間もなく泥団子を作り始めます。「むむっ。」と注視しますがまだ口出しはしません。そのうち泥団子の投げ合いをします。「う~~ん。」と我慢しますが、泥団子を校舎に向かって投げだした時点で「こら~~っ!」としかります。
やっていい事と悪いことの境目を、経験から身に沁み込ませたいとの思いからです。
14歳を境に、非行少年の処遇の流れは変わります。犯罪少年として刑事責任も問われるようになります。少なくとも14歳までに社会のルールを守る態度をしっかり身につけさせるため大事なのは、学校生活の中で悪い行為を見逃さず指導し反省を促すことであり、学校生活での日々の実践の積み重ねが、良き社会人たる教育そのものです。

教育基本法第1条において、教育の目的は「人格の完成」と、「平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」と謳われています。
文科省は「学校の意義」を「未来の社会に向けた準備段階としての場、社会的意識や積極性を持った子供たちを育成する場」と論点整理しています。
学校は人間教育の場であり、教員は、すべての児童生徒が、健全な一人前の社会人として幸せで豊かな人生を送ってほしいと願いながら、子どもたち一人一人に向き合っています。
教科指導もそうです。たとえば九九を覚える場合、すっと覚える子もいれば、時間のかかる子もいる。時間がかかっても、あきらめずにこつこつ努力して身に付けた時すごくほめます。できるようになることの喜び、努力して壁を乗り越えた達成感などを味わわすことが、自信や物事に対する意欲につながるからです。

学習指導要領には教科学習の目的が述べられています。
たのえば、算数を学ぶ目的は「算数を通して,数や図形についての基礎知識・技能を身に付け,日常でも見通しをもって筋道を立てて考える能力を育てる」ようになること,「算数の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる」ようになることです。
体育を学ぶ目的ならば、「心と体一体で,運動や健康・安全についての理解と運動の実践を通して,生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を育てる」こと、「健康の保持増進のための実践力の育成と体力の向上を図り,明るく豊かな生活を営む態度を育てる」ことです。
様々な教科により、様々な角度から「人格の完成」、「健康な国民の育成」を図っていくのが目的です。

資料をご覧ください。これは、越前市の小中学校の教育目標です。どれも、子どもたちの健やかな成長を願って掲げられたものです。たくましく豊かに社会を生きていけるように、子どもたちにとって何が大事かを考慮しながら作られています。学校教育は、難関大学への進学率を上げるためにあるのでもなく、「うちの学校って凄いのよ」と自慢するためでもなく、「子どもたち一人一人の人生がより良くなるように」ある・・・私はそう考えます。

④ 「真の教育のあり方」とはどういうものか、あらためて、総合教育会議の座長で、県の教育大綱策定の責任者である知事の考えをお聞かせください。

一般質問H30.2.28④

現場が「一人一人の人格形成」を一番に考えていても、県の教育に関する議論では、「突破力」とか「能力差」、「受験指導」といった言葉が目立ち、「教育で新しいことをやるには、全体に影響のあるプロジェクトが必要である。」とか「下位のレベルアップ」という発言もある。ペーパーテストの点数を上げることに偏り、教育行政の「売り」を作りたいという印象で、とても薄っぺらな感じがします。
学力テストの平均点が全国トップクラスであることは、素晴らしいことです。ではなぜ、学力テストの結果がいいのか・・・。もともとは、「福井の学校教育が人間教育においてきめ細やかで、学級経営も平均的に優れており、おちついて学習に取り組めた」というのが最大の理由で、それこそが福井の教育のすばらしさだったと確信しています。学力テストの点数が良いのは、あくまでその「結果」です。
お願いしたいのは、「個々の人間教育、学級経営が素晴らしい、頑張ってくれ」と、ほめ、励ますならいいのですが、「テストの点数が高い」ことのみを評価したり売り物にしたりしないでほしいということです。
「学力テストナンバーワン!」と言われれば言われるほどに、それがノルマとなり、県が何とおっしゃろうが、現場サイドでは過去問をやって点数を上げることに血眼にならざるを得ないのです。それが行きすぎて、本来のきめ細やかな人間教育・学級経営がないがしろになったのでは本末転倒。
また、子どもの個性はいろいろであり、机上の学習が苦手な子もいます。エジソンだってそうだったはずです。活動的な子は、学童期にじっとしていること自体を好まなかったりもします。テストの点数が高いと自慢するということは、同時に、テストの点数が高くない子に劣等感を与えている。人間教育的にはマイナス効果も発生させているということも肝に銘じてほしいし、教員の大量退職時代を迎え、若い先生方に謝った価値観が根付くのではないかと危惧します。

⑤ 点数のみを追ってしまうような現場であっては教育は崩壊です。すでに現在、その兆しが見えますので、是正することが喫緊の課題だと思います。ご所見を伺います。

「福井の将来を担う人づくり」について伺います。
先の豪雪で、懸命になって除雪をしてくださる除雪機オペレーターの方々や、物流を担っておられるトラック運転士、郵便物をあるいて届けておられる配達員さん、スタックしたとダックの救出や私鉄線路の掘り起こしをしてくださった自衛隊の方々、急病人を運ぶ救急車、などなど、あらためて自分たちの生活がどういった方々に支えていただいているか、痛感しました。重機オペレータの不足などが問題になっていますが、地道な現場作業の人手はどんどん高齢化しています。
これをご覧ください。56豪雪、平成18豪雪、今年の豪雪で亡くなられた方やけがをされた方々の年齢別グラフです。人口構成が高齢化していることも反映していますが、それ以上に、いずれも、戦前・戦中生まれの世代の方々が、地域の除雪を担っていることが見て取れます。この先どうなっていくことでしょう。
世の中は、事務作業だけで回っているのではありません。様々な現場作業があって、我々が生活できています。今後、福井の生活、福井の将来を支えてくださる人材を、どのように育成するのかが大きな課題であり、大人の使命です。それができないならば、「福井の現場は外国人労働者が支える」ということになる。

「福井の将来を担う人づくり」とはどういうことか、どういった資質が必要で、そのためにどういった教育を成すべきか・・・。体力?忍耐力?使命感?愛郷心?


⑥ 福井の生活を支えるのに不可欠なのに人手不足であるという現場の現状認識と、今後の人材確保の見通しを伺います。
⑦ さらに、このような現場の人手不足の現状を踏まえ「福井の将来を担う人づくり」とは具体的にどういった人々をどのように育成することをイメージし、どのような教育が大事だとお考えでしょうか。具体的に伺います。

一般質問H30.2.28⑤

さて将来を考える際にもう一つ難しいポイントがあります。信じられない勢いで世界を席巻している第4次産業革命です。キーワードは人工知能=AI、ロボット、モノのインターネット=IOTです。
今の小中学生が大人になってバリバリ働く2045年ごろには、「コンピューターが人間の知能を越え、人工知能が人に代わって仕事をするようになる。その結果、多くの人が職を失う。」という2045年問題がささやかれています。野村総研は「今ある仕事の半分はAIによって代替が可能」とレポートしています。

先日東京銀座のある洋服店で買い物をしたところ、清算はすべて自動=セルフレジ、扉を開けて、ボックスの中に買ったものをすべて放り込み、ボタンを押せば一発で合計金額が示され機械に支払います。こうしたセルフレジは、福井のスーパーマーケットでも見かけるようになってきました。アメリカでは高性能の会計ソフトが登場し、多くの会計士が失業しています。
第4次産業革命で、人間が失う職業な何か、新たに生み出される職業は何か、人間にしかできない仕事は何か・・・未来の予測が難しくなり、教育の在り方も新たな事態に直面していることは明らかです。

⑧ 県では職業系高校の再編を順次行ってきていますが、学科編成などでこうした社会の変化をどう考慮され工夫されているのか、伺います。

 
文部科学省は、将来をにらんだ教育の在り様を議論し、「2030年の社会と子供たちの未来」「これからの時代に求められる資質・能力」などの論点整理を行い、それを踏まえて、学習指導要領を新しく改訂実施します。
幼稚園はこの春から全面実施、小中学校は移行期間に入り、小学校は平成32年度、中学校は33年度、高校は34年度、全面実施となります。

「予測できない未来に対しては、社会の変化に受け身ではなく、自らがよりよい社会と幸福な人生を創り出していくことが重要」、「そのためには、解き方があらかじめ定まった問題を解く力を育むだけでは不十分」、「子どもたちが主体的に学ぶことが重要だ」として、『アクティブラーニング』=「主体的学びを喚起する不断の授業の改善」という新しい手法を取り入れます。
 さらに、AI・IOTとの付き合いが必須となる将来を見据えて、小学校段階からの「プログラミング教育」もスタートしようとしています。
 
学校現場では指導要領改訂に伴うカリキュラムやシラバスの書き換えなどで、いっぱいいっぱいだろうし、プログラミング学習もアクティブラーニングも新しい学習内容・学習方法ですので、その中身を充実させるために、先生方は急いで勉強しなければならないわけです。なんて大変なんだろう、先生方は大丈夫なんだろうかと危惧します。

⑨ 学校現場の、新指導要領への準備状況を伺うとともに、県は、本県独自の教育とか先駆けた取り組みとか言う付加的な仕事を現場に与えられる状況にはないと認識すべきです。所見を伺います。

今改定は、第4次産業革命をにらんだ国の考える「いま日本に必要な教育」です。
福井でも乗り遅れることないよう祈っています。

インクルーシブ教育について伺います。
県はインクルーシブ教育に関し、「障害のある生徒とない子がともに学ぶインクルーシブ教育システムの構築を推進する」とのお考えです。今年は障碍者スポーツ大会も実施されますので、理解を深める絶好のチャンスです。

この推進を行政機関が主体となって行うべき大きなポイントは、多様な子どもが共に学ぶための基礎的な環境整備です。県では非常勤講師配置など、ソフト面でのサポートを行っておられますが、ハード面の支援も大事です。
たとえば、肢体不自由がある車いすの子どもに対し、スロープやエレベーターを設置するバリアフリー化が有効です。

⑩ 県としての補助制度を設けたり、県が設備を持って貸与したり、県・市町で設備の貸し借りを調整したりしてはいかがでしょうか。現在、県立学校間では階段などの貸し借りを行っていますが、設備数の余裕はほぼないとのことですので、ストックをふやすことも必要です。県のご所見を伺います。

以上で私からの質問・提言を終わります。

予特H29.12①

細川かをりです。

1 教育について(7問)

一般質問をはじめ、これまでの教育に関する議論から感じたことを述べます。

今議会でスクールカウンセラーの拡充を述べておられますが、スクールカウンセラーの効果は人それぞれで効果が違います。学校の状況によっては、スクールソーシャルワーカーの方が現場の助けになる場合もあります。

①スクールカウンセラーの効果の検証を行い、質の向上を図るべきではないか、伺います。

また、教員業務補助の学校運営指導員はどこでもありがたいという支援です。
(学校の実情:資料①)

② スクールカウンセラーだけにこだわらず、現場が求める支援員の配置・拡充を柔軟に行うべきではないかと思いますが、所見を伺います。


一般質問の答えで「指導する」という事柄が多いですが、教育委員会から学校現場へ発出される文書がそれにあたるのではないかと思います。とても数が多く、現場では担当に振り分け、ファイリングされます。「ミッションが上から降ってくる」とされるのはこれを指していると思います。(資料②)

③教育委員会から学校現場への発出文書は年間どれくらいあるのか、伺います。

④教育委員会の姿勢は「通知」を出せばアリバイがたつといった感じですが、それを受ける現場の大変さを想像した上でのことかはなはだ疑問です。内容のある「現場支援」にその姿勢を変えるべきではないかと思いますが、所見を伺います。


(資料③京都市の生徒指導ハンドブックを示したうえで)

⑤生徒の自殺や重大事案にどう対応したらいいのか、今回のことをケーススタディとして検証し、危機対応にしっかり対応できるようにすべきではないかと思いますが、所見を伺います。

池田中学校問題に関しては、「まずは池田町で」という言葉も多かったように思います。各学校、各市町によって、それぞれの課題があるし、それぞれの目標もあるので、市町の判断を尊重するのは理解しますが、それならば、

⑥小中学校の教育に関し、日ごろからもっとそれぞれの地域特性を活かした市町の教育を支援するというスタンスで臨むべきと考えますが、所見を伺います。

(事例)


英検を高校入試に導入することの是非の議論で特に感じましたが、現場の声と教育委員会の現場認識が大きく隔たっています。

⑦ 校長会・市町教育委員会の声も含め、現場の声に真摯に向き合っているのか、届かないのか、それならば工夫して現場の声に耳を澄ますべきではないのか、伺います。

予特H29.12②

2 人材育成について(5問)

先日、郵便局に行ったら、日本人のお客さんは私一人で、あとは全員外国人だったので驚きました。

①県内在住外国人の現状と動向について、伺います。

越前市では、一クラスのブラジル人児童の数が7~8人だとか、次年度の幼稚園入園児の半数がブラジル人だとか聞きます。そうなってくると、ポルトガル語で会話するグループと日本語で話すグループができてくることになります。

② 外国人学校やプレスクールと言った対応も含め、今後の外国人児童生徒に対する対応や現場支援を伺います。

 このままでは、県内の産業人材は、外国人労働者が多くを占めるようになってしまうのではないでしょうか。
 県では、学力重視、進学重視の考え方ですが、進学を進めるあまり、子どもの多くが県外に流出してしまい、県内の産業を支えるべき人材が減少していくのでは、意味がありません。

③県内の産業を支える人材をどのように考え、どのように人材育成していこうと考えているのか、知事に伺います。

④また、福井を支える人材育成を意識した教育の在り様を模索すべきと考えるますが、所見を伺います。


  警察に県内の20代の自殺の状況を確認したところ、全国と比較すると福井県の場合有職の割合が多かった。
  せっかく、県内に子どもが残っても、企業の労働環境が悪く、ブラック企業などで、子どもが自殺してしまうようでは意味がない。福井で働いて幸せになってほしいと思う。

⑧若者の自殺数データを見ると、有職の若者が多いと感じます。企業に対する働き方の実態調査と対策が必要と思いますが、所見を伺います。

一般質問H29.12.6①

細川かをりです。

先日、池田中学校生徒転落事故で亡くなられた生徒さんのご自宅で、ご遺影を前に、お母さまはじめご家族にお話を伺ってまいりました。ご遺影は、体育会の時のモノで胸に手を当て「きりっ」と引き締まったいい表情をされていました。もし生きておられたら、どんな人生を歩んだのだろうと思うと残念で、またご家族は、未だ納得できず苦しんでおられ、痛ましくてなりませんでした。
学校で、若く尊い命を失わせてしまったなんて、あってはならないこと、教育や教育行政に携わる大人にとって、こんなに重いことはありません。事故を分析し、再発防止することが、教育行政にかかわる者の責務です。


議会では、調査報告書の公表後、総務教育常任委員会で調査され、今議会でも代表質問で取り上げられました。同僚議員の皆様が、教育の本質や課題をついたご意見・ご質問をされておられますこと、かつて教育に携わったものとして心より敬意を表するとともに、私の質問で、いくつか紹介させていただきますが、ご理解をよろしくお願いします。

まず初めに、県が今回の事案をどう受け止めているかと言うことです。
東村教育長はこれまで「教育に携わるものとして重く受け止める」「再発防止に向けて精いっぱい取り組む」とおっしゃっておられますが「池田町には適切な助言をする」という言い方もされています。「助言」という言葉に、「これは池田町の事だ」という冷たさを感じます。実際、ご遺族が「息子さんの自死に至った理由」が分からず県教委に相談に訪れた際、義務課から「池田町の事は池田町で」と言われ、突き放されたと感じておられます。県が語る言葉の端々に「自分たちに責任はない」というメッセージが含まれてはいないか、危惧しています。

① 県内公立中学校の中で起き、原因が教師側にあった今回の事案を、県総合教育会議の座長である知事は、「我がこと」と受け止めておられるのか、あくまで「池田町の問題」ととらえておられるのかを、まずお聞かせください。

② また、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第1条の4によると、総合教育会議は「児童、生徒等の生命又は身体に現に被害が生じ、又はまさに被害が生ずるおそれがあると見込まれる場合等の緊急の場合に講ずべき措置」について協議するとされていますが、事故のあった3月14日以降、県ではこの件に関する総合教育会議の招集をしたのか、したのならばどのような協議がなされたのか伺います。

一般質問H29.12.6②

もし県が今回の事案を「池田中学校だけの問題」ととらえているとしたら、同じことはまた起こると憂えます。「ハインリッヒの法則」を思い出してください。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するのです。今回もそうとらえて再発防止に取り組むべきです。

現役学校関係者から「身震いするほど叱られる事例は多々ある」と聞きます。例えば、「着替えが遅いというだけで尋常なく怒る」、「叱っているほうに自覚無し」、「ヒステリックで理不尽な叱責だったり、威嚇だったり、『そんなこともできないの?』と冷たい視線・明らかな侮蔑の態度を取ったり」という事例・現状です。「池田町のような事件はいつどこでおきてもおかしくない」という小学校や中学校の管理職の声もあります。もちろん、大方の先生方は、しっかりした生徒指導をされていると思いますが、体罰が減ったのに反比例し、言葉で生徒を追い込むケースは増えていると感じます。

また数日前、あるお母さんが訪ねてこられました。かつて息子さんが中学生の時に不登校になり、暴れたり、何度も死のうとしたり、家庭内でものすごい葛藤があったそうです。「当時担任に不登校の原因を聞いても『わからない』とか『いじめが原因』、『原因は本人』などと言われ苦しんだ。ところが中学卒業後、息子が『もうやられんやろ』とようやく原因を吐露、実は、原因は担任の指導にあった。」とのことです。池田町の事件を知り、その新聞記事の切り抜きを手に、「自分の息子も一つ違えば自死していたかもしれない。」「こんなこと二度と繰り返さないで。」と訴えられました。

さらに、私の近くのあるご家庭では、娘さんが小学校の時に担任に叱られたのをきっかけで不登校になり、そのまま引きこもり、20代になってから家の中で自死しました。たどれば原因は学校の指導です。

学校に起因する不幸な事例は、「学校の信用失墜になると学校全体指導しにくくなるから」と蓋をされがちです。常任委員会調査の席上、関議員から「下から悪い話は上がってこない。システムにおごりすぎている。」とのご指摘がありましたが、全くその通りです。今回、池田町で第三者調査委員会による調査を行い公表したことは、むしろ英断だったと思います。

③ 中からはなかなか言えない学校の現実、ヒヤリ・ハットの事例をつかみ予防することこそ、再発防止のために、県教委がまず初めになすべきことと考えますがご所見を伺います。


さて、人口約150万人の政令指定都市である京都市の教育委員会は、学校運営の柱の第一に「子どもの命を守りきる」と掲げています。そこで先日、お話を伺いに行きました。

きっかけは京都市内の学校で平成24年にプール死亡事故が起きたことにあるそうです。その際、教育委員会の独自調査に加え第三者委員会の調査を行い、その提言を受けて、徹底的な再発防止策を取られました。それは、市内全学校に対し「水位計物差し、監視台、プールフロアなどの水泳用具の配分、救急救命のプレートと映像作成とともに研修の徹底、児童タイプ心肺蘇生用人形導入、危機管理監を置き各学校の水泳計画をチェックし、抜き打ち巡回指導、その内容を取りまとめ校長会に報告、」さらには「水泳指導時の録画撮影実施」と、これでもかというほど手を尽くされています。

また交通安全に関しても、路地に歩道部分のカラー表示が増え、歩行者や自転車の安全が飛躍的に向上していると実感したので伺ったところ、それも、平成25年、集団登校の列に車が突っ込んだ事故をきっかけに、土木・警察・学校で通学路の危険個所を洗い出し、優先順位を付けながら安全対策を施したものでした。行政区ごとの安全施策プログラム作成、学校や警察OBによるスクールガードリーダーなど、ハード・ソフトの徹底対策です。
京都市教育委員会の、事故事案や現場に真正面に向き合う姿勢や「子どもの命を守り切る」ための対策を徹底する姿勢に、感銘を受けました。

一般質問H29.12.6③

福井はどうか・・・現段階では、池田町の事件を受けて、校長会を招集し、有識者の講話を行うとともに、文部科学省が以前から各校に配布している「自殺予防の手引き」を現場で活かすよう指示をしたと聞いています。具体的なところは学校任せというところでしょうか。現場からは「すべては上から降ってくる」という怨嗟が聞こえます。
私は、「池田町で考えろ」「現場でなんとかしろ」という指示だけではなく、県教委自らが考え、具体的手立てを講じることが現場支援だと考えますので、いくつか掘り下げて伺います。


まず事案の第一の原因に「教員の不十分な生徒理解と不適切な指導」があげられ、過度な叱責がクローズアップされています。教師の「生徒理解・児童理解・生徒指導」の力量は重要です。生徒のやる気を引き出したり、落ち込んでいるときに手を差し伸べたり、生徒一人一人の個性を見極め、適切な指導をタイミングよく行うことで、生徒は「先生は自分を分かってくれている」と自己存在感や自己肯定感を醸成させます。今回、現場の生徒理解や生徒指導力が不十分と指摘を受けた以上、その能力向上策が必要です。

④ 県教委として、教師の生徒理解や生徒指導の力量を高めるために、今後どのような支援をされるのかお聞かせください。

ちなみに京都市の場合、こうした「生徒指導ハンドブック」を先生方に配布しておられます。中身は、生徒指導の心得から具体的スキル、コツなど京都の先生方の知恵が集積されたハウトゥー本です。昭和の時代から積み重ねて作っているそうで、読むと中身の凄さに驚きます。現場で役立つことばかりです。迷ったらこれを見ればいい。
常任委員会調査で、井ノ部議員が「教員の指導姿勢について、マニュアル的なものはないのか」と質問されましたが、まさにこれです。京都市ではこのハンドブックのみならず、お手元の資料のように、さまざまなマニュアルや事例集を作成し、現場を支援されています。

さて、第三者委員会の調査報告書を読んで、「他の先生方は何してたんやろ?」と強い疑問を感じましたので、チーム学校について伺います。

まず人材育成です。
現場の教員には様々な個性があり、得意・不得意もあります。強い叱咤激励で生徒を統率する先生はスポーツ大会などで良い成績を残すのが得意ですが、運動苦手な生徒からは苦手とされがちです。逆に、優しく穏やかな先生は気の弱い生徒でも話しかけやすく安心感を与えられる反面、勝ち負けのある大会で跳びぬけた成績を生み出すのは苦手です。

そうした教員の個々の特徴を捉え、「それはやり過ぎ」とか「もうちょっとしっかり叱った方がいい」、「あの子落ち込んでいるから気を付けね」、「うまいこと指導したね」などと適切なアドバイスをして、後輩を伸ばしてくれる先輩が、どの学校にも一人や二人おられると思っていました。しかし池中では、過度な叱責が繰り返されていたのですから、内部での指導力育成がうまくいっていなかったわけです。

⑤ 今、教員の大量退職時代を迎え、あと何年かで平均年齢も大きく下がります。ゲーム世代の若い先生が増え、指導力・人間力ダウンも危惧されるところですが、今後の人材育成についてどのようにお考えか伺います。

一般質問H29.12.6④

京都市の場合は、学校の中でスキルを学ぶ橋渡し役としてミドルリーダーの育成に力を入れており、「若手中堅実践道場」を開催、それぞれの得意分野を教え合って人材育成を図っているそうです。先を見据えた面白い取り組みだと感じます。


次は、チーム学校たる学校全体での連携指導についてです。
ある先生に叱られて落ち込む子供がいたら、救いの声をかける先生がいて、子どもを面白く楽しませる先生がいたら、調子に乗り過ぎないように引き締める先生がいる。
あるいは、校長、教頭、教務主任、生徒指導主事、保健主事、養護教諭といった、全校対象の公務分掌があります。それぞれの役割が機能し、連携しあっていたなら、適切な指導につながっていたはずですが、池中では「つながり・校内相談報告不十分。管理職指導監督不徹底」でした。
教育委員会は、学校に対し、校内での児童・生徒の情報共有を指示しておられますが、とても大事なことです。

⑥ お互いの役割の確認・実践や、児童生徒の情報共有は、一時的なことで終わらず、定期的に行うようにすべきですが、そのためには、時間の確保が必要です。多忙を極める現場ではかなり困難なことですが、教育委員会としてどのように指導・配慮・確認していくのか伺います。

⑦ 合わせて、管理職登用において、学校経営能力をどのように評価しておられるのかお聞かせください。


さて今回の再発防止のため、県はスクールカウンセラーの回数と時間の拡充をするとのことです。ありがたいことながら、よほど専門性を高めない限り、カウンセリングを学んで週に何度かやってくるだけでは、こどもや担任との信頼関係を構築しにくく、効果は限定的です。むしろ、学校に常時いる養護教諭こそが、子どもたちの心のよりどころとなりうる立場だと思います。

⑧ 養護教諭が児童生徒の心のケアに当たれるように、スキルアップと環境整備をすべきと考えますがご所見を伺います。


危機管理について伺います。
ご遺族のお話では、何故こんなことになったのか全く分からず呆然自失状態だった当初、学校は「家庭が悪い、家庭に問題あり」という態度をとっていた、ノートやかばん、靴などのを遺品の返還も、たたきつけらるようだったと感じておられます。さらに、保護者会説明や記者会見の内容は、保護者とのコミニュケーションがないまま執り行われ、中でも学校長が「学校には何も問題ない」旨の発言をしたことに、今もって憤りを感じておられます。
委員会調査で関議員が「家庭が知らないことが新聞で流れるのか?事故発生後の数日間の学校・行政の態度は、皆が自分の責任ではないと逃げている」と指摘されておられましたが、県教委の対応にしても先に述べたとおり、ほめられたものではない。
 また、担任がなかなかご遺族の前に現れなかったり、弔問時の関係者の服装が顰蹙を買ったりもしています。
今回の学校関係者の言動は、重篤な事故・事案が起きた際の言動として、全く不適切です。
 
⑨ いざという時、逃げの姿勢ではなく、あとでしこりが残ったり問題が起きたりするのではない、適切な言動や対応を、県教委にはぜひ研究して、現場指導をお願いしたい。加えて、ご遺族とのコミニュケーションの取り方もお示しいただきたいと思いますがご所見を伺います。

一般質問H29.12.6⑤

以上、徹底的な再発防止を願って、思いつく検証事項の何点かを質問させていただきましたが、最後に教育行政の在り様について伺います。

近年、教員の自殺も多く、一昨年には上中中学校の新採用の先生が長時間労働原因で自殺されました。
福井の公教育が、学力トップと言う成果を求めるあまりに、命を守るという第一の基本がおろそかになっていると感じている人は県内外に大勢おられます。県会自民党の代表質問のとおり、今、福井県の公教育の在り様、教育行政の在り様が広く問われています。

今年、知人のお子さんが高校を辞めたのですが、話を聞くと「勉強がしたくて高校に入ったのであって、受験勉強をしに入ったのではない」と言います。テストのための薄っぺらい教育に失望したというのです。これが義務教育にもはびこり、現場は学診でアップアップ、英検でアップアップ、「学力体力ナンバーワン」を県が看板にした時点で、現場にはそれがノルマとのしかかり、現実は過度な競争や試験対策を行っています。丁寧な教育どころか、本来の教育から遠ざかる一方です。

⑩ 県は「学力診断テストは序列化や競争をあおるものではない」とおっしゃいますが、ならば、過度な序列化や、過去問をやらせるなどのテスト対策・競争を現場で行っていないか、本来の指導計画に乗っ取った授業、本来の教育の徹底を促すべきと考えますがご所見を伺います。
⑪ また合わせて、平成19年度以降の教員自殺者数を伺います。


京都市教育委員会は、「『子どもの命を守り切る』というのは一人一人を大事にすることそのものです」とおっしゃいます。これは、出先機関を除く教育委員会の組織図です。
例えばこの学校指導課は、教育課程や学校の指導のあり方、「こんなこと起こってないか」などと現場を注視し、どういう支援が必要か考え、具体的手立てを施しておられるそうです。決して現場へのミッション丸投げではありません。
福井の場合、県教委と市町教育委員会との役割分担はあるものの、市町教育委員会の規模は小さいのですから、ただ命じるだけでは現場負担が増すばかり、そのしわ寄せは結局先生と子供に行きます。県自らが、学校現場や市町教育委員会に対する具体的支援策を考えることこそ、その役割ではないでしょうか。
これは県教委の組織図ですが、構造や職員の役割からは、実際にはテストで高得点を上げさせることにウェイトがかかっているのを感じます。知事が「福井県の教員は熱心に教育に取り組んでいる」と評価されているのだから、ウェブ算数などで現場を締め付ける必要はないでしょう!?県の「学力向上センター」の看板を壊してくれと言う声だってあります。

⑫ 最後に、知事に伺います。二度とこのような残念で不幸なことが起きないように教育現場を支援すること、そして「教員が子供たちに気配り・目配りできる丁寧な教育」実現のための環境整備は、口で言うほど簡単なことではありません。その実現のために、教育委員会組織の見直しも含め、全力で取り組むべきと考えますが、ご所見をお聞かせ願います。


生徒や先生が自殺をしても、学力を優先する県であってはなりません。真摯な反省を行い、どんなシステム改革に結びつけるのか、多くの人が注目していると申し添えて質問を終わります。