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一般質問H29.9.14②

さて、知事は今議会冒頭に、「大飯原発3・4号機再稼働に関し議会での意見を元にする」とおっしゃっておられましたので、私の考えを述べます。
初めは「原子力発電に関する国民の理解」に関してです

まず、放射能で癌になるメカニズムについて簡単に述べます。これは、東京電力福島第一原発事故国会事故調査委員会委員であった崎山比早子(ひさこ)さん、こちらは東大農学部農地環境放射線学の広瀬先生が講義で使われるもので、いずれも「放射線が遺伝子DNAを傷つける」という図説です。

DNAは化学結合していますが、放射線が通ることで損傷します。損傷後は死滅してしまう細胞もありますし、人間の復元力で元に戻るものが大方あります。でももし、その復元に間違いが起きてしまったら、癌になる可能性があり、その間違いのままDNAが複製されることになります。放射線のエネルギーは大きくて、DNAの化学結合力の1万倍から1万5千倍もあるそうですから、複雑損傷を生じさせる危険性があります。複雑損傷を起こす最低線量は1.3ミリシーベルトで、1,000ミリシーベルトつまり1シーベルトでは一つの細胞に35個の複雑損傷を起こし、7シーベルトでは1細胞当たり235個の損傷を起こし死に至るとのことです。

我々が限度とされている年間線量は、全身1ミリシーベルトです。全身には約60兆個の細胞があり、各細胞に平均1本の飛跡が通るのが全身1ミリシーベルトの被ばくです。それが、原発事故後、福島では、この線量限度が20ミリシーベルトに引き上げられています。
私は大事故が起きたら、年間積算線量が20ミリシーベルトまで許容されてしまう、いざとなったら安全の基準値がぐっと変化することに不信感を持っています。こうしたことは、福島だけの事とは考えにくく、福井でも有事の際はそうなると憂えます。

② 年間積算線量の基準値がぐっと引き上げられたことに関し、「それは仕方がないから福井で起きても許容する」と思われるのか、「福井でそんなことになったら問題だ」と思われるのか、知事のご所見を伺うとともに、もし問題だと思われるのであれば、国へ意見を述べていただきたいと申し添えます。


しかしながら、何もしていなくても自然界などから世界平均で年間2.4ミリシーベルト、我々日本人は平均2,1ミリシーベルトの放射線を日常浴びています。
「国民理解」というのは、結局のところ、電力を得る事と、放射線被ばくの危険性との折り合いだと思います。「自然界からの放射線だってあるのだから、電力を得るために少々の被ばくリスクはたいしたことない」と理解するのか、「たとえわずかな確率であっても癌という重大な結果をまねく以上、追加の被ばくは避けたい」と拒むのかは、人によりけり、科学や理屈では説明できない「トランスサイエンス」です。
中でも母親が、「被爆の影響は子どもに大きく出るので、できる限り線量を低く。」と願うのは無理のない話です。現実に福島では、避難区域外からの自主避難や避難解除となったエリアへ帰らない母子が多く、今もなお、苦しんでおられます。
放射線被ばくに対する受け止めが人によって違う以上、原子力発電に対する理解者を増やすのは非常に困難、「ほとんど理解が進んでいない」と言うのが現実ではないでしょうか。

③ 知事はこの「国民理解」が、どのようにすれば進むとお考えでしょうか?
また、どのようにして「国民理解が進んだ」と評価するおつもりなのか考えをお示しください。

ちなみに、福井は原子力発電で雇用や地域企業収入、自治体収入などを得ていますから、他県とは折り合いをつけるバランスがずいぶん違います。もし国民理解が薄いのに福井県や立地市町が同意をし、万が一事後が起きた時には「福島事故を見ておきながら、何故動かした?」と県民が責められてしまいます。福島事故でも被災者差別の課題が浮き彫りになっているのですから、ことさらです。知事がおっしゃるように「国民理解」が再稼働に必要なのは間違いありません。

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