一般質問H29.6.29①
細川かをりです。
昨年暮れに、新潟県糸魚川市で大規模火災があり、家屋147棟を含む約4万平米が焼損しました。
私は、かつてと違って現代は消防技術や様々な防火対策が進んでいるから、そんな大火は起こりにくいと甘く考えていただけに、大変驚きました。
そして今年2月28日、JR武生駅から約500メートル西にある総社通り商店街の建物密集地から出火。火は長屋のように連なった屋根や屋根裏を伝い瞬く間に燃え広がりました。でも、建物の間が狭くて消防車両が十分入れず、消火活動は難航。5棟を全焼したほか1棟を半焼、4棟の一部を焼く火事となりました。焼損床面積は合計約1436平方メートル。
今回は背後の漆喰の蔵のおかげでそれ以上の延焼はまぬがれたものの、糸魚川の大火は決して他人事ではありません。
糸魚川の火災地域は、老朽化した木造建築物や狭隘な道路の多い「木造密集地域」いわゆる「木密地域」です。私の住む越前市も中心部はそうではないかと思われます。また、糸魚川市と越前市の火災現場の両方とも「JR駅に近い都市計画法の『商業地域』であり『準防火地域』だ」という共通点があります。「準防火地域」は、家を建てる際に外壁などの防火構造が求められ、不燃化を特に進めなければならない所ですが、都市計画法が定められた昭和43年以前の家屋に遡っての適用にはなっていません。従って、防火構造への改修などは持ち主の判断に任せられているので、なかなか不燃化が進まないのが実情です。
私は、「火災」に強い地域づくりのために、「木密地域の不燃化」が早急に必要で、こうした地域を防火指定するだけではなく、不燃化を加速化するためのインセンティブ=刺激策が必要だと考えます。
一般的に、木密地域の不燃化は、「不燃領域率60~70%」が目標値です。密集していても不燃領域率が70%以上だと燃え移らない、延焼しないという理論値です。
「木造住宅が密集し、道路が幅員4m未満で狭い、公園などの空き地が無い、」という場合、不燃領域率は30%、40%だと思われますが、そうしたエリアは県内に結構あるのではないかと想像するところです。
① そこでまず、県は不燃化の必要な木密地域をどの程度と考え、どれだけ存在把握されているのか県内の現状を伺います。
糸魚川や越前市のような中心市街地の木密地域は、「高齢化率が高い、人口減少が進んでいる、空き家が多い、独居高齢者世帯が多い」という共通点もあります。
車社会の地方都市では、若い夫婦が住まいを選ぶ際、「利便性が良く、最低2台分の自家用車の駐車場が確保できる所」が大きなポイントとなるそうです。木密地域は狭隘道路が多いので運転に支障があり、駐車スペースも極めて少ないので、おのずと地域外へ人口流出することになります。高齢者が残されたとなると、家屋の建て替えが進まないばかりか、時間とともに空き家が増える一方となります。
一般的には、個人の住宅の不燃化は個人の財産の問題です。しかしながら、木密地域の場合、糸魚川の事例のとおり、1軒住宅が燃えるとすぐ延焼しますから、個人住宅の不燃化は公的課題、責任が生じると考えます。
住民のライフサイクルに任せているだけでは、不燃化や木密地域解消がなかなか進まない現実に、県もしっかりと向き合うべきです。
② 木密地域の課題と、行政による支援の必要性について知事のご認識を伺います。