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2016年10月12日

9月補正賛成弁論

細川かをりです。
修正案に二つの理由で賛成します。

まず一つ目は「在り様」です。かねてより、補正予算に多くの「新規事業」が計上されることに違和感を持っておりましたが、今回も30事業以上です。
ご承知の通り補正予算は、国の補助金等の変動や緊急やむを得ない場合などに、予算の追加などを行うものです。ですから「事業内容」だけでなく、「なぜ補正で新規事業なのか。」、「次年度では間に合わない、前倒しの理由は何か。」、「急に出てきたものではないか、全体計画の中の位置づけはどうなっているか。」という観点で見ることが大事です。
減額対象の「幕末明治福井150年博」は、「希望ふくいの創造ビジョン」や、昨年3月策定の「観光新戦略」などを調べても、位置づけが見受けられません。
知事のマニフェスト「福井ふるさと元気宣言」の中には、「福井のアニバーサリー」として「戦後復興70年」「明治維新150年」を節目に展示会を行う旨の記載がありましたが、昨年の「戦後復興70年」は政策合意にも上らず、県庁ロビーなどで静かに展示を行っていただけでした。戦後復興の歩みは重要だと思うのですが、それと比べて、「明治維新150年」は博覧会開催と大きな事業である理由は何でしょうか。
県庁内の合意だけではなく、明確な博覧会開催理由についての県民理解が得られなければ、今のタイミングでの博覧会準備予算の計上は、「大河ドラマ誘致失敗」のすり替えに見えてしまいます。
仕切りなおすべきです。
「ふるさと納税1兆円」国民運動事業は、国民運動に県費を入れる是非だけではなく、1兆円というボリュームは、地方に財源を移譲する国の税制として制度化すべきものではないかと疑問です。
また、長期ビジョンにもマニフェストにも政策合意にも国民運動の記載が見当たらず、夏の知事会議で唐突に出てきたように感じます。

私は、県の存在意義を「県域でグランドデザインを描くこと」だと思っておりますので、「理事者の言動」ではなく「全体計画」で判断させていただきます。

二つ目は、やり方です。
先日の予算特別委員会で議員に対する「恫喝」という言葉が出ました。詳細は分かりませんが、何かしら議員がプレッシャーを感じたのは事実でしょう。こうしたやり方が度重なることに、反発を感じます。これからの議会には、特に、若い女性議員が出てきてほしいと思っているだけに、水面下で圧力を掛けられるようであっては困ります。
議会の結論の前に、新聞に事業内容などの情報が既成事実のように先出しされることもそうですが、県の一連の対応を遺憾に思います。
以上が、減額修正に賛成する理由です。
豊洲市場移転問題で地方議会の在り様も問われている今日です。予算を多くの議員でチェックするわけですから、部分修正があっても何ら不思議ではないと思うことを申し添え、賛成討論といたします。

一般質問H28.9①

細川かをりです。

まず、台風10号により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げ、一日も早く穏やかな生活が戻ることをお祈り申し上げるとともに、治水の重要性をあらためてかみしめる次第です。

一般的に、川が蛇行する場所ではカーブの外側へ飛び出す力が働いて氾濫や決壊が起きやすくなります。
台風10号の雨で『氾濫』した岩手県岩泉町の小本川は、「現場付近の川の蛇行が急な水位上昇を招いた」と、多くの河川工学の専門家が指摘しています。
また北海道では、橋の付近で車が川に転落して流される事故が相次ぎ、死者も出ました。通行できなくなった橋は確認されただけでも42か所、北海道清水町の現場では、橋桁は残っていましたが、橋と川岸が接する部分の土が、激しい流れで大きく削られていました。北海道大学の清水康行教授は「川はもともと蛇行する特性があるが、大雨でさらに大きく蛇行して洗掘が起きたと見られる」と述べています。
上流から早い流れが来て壁にぶつかり、川岸の土が削られた「洗掘」の被害です。
いずれも川の蛇行という地形的な要因が招いた『氾濫』です。

さて私は、福井豪雨災害と越前市東部集中豪雨で大きな被害の出た旧今立町を流れる鞍谷川とその支流について質問し、末端までの強靭化を求めてまいりました。
今立エリアは浸水がほぼ全域に及び、死者1名,家屋被害は全壊2件,半壊5件,一部損壊23件,床上浸水271件,床下浸水586件,家屋の約24%に何らかの被害を受けました。
福井豪雨後、県には30基の砂防堰堤を入れて土砂災害の対策を行っていただきました。感謝いたしますとともに、私もできるだけ広くそれをお伝えして、安心感の醸成につとめたいと思います。

河川の改修工事については、基本的に下流から順次行うものですから、この12年間、改修が今立エリアまで進んでくることを今か今かと待ち望んでおりましたが、ようやく鯖江市と旧今立町の境目の「関」の改良工事が完成しました。重ねて感謝申し上げます。

いよいよ被害のひどかった上流部分です。
上流部分の河川の問題は、『蛇行』です。
山間部の河川について、以前知事は、10年に一度の大雨に耐えられることが目標だけれど、現状は5年程度の水害にあってしまう程度なので、安全度を高める必要があるとの認識を示され、さらに河川課長は鞍谷川の改修終了後、引き続き支流の服部川の改修に移行するとお答えいただいています。

①そこでまず、服部川の改良工事の、今後の計画をお伺いします。

一般質問H28.9②

次に、同じく鞍谷川の支流、月尾地区を流れる月尾川について伺います。
この流域は、平成24年の越前市東部集中豪雨でも被災したエリアです。
福井豪雨からたった8年でまた災害が起こったので、住民は未だ大雨のたびに不安に駆られます。

越前市東部集中豪雨では、砂防堰堤のおかげで土砂災害は少なかったものの、川の蛇行により堤防が切れ、川が氾濫しました。これは、中流部の蛇行による氾濫で、家屋浸水が起きた所です。赤い矢印の方向に水があふれました。
これらは、福井豪雨の時と全く同じところでの氾濫です。

10年経たずして二度の浸水被害に遭われた被災者の方々は、もう集落を出ようかと相当悩んだそうです。その後ご自身で頑丈な塀をったお宅もありますが、塀のないお宅に被害が集中するかもしれません。自助努力にも限界があります。残念ながら、砂防堰堤で蛇行による氾濫は防げません。ですから、今も月尾地区の住民は月尾川の抜本対策を強く望んでいます。

この川の厄介なところは、下流 約3㎞が一級河川で県管理、上流は県管理の砂防指定ですが普通河川 約5㎞が市の管理である点です。以前県は、「豪雨の後、県が護岸と河床の工事を行い、越前市が100m、600mと浚渫した」とお答えでしたが、護岸は原型復帰でしかなく、浚渫は流域の1割にも満たない距離です。住民の不安は小さくなるどころか、現状の月尾川はこの通りです。不安はむしろ増大しています。

堤防高さに安全裕度は見込まれていない脆弱な川だと聞いていますし、河川は草で埋め尽くされています。このままでは大雨でまた堤防後ろの土羽が削られて氾濫・・・その繰り返しでしょう。
県は「越前市から主体的に相談を持ちかけられた場合には、県としても対応する。」とおっしゃるし、越前市は「河川のことなので、県に方針を示してもらいたい。市は協力する。」とおっしゃいます。
市も県も主体的に取り組もうとしないので抜本対策は進展せず、住民は不信感を募らせております。
治水対策は、「上流下流のバランスや、総合的な治水も含めていろいろなことを計画的に考え、検討していく必要がある」とのことですから、普通河川であっても、市単独では方針を打ち出せません。県にはぜひとも安全対策の方針を打ち出し、市と積極的・発展的な話し合いをしていただきたいと願います。

②県の、月尾川の治水に関する現状認識をお伺いするとともに、今後の方針をお聞かせください。

以上、今立エリアの現状について述べてまいりましたが、中山間地域では、福井豪雨災害は、まだ過去の話ではありません。

③知事は「福井豪雨に関連する河川事業はすべて実行した」とおっしゃっておられましたが、あらためて、福井豪雨災害で被害のあった県内の流域が、上流部まで安全対策がいきわたっているのか、その評価とご認識をお聞かせください。

行政が費用対効果を言い出してから、中山間地域は人口が少ないので施策の優先順位が上がりにくくなりました。まさに条件不利地域です。安全対策をあきらめざるを得ない場合、住民は「我々の命はいくらなのか」とやるせなさを感じます。

河川の安全対策は命にかかわることですから、上流部まで切れ目ない対策を切望します。

一般質問H28.9③

さて災害は、起きてしまうとその復旧復興に多大な予算と時間を要します。
例えば、阪神淡路大震災が起きた神戸市長田区では、全国有数の区画整理を行ったり再開発ビルを建てたりしたものの、未だ人口は戻っていません。13万数千人だったものが9万9千人、約20年で7割です。 

震災当時、兵庫県は国から復興予算について、「復旧まではいいが復興はいけない、焼け太りはいけない」と言われたそうです。でも、「前と同じにするのではいい復興ではない」と、借金をして復興、それは「兵庫県がひっくり返るのではないか。」というほどの多大な額だったので、現在の公債費にも影響しているそうです。
また、東日本大震災の被災地、南三陸町の佐藤町長によると、港の復旧において担い手のいない漁港をこの際集約しようとしたけれど、原型復旧が基本と言われ、結局できなかったとのことです。ナンセンスな話です。

水害は特に、100年に一度、200年に一度と言われるような豪雨が増加していますから、復旧の際にはそれを見越して改良復旧を図るべきです。原型復旧では、同様の雨が降れば同様の場所で同様の災害が起きます。先にも述べましたが、月尾地区で再度災害が起きた場所は、福井豪雨後、原型復旧だったので氾濫を繰り返しました。残念ながら2度目も原型復旧ですから、今後も氾濫の恐れありです。予算的にも不合理です。

④災害復旧は原型復旧だけでなく、気候変動に対応した改良復旧を積極的に行うべきと考えますが、知事のご所見をお聞かせください。


さて近年、ウォーターフロントの利活用が叫ばれ、規制が緩和されています。
ウォーターフロントは特別な空間です。「水辺に独特の美しい景色」と「水面の大きな広がり、眺望」などが、市民にうるおい・やすらぎを与えます。とりわけ都市部のウォーターフロントは貴重な空間で、快適な生活や都市再生など様々な可能性を秘めた都市開発のニューフロンティアです。
全国の、河川空間のオープン化事例を見ますと、北海道ではアイヌの食文化の素材となる野菜を栽培し伝統文化発信に利用、埼玉県では『浸水テラス』というにぎわい空間を県の水辺再生事業で整備、新潟県では防災公園に道の駅機能を加え「人・モノ・情報の交流拠点」として位置づけ、大阪では2009年の「水都おおさか2009」を契機に、様々な河川で、水上劇場、バラ園、水回廊、海の駅など、水辺空間の活用に乗り出し、今も発展・継続中です。
私は昨年、広島の平和公園近く、宮島に向かう船着場で、おしゃれなオープンカフェを利用しました。粋な空間だと印象深かったです。

本県でも、市街地付近の河原を利用した民間のイベントが人気を博し、先進事例として全国に紹介されたりしております。またかねてより、河原を畑にして常態的に利用しておられる方も見受けられます。河原を使いやすく整えることで、県民活動の場所や活動選択肢を広げることが期待できます。
民間の河川活用の機運を、水辺再整備やさらなる空間利活用へと発展させてほしいものです。

⑤県の、河川空間オープン化に関するお考えを伺います。

一般質問H28.9④

さて、「県内の掃除=環境美化」に関して伺います。
先日の自民党県政会の代表質問で、「2年後の国体を見据えて、計画的かつ集中的に道路や河川の維持管理や環境美化を進めていくことが必要」との質問がありました。私もまったく同感です。

河川は、流量確保のため、河川法によって堤防を内側へ広げることができません。そのくらい、河川の流量確保は大事なことです。
 しかしながら、河原に生い茂る草木は、成長するほどに流量を小さくしています。伐採・伐木すべし、たまった泥土は浚渫すべしです。
 現状、県内の河川の状況は、こうです。

 これは足羽川の河原です。ウォーターフロントの利活用どころが、足も踏み入れられないジャングルです。

日野川の河原も同様ですが、かつては砂礫河原だったとのことです。砂礫の間には魚が卵を産みますから、美しく、豊かな川だったのだろうと想像します。
今は、上流のダムにより、洪水がほとんどありませんから、河原に泥や土がたまる一方で、草木が生え、枯れた葉っぱなどが養分となり、さらに草木を生い茂らせジャングル化、今ではイノシシ・熊が生息し、市街地に出没してます。山だけではなく川から出てくるのです。鳥獣は、本来の生息地である山に戻すべきです。
河川の流下能力阻害、鳥獣出没、景観としても荒れた不気味な感じです。

県は「川守活動の協力を得て、限られた予算の中、効率的に実施してきている」とおっしゃいますが、それが雑草のはびこる速さに間に合っていないから、今の現状があるのです。
「草冠に早いと書いて草と読む」わけですが、年々はびこるスピードが増していると感じます。私も年に何度か草刈りに参加しますが、とても追いつくものではありません。
また市民との協働とかボランティアでとか、いろんな分野でいろんなところから言われるわけですが、体力・余力のある住民は減少の一途です。それなのに、地域では鳥獣害対策であったり、畔の草刈りであったり、地域の行事であったり、やらなくてはならないことが多く、いっぱいいっぱいです。
知事、河川の伐採・伐木・浚渫といった維持管理費を、特に2年後の国体を見据え、これまでの土木の予算枠にとらわれず、劇的に絶対的に増やすべきです。

⑥県は維持管理に必要な予算を確保し実施するとおっしゃっておられましたが、それはどの程度とお考えなのか、お聞かせください。

ちなみに私は、今の10倍でも足りないと思っています。もし予算が十分取れないならば、いっそのこと、牛や山羊、羊を放牧させてはどうか、検討することを提案します。

一般質問H28.9⑤

道路についても同様です。これはあちこちで見かける光景です。1メートルを優に超える高さの雑草が、平気で国道・県道沿いに生えています。こうした状況のまま、オリンピックのキャンプ地として国内外の選手を招いたり、国体を迎えたりするのでしょうか?
県は、国体・大会に向け「花いっぱい運動」を呼びかけています。それはいいことですが、飾るより前にやるべきは『大掃除』です。
皆さんのお宅で、お客様をお迎えするとき、掃除や片付けを怠ったまま、飾りつけをするなんてことはないはずです。まずは『掃除』。
しかも大勢の人が福井に来られ、多くの目でいろんな角度から県内を見ることになるのですから、普通の掃除ではなく、『大掃除』が必要です。
 歩道や通り端にずらっと生えている雑草、気になりませんか? 雑草が多いとその付近一帯、荒れ果てて見えます。日ごろ草むしりや掃除をしている人は、ことさらそういったことに目が行きます。気にしてください。

⑦河川・河原同様、除草の維持管理費を、劇的に絶対的に増やすべきです。また、荒れた植え込みが多くありますから、植栽についても、植物の種類、管理が適切か、見直すことを求めます。所見を求めます。

国体まであと2年、寂れた福井ではなく、クリーンで気持ちの良い福井であってほしいです。

国体に関して伺います。
私は国体の本県開催を歓迎・期待しております。競技成績以上に、開催を契機に各種環境整備がなされることと、スポーツのすそ野が広がることへの期待です。
 先に述べた環境美化しかり、老朽化したスポーツ施設の再整備しかり。

さらに「福井しあわせ元気大会」は障がい者スポーツ大会ですから、障がい者の活動環境が整うことを大きく期待します。
障がいと言っても様々な種類があり、段差、音声案内、視覚的表示、多目的トイレなど、それぞれに留意すべきポイントが違います。また障がい者の方々が利用されるのは、大会会場だけでなく、様々な公共施設です。

⑧そこでまず、県内公共施設の福祉的配慮はどの程度進んでいるのか、現状と対策を伺います。

一般質問H28.9⑥

先月東京メトロで、視覚障碍者の方が、線路に転落して死亡する痛ましい事故がありました。事故原因として注目を集めたのが、点字ブロックの在り様でした。点字ブロックの先に障がい物があったり、歩きにくいところに設置されていたりといった不備は、実は県内でもあります。
よく「点字ブロックの上に自転車が並んでいる。」「イベントテントが立てられている」といったお訴えを頂きます。 点字ブロックは、設置してあればそれでいいというものではありません。当事者だけでなく、みんなが意識していないと使いづらく、場合によっては危険性すらあります。

⑨点字ブロックの重要性を啓発し、安全点検を行うべきと考えますが、ご所見を伺います。
最後にもう1点、伺います。

多くのアスリートにとって、国体出場は誇りであり、その後の競技人生やスポーツ振興に対するモチベーションにつながっています。地元開催となるとなおさらです。
現在、勝てるチーム作りのために多くの「ふるさと選手」を集めており、様々なご苦労がおありだろうと想像する片や、元来、県内で国体を目指して練習してきている選手にとっては、その分「狭き門」になることは否めません。
 チーム福井は好成績を上げるだろうと期待しておりますが、国体の後、何がどう残り、どう県民のスポーツのすそ野が広がるのか、ふるさと選手はどのように関わっていくのか、イメージがつかないでいます。
国体は、「広く県民の間にスポーツを普及し、スポーツ精神を高揚して県民の健康増進と体力の向上を図り、併せて地方スポーツの振興と地方文化の発展に寄与するとともに、県民生活を明るく豊かにしようとするもの」と認識しています。

⑩国体開催を契機に、どのようにスポーツのすそ野を広げていこうとお考えなのか、具体的に伺います。 

予特H28.6①

災害ボランティア活動について

厳密には「ボランティア活動」「奉仕活動(サービス)」とは区別がいる。ボランティアの語源は「活火山」。公益目的の自主・自発的活動である。阪神淡路大震災時の「言われたらやらない、言われなくてもやる。」は特徴的な言葉。そのボランティアの特性を、知事はよく理解されていると評価してきた。
H17年開催の「全国災害ボランティア全国フォーラム」で「ボランティア側から注文を受けたとき、行政は素早く応じるべき。タイミングを逃すと力を発揮できなくなる」と発言。同年1月の県政だよりでも水害ボランティアとして活躍した女性との対談でも、福井豪雨の際の取り組みを振り返り「福井では、民間と行政が情報を共有して話し合いながら活動をすすめることが大切だ」と発言されている。

① 知事の、「福井方式」と銘打った協働での災害ボランティア活動に対する認識に変わりはないか?


同じく、対談の中で丹後地方の水害や中越地震の災害ボランティア派遣に関し、「ボランティアと県職員が先遣隊として一緒に現地を訪れ、被災地で必要な支援内容を調べたり、復興支援のための活動を行いました」と語っており、官民の対等性を述べておられます。

私はこれらの記事を読んで、行政トップが「協働」をこんなにも理解しておられる、そしてそれが具現化されていることを、嬉しく、誇りに感じ、ずっとそう思ってきた。特に、県外の関係者に「福井方式」と「知事の理解あってこそ」とPRしてきた。

予特H28.6②

しかし、この頃をピークに、行政側の「協働意識」が徐々に薄れてきているのではないかと感じているので、何点か伺う。

熊本地震被災地に対する災害ボランティア活動に関してだが、福井からのボランティアバスは、連休のほぼ同時期に、福井県災害ボランティアセンター連絡会企画のものと、福井県災害ボランティア支援センター企画のものと、2種類あった。

② 今回、何故2種類のボラバスが出る事態になった?
募集方法、参加者、活動内容から、センター連絡会のバスは適切だったか伺う。これまでは、活動を官民で先遣隊を出し、共に話し合い、センター連絡会を開催して決めていたが、近年、行政が一方的に企画し、募集している。ボランティアは行政の下請けではない。


③ 「協働」の理念、これまでのセンター連絡会の積み上げにもとづいて、対等に、ともに考え、活動決定すべきではないか?

予特H28.6③

支援センターのバス第1便、満員のバスに私も同行したが、福井大学医学部の学生の一行だった。彼らは現地で一生懸命に被災者の方々や避難所のお手伝いの活動を行い、夜にはミーティングで活動を振り返り、どう被災者の方々に話しかけたらいいかとか真摯に語り合い、翌日の活動に反映させていた。感動した。現地からも高く評価された素晴らしい活動だった。
「チーム福井」は、活動したメンバーが、助け合い、特徴を生かし合い、スクラム組んで行い力が何倍にもなる集団。だからこそ「チーム」と言います。彼らは、チーム福井として誇らしい活動を行った。若者らしく、見事にラインで情報共有し、それは今でも続いている。
しかし、災害ボランティア活動基金の対象外なので、彼らは参加費5千円。当初実費1万円の予定だったが、なんとか日本財団やヤフーの助成金を引っ張って、参加費を5千円まで下げたが、学生の彼らには大金、食費を削っていた学生もいた。

④ 真に意欲のある県民が参加する災害ボランティア活動に基金が使われるべきではないのか?所見を伺う。


片や、センター連絡会のバスは、市町や社協の担当者が中心で、大型バスに定員の半数ほど乗車、私はある便の帰りに乗車させてもらったけれど、ほとんど会話がない。1人2席ゆったり使っていても、後から乗った私に、荷物が鎮座した席を空けようとする様子もない。
参加者の助け合い、譲り合いも芽生えなかった集団なのかと驚いた。2~3人、民間からボランティア参加した知り合いがいたので聞くと、「自己紹介もない。お互い知り合えなかった。」「サテライトの立ち上げ、ボラセンのコーディネートだから軽装でいいと言われたのに、実際はボラセンの片隅での活動なので人手もあまりいらず、仕方ないからと現場に出された。軽装で現場に行くなんて危険だ。」などなど、様子を聞かされた。
ほかのバスも似たようなものだったのだろう。「あの活動、九州まで行く必要があったの?」と問われる。
 そもそも、参加者は県の依頼によって集められたものだ。呼び出しの座長の名前の下に、わざわざ県が事務局だと書いてあるが、ある町の担当者は「県の呼び出し」と捉えていた。
 少なくとも自発的に集ったメンバーではないということだ。
そしてこちらは基金を使っており食事も用意され、参加費はその食費分千円。
 おかしくない?

⑤ 行政担当者や社協担当者の研修ならば、「業」でしょう?「業」ならば公費で行うべきで、自発的に活動した学生たちには適応されないというのは、ボランティア基金の使い方は逆でないか?

予特H28.6④


災害ボランティア活動では「絆」という言葉がよく使われる。活動は人とのつながりが重要。ボランタリーな活動は、人とのつながりが発展する特徴がある。

例えば、先に紹介した全国フォーラムでは・・・・、
(事例紹介:柳田国男、長島忠美、消防庁理事官・・・)

人材育成の研修は、近年県主催になってしまい、行政と社協の担当者研修の様相である。民間の人材育成や関係者間での人間関係が発展しない。

⑥ 基金を使って災害ボランティア研修を実施するならば、人材育成の観点から、研修会のあり方を見直すべきではないか?


災害ボランティアセンター連絡会の構成団体は、県全域に組織化された既存団体が多く、その時々の担当者が出てくるので、なかなか積み上げができず、発言者も限られてきている。だんだん上意下達で本来のボランタリーな発想から遠ざかっていく。
これは、三國重油災害のあとに組織化されたものが基本となって今日まで来ているが、福井豪雨災害の時に現場で顔が見えた団体は三分の一程度。
また現在、東日本大震災の時に実際に積極的な活動を行った団体を結び、災害ボランティア支援センターとして動いているが、こちらの方がよほど本来のセンター連絡会の本旨に沿っている。

⑦災害ボランティアセンター連絡会の構成団体を根本的に見直すべきではないか?


「行政がボランティアを調整しようとしても難しい」と鼎談で話し合っていたはずだが、現状、「行政がボランティアを下請け扱いしている」のではないか。民間側からすると、行政にそういったことが生じるのではないかと懸念し、協働の理念を条例に謳い、担保した。だからこその災害ボランティア先進県だ。

予特H28.6⑤

⑧ 協働の有り様を、今一度行政が省みるべきだ。所見を伺う。


5月25日付で観光庁から各都道府県あてに「ボランティアツアー実施にかかる旅行業法上の取り扱いについて」という通知が発出された。内容は、旅行業の登録を受けていないNPOや社会福祉協議会等が主催者となり、ボランティア参加者を募集し、参加代金を収受した上でボランティアツアーを実施する事例について、是正すべきといものであった。そもそも、ボランティアバスは、交通費などの実費を徴収しているのみで、報酬を得ているとは言い難い。


⑨ ボランティアバスについても、旅行業法の旅行業に当たるのか、まず伺う。


これまで、県としてもボランティアバスを運行してきた。また、福井豪雨の際には、ボランティアバスの受け入れもした。

⑩ ボランティアバスの有効性について、県としてどのように認識しているのか伺う。


観光庁の指導のように、ボランティアバスの運行を、旅行業者である旅行会社に委託した場合、迅速な支援の妨げになったり、コスト増につながる恐れがある。現地で機動的な活動もできない。
 
この法律は「消費者保護」の観点で作られているはずなのに、とか、旅行業者に責任がうつるのか・・・などと関係者で戸惑いが生じている。

⑪ 今後、ボランティアバスの運行について改善策を検討するよう、国に要望していくべきと考えるが、県としての見解を伺う。

一般質問H28.6①

細川かをりです。

初めに、4月の熊本地震で犠牲になられた方々に哀悼の意を捧げますとともに、被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 「正常化の偏見」という言葉があります。「目の前に危険が迫ってくるまでその危険を認めようとしない」「自分にとって都合の悪い情報を無視し、過小評価してしまう」といった人間心理を表す災害心理学用語です。
 「大したことにはならないはず」「自分だけは大丈夫」と根拠のない思い込みにとらわれ、結局いざという時に対処できません。防災を考える上で戒めねばならない心理現象です。
 今回の熊本地震も、我が身の教訓としていくことが大事です。

熊本では、余震が怖くて家の中で眠れないと、多くの方々が車中泊されました。私も熊本に行った際、宿泊場所が混んでいたので一晩車で寝ましたが、クッションが効いていて熟睡できました。翌日は、室内で寝たのですが、他人と同室で気を使ったり寝袋を使っていても畳の硬さが気になったりして、かえって眠りにくく感じました。
現状、どこの自治体も避難所の収容人数は限られていますし、被災者にとって車中泊が選択肢の一つになっていることは事実です。ですから地域防災計画の中で、車中泊に対するエコノミークラス症候群の予防や、公共施設などの水道・トイレの開放など、あらかじめ対応策を盛り込んでおくべきだと思います。

また、平成16年の福井豪雨災害の直後、私どもに障害者団体から防災の研修依頼がありました。東日本大震災の後も県立の特別支援学校から、今回も特別支援学校のPTAの方々から、「災害時、障害のある場合どうなるのか、どうしたらいいのか」というテーマをいただいています。他所での被災状況を見た障害のある方々やご家族の不安が大きいことの表れです。
地域防災計画には、要配慮者応急対策計画が策定されており、施設入所者に関しては先日伺いましたが、居宅の場合の説明はありませんでした。
計画では県健康福祉センターなどを拠点とし、避難所・居宅へ相談員を巡回させたり、要配慮者の生活状況の確認、健康・生活相談をしたりするとされていますが、誰が誰をどのように手配し、どのくらい手間がかかるものか、机上でのシミュレーションを、実行に移しての課題検証が必要です。地域での避難所運営においても同様、さらに心のケアまで含めれば、検証すべきことは沢山あります。

① 知事も「車中避難者や高齢者への配慮」を課題とあげておられましたので、速やかに地域防災計画の検証・見直しや、地域における居宅要配慮者対策を含む訓練を行うべきです。知事はいかがお考えでしょうか。

一般質問H28.6②

さて、熊本地震はまたしても「想定外」の地震でした。地震活動が熊本・阿蘇・大分へと飛び火していく現象は、日本中の専門家にとって未経験、気象庁も「観測史上、例がない」と戸惑いを見せました。
国は地震予知に多額の予算をかけながら、日本海中部地震、北海道南西沖地震、阪神淡路大震災、中越沖地震、東日本大震災、熊本地震と、ことごとく予知できず、地震発生確率が低いとされた地域で起きています。これまでの知見では及ばなかったということです。
そんな中、注目を集めているのが、GPSなどの測位衛星GNSSを使って全国1300箇所の電子基準点を測量し、そのデータ分析から地殻の動きをとらえる最新の研究方法です。

京都大学防災研究所の西村准教授によると、日本の地盤は細かく分かれており、さらに、その地殻の堺目に活断層帯がある場合、大きな地震が起きる可能性があるそうです。地盤が別の方向に動けば、境目に歪みが貯まるのは当然で、そこで地震が起きるのは、感覚的に納得できます。熊本地震もこれに該当します。
これは、西村准教授がはじき出した、地盤の細かな境目です。
福井県は地盤の複雑な分かれ目に位置しています。
こちらはハーバード大学のブレダンミード教授がはじき出したプレートの境目ですが、よく似ています。
こちらは、主な活断層図です。若狭湾は活断層の巣で、伊勢湾・大阪湾と結ぶ地域は「近畿トライアングル」という日本最大の破砕帯。真ん中が琵琶湖陥没帯、南は中央構造線、東は「敦賀湾―伊勢湾構造線」と呼ばれる断層帯です。
これらを合わせて考えると、福井が地盤の境目にあり、なおかつ活断層帯のある地域であること、つまり、大きな地震が起きる可能性があるということがわかります。

これは、同じく、東大名誉教授の村井俊治氏による測位データの分析図です。緑が地盤の隆起、青が沈降を示しており、福井は沈降しています。

こうした研究の元となる国土地理院の観測データは一日分の変化を平均化したものが二日遅れで届きます。リアルタイムのデータを得るためには、独自の電子基準点が必要であるため、NTTが携帯電話基地局にすぐにデータを得られる電子観測点を16基設置します。福井にも1基設置予定です。一方、陸と海の動きを調べることで地殻の動きを正確につかめるのですが、海底は海上保安庁が観測しており、データは非公開です。これは海保が科学雑誌ネイチャーに発表した太平洋側の海底の動きですが、日本海側の海底の動きも知りたいところです。

② 知事は以前「福島の事故を受け、日本海側周辺部のプレートの動きがどのような影響をするのか。県内での活断層の状況などさらに詳細に調査をし、その影響を明らかにするよう、国に要請をしている」と答えておられますが、その後の動きを伺います。   

本県は多くの原発を抱えているので、海陸両方の地盤観測環境の整備は大事なのに、電子基準点は太平洋側の方が手厚い状況です。
  
③ 是非国に、県内の電子基準点の増設と海底観測データの公表を求め、地震計や水位計などと同様、県民や研究者がデータを即時有効利用できる環境を整えるべきです。御所見を伺います。

一般質問H28.6③

さて、核燃料税に関し、使用済み核燃料の搬出促進割が提案されています。しかしながら、それを一般財源化してしまうと、様々な施策の税財源として充てにされ、搬出促進にならないのではないかと憂慮しています。
また、今回の更新について、納税者である電力事業者は「立地地域の安全対策や災害対策の強化・充実に活用されるならば、立地地域と発電所の共生に大変有益」と述べておられます。「共生」とは同じ場所で共に生きるということです。納税義務者のおっしゃる「共生」という言葉が、「使用済み核燃料の保管」をさすのであれば、「搬出促進」という県の説明と食い違います。

④ 県の県民への説明と、事業者の理解されているところに齟齬はないのか知事の見解を伺います。

⑤ また、本気で搬出促進を考えておられるなら、何かあった時の基金としてプールしておくか、使用済み核燃料の分だけ切り離して目的税化し、先に述べた電子基準点など最新の地震観測施設といった安全対策に充て、使途を明確に県民に説明すべきと考えます。所見を伺います。

私は子どもたちが家に帰ってくるとき、いつも以上に家の中を掃除します。ゴミを資源回収に出し切り、子どもが自己実現できる場を出来るだけ作るよう努めます。地域も同じではないでしょうか?
次世代が気持ちよく福井で暮らせるよう、毒性のある使用済み燃料を一刻も早く県外へ搬出する搬出促進割が功を奏することを心より祈っております。

青少年の健全育成に関し伺います。

今年に入って、若者の、耳を疑うようなニュースが飛び込んできました。
中高校生の売春事件と東大生による強制わいせつ事件です。

⑥ 現役中高生が当事者であったり、トップクラスの進学校出身者が加害者であったりしたことを、教育委員会はどのように受け止めておられるのか、まず伺います。

一般質問H28.6④

私は、性に関する倫理観の醸成を阻害しているのは有害サイトの悪影響やSNSの普及による助長だと感じています。有害サイトの性描写は、女性蔑視や暴力的なものが圧倒的に多く、閲覧する者の価値観を蝕んでいます。
県警が事件として扱ったものもこれだけあります。いずれも当事者が口を紡ぐ場合の多いことがらですから、これでも一部だと思われます。
済生会病院の「性暴力救済センター・ふくい」では、開設1年目で33人74件の相談があり、うち3分の1が10代、5分の1が20代、若年層の被害が多いそうです。センター長は、「数字は氷山の一角。被害を知られたくないとの不安から誰にも相談しない女性が相当いる。特に10代は、被害の多くが家庭内で起きているとため、口を閉ざす割合が高いと分析する。」と述べておられます。背筋の凍る話です。
性暴力だけではありません。青少年の家庭環境も格差が広がっており、近年では親としての自覚を疑いたくなるケースが増加しています。ネグレクト、学費を払えないのではなく払わない親、子供が稼いだアルバイト代を搾取する親の話も何件か聞きます。

これは、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の啓発パンフレットです。
「現在、子供を取り巻く環境は、有害な情報や危険があふれており、子供を健全に育てる上で憂慮すべき事態となっている」との現状認識の元、従来の不健全図書類や性的玩具を含む有害玩具販売の制限だけでなく、携帯電話のフィルタリングや児童ポルノ根絶、倫理観の醸成、そして何より、「青少年が安心して育つ環境をつくるのは、大人の責任」と、行政・事業者・保護者の責務の自覚を強く促しています。
福井県には「青少年愛護条例」がありますが、「愛護」とは「可愛がって庇護する」という意味で、危機感や大人や社会の責任といった面でのインパクトや憂慮すべき事態に対する突破力に欠けます。内容も、スマホではなくテレクラの注意が書かれており、時代遅れです。

⑦ 知事、子供を健全に育てるためには、学校だけでなく、社会全体での取り組みが必要です。どうか「青少年健全育成条例」を制定し、「大人や社会全体の責務と自覚」を明確に、強く訴えていただきたく存じます。お考えをお聞かせ下さい。

今や、インターネットや携帯、スマホにより、子供たちは、姿の見えない遠くの人とも簡単につながれるようになりました。善悪・性別・年齢にかかわらず無尽に広がり、極めて危険性の高いものになっています。これを我々が「よくわからない」「仕方がない」と放置していてはなりません。大人は、その責任において、きちんと向き合わなければならないと思います。

大阪府では青少年の育成環境にしっかり向き合うさまざまな取り組みを行っています。
これは「大阪府青少年健全育成条例」のパンフレットです。有害なサイトにアクセスさせないための保護者や事業者の努力義務、規範意識に関する保護者の責務、フィルタリング手続きの厳格化、わいせつな行為の禁止や子供の性的虐待、出会い系サイトの児童利用禁止とともに、違反した場合の罰金も強調して書かれています。
また、青少年健全育成審議会を年に何度も開催し、常に条例の点検・検討をし、毎回「児童ポルノや性的虐待、ネット社会における青少年保護、スマホ時代に大人が知っておきたいこと」といったテーマで専門家を呼ぶなどして調査研究を行った上で、提言書をまとめています。ネットリテラシー啓発動画の作成やスマホ・SNSのトラブルから子供を守る指導者育成もあります。
福井県では青少年愛護審議会がそれに該当しますが、中心的活動は優良図書・有害図書などの指定のようです。

⑧本県でも、形骸化した内容ではなく、青少年の健全育成環境の現状や課題を調査・研究し、有害環境に対する突破力を持った取り組みをするよう強く求めます。いかがでしょうか。

⑨最後に、青少年の健全育成に対する知事の思いを伺い、質問を終えます。