9月補正賛成弁論
細川かをりです。
修正案に二つの理由で賛成します。
まず一つ目は「在り様」です。かねてより、補正予算に多くの「新規事業」が計上されることに違和感を持っておりましたが、今回も30事業以上です。
ご承知の通り補正予算は、国の補助金等の変動や緊急やむを得ない場合などに、予算の追加などを行うものです。ですから「事業内容」だけでなく、「なぜ補正で新規事業なのか。」、「次年度では間に合わない、前倒しの理由は何か。」、「急に出てきたものではないか、全体計画の中の位置づけはどうなっているか。」という観点で見ることが大事です。
減額対象の「幕末明治福井150年博」は、「希望ふくいの創造ビジョン」や、昨年3月策定の「観光新戦略」などを調べても、位置づけが見受けられません。
知事のマニフェスト「福井ふるさと元気宣言」の中には、「福井のアニバーサリー」として「戦後復興70年」「明治維新150年」を節目に展示会を行う旨の記載がありましたが、昨年の「戦後復興70年」は政策合意にも上らず、県庁ロビーなどで静かに展示を行っていただけでした。戦後復興の歩みは重要だと思うのですが、それと比べて、「明治維新150年」は博覧会開催と大きな事業である理由は何でしょうか。
県庁内の合意だけではなく、明確な博覧会開催理由についての県民理解が得られなければ、今のタイミングでの博覧会準備予算の計上は、「大河ドラマ誘致失敗」のすり替えに見えてしまいます。
仕切りなおすべきです。
「ふるさと納税1兆円」国民運動事業は、国民運動に県費を入れる是非だけではなく、1兆円というボリュームは、地方に財源を移譲する国の税制として制度化すべきものではないかと疑問です。
また、長期ビジョンにもマニフェストにも政策合意にも国民運動の記載が見当たらず、夏の知事会議で唐突に出てきたように感じます。
私は、県の存在意義を「県域でグランドデザインを描くこと」だと思っておりますので、「理事者の言動」ではなく「全体計画」で判断させていただきます。
二つ目は、やり方です。
先日の予算特別委員会で議員に対する「恫喝」という言葉が出ました。詳細は分かりませんが、何かしら議員がプレッシャーを感じたのは事実でしょう。こうしたやり方が度重なることに、反発を感じます。これからの議会には、特に、若い女性議員が出てきてほしいと思っているだけに、水面下で圧力を掛けられるようであっては困ります。
議会の結論の前に、新聞に事業内容などの情報が既成事実のように先出しされることもそうですが、県の一連の対応を遺憾に思います。
以上が、減額修正に賛成する理由です。
豊洲市場移転問題で地方議会の在り様も問われている今日です。予算を多くの議員でチェックするわけですから、部分修正があっても何ら不思議ではないと思うことを申し添え、賛成討論といたします。