教育研究所を旧春江高校に移転されるとのことです。
私も若かりし頃、教育研究所で新採用教員研修を受けて以来、何度も研修受講で利用させていただきました。日頃は自分の中にあるものをはき出して教える教員生活の中にあって、研究所での講座受講は逆に知識やエネルギーを吸収できる貴重な場でした。現研究所解体に名残惜しさもありますが、そこに勤務もしておりましたので、施設の老朽化も存じており、今回の改築移転を歓迎しております。ぜひこの機会に、研究所の機能強化をと期待し、提言いたします。
まず、カリキュラムセンター機能についてです。
研究所勤務当時の10年前、全国の教育研究センターについて調べたことがあります。中で、京都市の総合教育センターが素晴らしいと知り、9年前、市議会議員になってすぐに会派視察として調査に行きました。何が素晴らしいかというと、現場の教員にとって、日常的に実効性あるサポートが出来ているのです。
建物は地下1階、地上4階の建物で、面積はさほど広くありませんが、3階に平成15年設置された「カリキュラム開発支援センター」があります。教材開発室と情報資料室とで構成されており、設置3年目の平成18年当時で11,000点の指導案はじめ教育実践資料、44,000点の全国から収集した教育関係資料、16,000冊の厳選された教育関連図書が集められ、平日なら夜9時まで、自由に使えるようになっています。例えば、市内の先生方が開発した小中学校の英語教材や、研修用ビデオ・CDの閲覧ができます。教具一式がパッケージされ、借りて自分の授業ですぐ活用できるようになっていましたし、貸出も学校からメールで申込み、学校へ配達されます。いちいち教具を手作りしなくても借りればいいので、すごく助かるサポートです。コンピュータや大型プリンタを活用した教材作成も、センターでできます。羨ましい限りです。センターのホームページを開けば様子がわかります。「こんなの、福井にもあったら。」と、現場教員ならため息をつくことでしょう。きっと多忙な先生方の大きな助けとなります。
(http://www.edu.city.kyoto.jp/sogokyoiku/curri_c/news.html)
福井の教育研究所にも、教育関連図書が利用できる図書室がありますが、利用状況は寂しい限りです。
また、全国の研究施設や大学から寄せられる発刊物「研究紀要」など、教育関係資料が所蔵されている倉庫のような部屋もあります。こちらは、多分ほとんどの先生方は存在すら知らないのではないでしょうか。
こうしたものをせめて一堂に集め、活用できる機能が必要だと、私がいた当時にも模索しましたが場所がなく諦めました。それらに現場で使える実践資料をストックしていくことで、京都ほどでないにしろ、カリキュラムセンターは作れるはずですから、今回の移転は大きなチャンスです。
⑤教育研究所には、現場サポート機能の強化が必要です。他県のように、カリキュラムセンター機能を充実すべきではないかと考えますが、所見を伺います。