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2015年03月30日

一般質問H27.2⑨

さて、県外・海外の方々の心を捉えられる福井の美しさや魅力、また逆に阻害するものは何かということを、きちんとわきまえた上で、福井国体や観光開発を行わなくてはなりません。
 それは時代を経ても、きっとブルーノ・タウトと同じく、美しい自然、人の心遣い、その土地らしい文化や風習・・・そういったことなのではないかと思います。どれも、お金をかけて得られるものではありません。

「だんね、だんね、ざいごでだんね。かたいんなら、それ、まっちゃいね。
ひっで、ひっで、思い出なって、えっちぇんモンなら まっちゃいね。」
 これは福井の若者が創った「だんね~ざ」という歌の歌詞です。
訳すと
「いいんだよ、いいんだよ、田舎でいいんだよ。健康的ならそれで間違いない。
とっても、とっても、思い出になるようないいことは、福井のものなら 間違いない。」

私よりずっと若い方がそう歌っておられるのですから、間違いないでしょう。
福井国体は一つのきっかけですが、「福井の美しさ・魅力」とは何か、「私たちは人に対して優しいか、誠実か。」見つめ直し、磨きをかけていく必要があります。早急に。

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一般質問H27.2⑧

最後、もうひとつの怪訝は原子力行政に関してです。
原子力災害が、私たちの日常の平和や幸せを一瞬で奪ってしまうものであることを、4年前に私たちは目の当たりにしたところです。その危険性の拭えない原発が日本一集中立地しているのが我がふるさとです。

年末来、韓国では原発のコンピューターシステムに不正侵入が有り、サイバーセキュリティーの甘さが話題となりました。一年前にもんじゅの事務用端末にコンピューターウィルスが感染、攻撃者により内部情報が流出していたのを思い出します。

これまでテロ攻撃など武力攻撃原子力災害にも備えてきていますが、IS(アイシル)が欧米と連携する日本も、彼らの攻撃対象となる可能性を示唆しました。サイバー攻撃なら対象国が遠く離れていても可能です。世界の平和、日本の立ち位置、近隣国との緊張関係など、国際関係の悪化が不安を増大させます。

そんな中、高浜原発が再稼働を目指して手順を進めていますが、先日副知事は国に対し、
「規制委員会委員長の発言によると、規制委員会は新規制基準の水準を満たしたことを確認したもので、決して原発の安全性の全てを確認したものではない。住民の安全を考えると、最後の安全性は誰が確認して守ってくれるのか。規制委と国の認識にすき間がある」旨伝えてくださいました。
納得いかないことがらを、きちんと述べていただいたことに、まずは感謝いたします。
責任や安全にすき間があってはならず、福井で「想定外」とは絶対に言わせてはなりません。引き続き厳正に国を糺していただきたくことを望みます。

原子力行政について、疑問に思うことはまだまだたくさんあるのですが、今日は一つ、お伺いします。それは、何故再稼働の同意権限が立地自治体のみにあり、広く周辺自治体にはないのかということです。

例えば、自治会がお祭りや運動会を行う際には、それによって影響があるだろう範囲のご家庭に、丁寧にご説明とお願いにあがります。そういう我々が当たり前に行っている誠実な対応を、何故原子力行政では取られないのかが疑問なのです。

公衆被曝・国土被爆という取り返しのつかない危険性があり、非常に毒性の強いものを扱うプラントの運転を行おうというのですから、当然、周囲には丁寧に説明し、同意を求めるべきものです。我々は福島事故を経験してしまったのですから。
それなのに、川内原発の例を見ても、周囲自治体の再稼働へ同意の権限を求める声に応じない頑なな姿勢に、返って不信と疑念が深まります。

当たり前のことが何故なされないのか・・・。人々の不安に何故誠実に向き合わないのか・・・。


⑪ 知事は12月議会の代表質問において、再稼働に同意する権限を持つ「地元自治体」の範囲を立地県および立地市町と考えていると答弁しておりますが、改めてその理由を伺います。

一般質問H27.2⑦

さて、ブルーノ・タウトが「清浄な国土の汚点」として敦賀で怪訝と幻滅を感じたものがあります。それは「埠頭の洋風建築物」でした。私は敦賀港のエキゾチックな雰囲気が好きですので意外だったのですが、タウトの目には「これはおそらく今後何十年かニッポンが、そのために戦い続けねばならぬであろう大きな問題の最初の示唆」だと捉えられています。
それは、日本がヨーロッパの帝国主義を追いかけようとしていること、軍国主義に向かっていることを感じとり、善良な暮らしの平和を脅かすものの象徴として、洋風建築物に「怪訝と幻滅」を感じたのであろうと思うのですが、皆様はどうお感じになるでしょう。

さて、タウトが感じた「怪訝」を、この頃私も感じることがあります。
まずひとつはこの度の教育制度改革です。これは、「教育長と教育委員長を一本化し、責任者を明確にする」という趣旨で行われるものです。
その趣旨は理解するところなのですが、「教育長は首長が任命」「教育の根本的な方針を定めた『大綱』を首長が策定する」「重要事項は首長を交えた総合教育会議で決定する」という点で引っかかりを感じます。

この改正は、国の法改正を受けてのことですから如何ともしがたいのですが、これによって教育に関する首長権限が強化されるのは明らかです。
「教育は権力・政治から独立したものであるべき」と、かつて教育委員は公選制でした。それを思うと様変わりです。
学校現場の実情や教育の本質的課題などをどこまで勘案していただけるのか、あるいは、教育に関し偏った考えを持った首長が出てきたらどうなるのか、思想教育につながらないのか、心配は尽きません。

⑩ 先日の代表質問で知事は「これまでと変わりはない」とおっしゃいましたが、将来的に問題はないのか、制度としては今改正をどう評価されているのか、知事の御所見をお聞かせください。

一般質問H27.2⑥

さて、受動喫煙防止対策について伺います。今月2日、山形県では「受動喫煙防止宣言」を制定し、官公庁など公共性の高い施設の目標を「敷地内禁煙か建物内禁煙(完全分煙)の実施率100%」としました。他にも条例・ガイドライン・憲章などを定め、受動喫煙防止に積極的に取り組む自治体が増えています。
県内では、広域展開の喫茶店チェーンやレストランチェーンなどが当然のように分煙を行っていますが、県内で人の多く出入りする他の施設を見渡すと、ひとつしかない入口に喫煙所を持ってきていたりして、まだまだ配慮が不足しています。
対策を強化している地域からこられた方にすれば、「やるべきことをやっていない」のはルーズに感じるものですし、分煙は吸わない人への配慮です。

⑨ 少なくとも国体までには、「敷地内禁煙か建物内禁煙(完全分煙)の実施率100%」を目指すべきではないでしょうか?

一般質問H27.2⑤

さて、交流人口や観光消費の増大を図ることは地域振興の重要課題で、やはり相手のニーズを思いやることが大事です。それは、「うちはよいところだから来てくれ」ではなく、相手の都合と自分の都合をすりあわせながら、絶妙な提案を繰り出して交渉をリードしていく「営業力」が重要だからす。

県では「観光新戦略」を策定されようとしていますが、私は今、本県も参加し中部運輸局等において取り組んでいる「昇龍道プロジェクト」が気になっています。

「昇龍道」のネーミングは能登半島を龍の頭に、三重県を龍の尾に見立てて龍の体が中部9県をくまなくカバーしながら天に昇っていくイメージに重ね合わせたもので、中部北陸9県が官民一体となって外国人観光客誘致を推進する、特に中国人観光客をターゲットにしたプロジェクトですが、現状、福井の影が薄い気がしています。

「龍」といえば、まず福井には「九頭竜川」があります。まさにドラゴンリバー。その元をたどれば「黒龍川」=福井市には黒龍神社もあります。黒龍大明神信仰、白龍大明神、九頭竜湖、九頭竜伝説、夜叉ヶ池伝説、恩沢池龍神伝説と、まさに龍といえば福井です。恐竜博物館もある。

例えば恩沢池のある越前市神山地区は、龍神山など3つの龍を祀った山があり、それぞれに祠があります。霊験あらたかで、神山は龍に守られているところなのだそうです。近年地元の方々が御札を作るなど、龍神伝説を地域振興の目玉にしようと頑張っておられます。

こうしたことを勘案すれば、福井は龍のパワースポット満載で、まさに龍の手中の玉に当たるのではないでしょうか。

⑧ ぜひ、福井の龍にまつわる伝説などをまとめ、「昇龍道プロジェクト」で積極的に発信していくべきと考えますが、御所見を聞かせください。

一般質問H27.2④

同じく、外国人に対する支援について伺います。
県内在住の外国人だけをとっても国籍は想像以上に多いと聞いています。当然、外国人といえど違う言語を使う人とは意思疎通できませんし、文化・風習も違います。病気になったとき、困り事が発生したとき、災害時などなど、様々なシーンで通訳の必要が生じ、その対応も多様です。
私は今年度、福井市・鯖江市・越前市の国際交流協会の防災アドバイザーになりました。そこでも多言語通訳のニーズから、「災害時、通訳を集中的に行えるような二次避難所」とか「通訳同士のネットワーク」が必要だと話し合っています。

⑦ 災害時のみならず、これからの観光を考える上でも、あるいは外国人研修生を福祉分野にもと考える上でも、まずは通訳同士のネットワークが必要だと思いますが、県の取り組みを伺います。

一般質問H27.2③

さて、タウトの感動した「人の行いの美」「おもてなし」について伺います。
接遇研修などはあちらこちらで行われていますが、根本は県民の人に対するきめ細やかな心配りです。

私は、障害のあるアスリートの方から「福井のスポーツ施設の障害者対応の貧弱さ」や「駐車場の係りの人に障害者用のスペースを聞いても『知らない』といわれて驚く。他県ではきちんと案内してもらえるのに。」という声を聞いています。残念なことです。
福井しあわせ元気国体では観覧席に大勢のお客様をお迎えします。また国体に続き全国障害者スポーツ大会が控えています。

⑤ 県では、障害のある方々に対し、どのような配慮を持って国体・大会にお迎えするのか、ボランティアの確保も含め、御所見を伺います。


加えて、福井のインフラについて、ある若者の声をお伝えします。彼は障害を抱えながらも、病気の家族を支え、一人必死に働いています。
「何とかしてください。車はとても買えず、自転車で会社に通っていますが、途中、段差が多く、自転車が飛び跳ねます。毎日のことなので自転車がすぐに壊れて困っています。」
「風雨や雪の日はバスに乗るのですが、待ち時間が長く、冷たく寒いです。なんとかバスの待合所を作ってください。」
と、なんとも切実な声です。バリアフリー化は言われて久しいですが、県道の歩道の段差解消など、なお一層の取り組みを求めます。

⑥ ついては、県道の歩道の段差解消などのバリアフリー化の進捗状況と、今後の方針を伺います。

国体・障害者スポーツ大会の開催を機に、障害のある方々に対する理解と施策が進み、だれにでもやさしい地域づくりが進むことを望みます。

一般質問H27.2②

昨年、舞鶴若狭自動車動が全線開通し、敦賀から小浜にかけての景色を、自動車道という高いところから見渡せるようになりました。私にとって子供の頃から馴染んだ地域でしたが、あらためてその美しさに感動しました。

三方五湖など風光明媚な自然はもとより、夜景、手入れの行き届いた田んぼと落ち着いた集落、トンネルの合間に見える嶺南の街並みは、リゾート化されていない自然と調和した心落ち着く風情です。いつまでも残したい風景だと感じました。

片や、現在私の住んでいる地域では、中心市街地の空洞化や中山間地域の荒廃が叫ばれて久しいです。先日もまちなかの住民の方から「昔は風情のあるいい街並みだったのに、今は活気も風情もなく美しくない。なんとかならないか。」とご意見をいただいたところです。

経済成長時代は若者世代中心に、郊外に新たな住宅団地を作り、市街地を拡大させてきました。県外資本の大型チェーン店が郊外に立ち並び、車社会には便利になりましたが、街並みが拡散し、福井らしさがだんだんなくなってきている感じです。
しかしこれからは少子高齢化時代を迎えます。当然、これ以上市街地を広げたのでは後々維持管理ができなくなりますから、まず、「まちなか回帰」を図る必要があります。
中心市街地はもともとインフラが整っており、歩いて病院や公共機関、買い物に行けるところですから、魅力は十分です。

私は、将来的にもう一度風情のあるまちなかになってほしいと願うものですが、そのためには行政の踏み込んだ刺激策が必要だと思います。

② 県は今後、コンパクトな都市計画をすすめるとおっしゃっておられますが、それは、市町の意向、民間の意向に任せるのみなのか、そこに、福井らしさや風情・美しさを求めないのか、知事のお考えをお聞かせください。
そのうえで2点提案します。

③ まず空き家対策ですが、危険な空き家は速やかに撤去を促し、跡地を子供の遊び場やバスの待合所、福祉遊具のある憩いスペースなど、公共のための利活用を、県として積極的に推し進めてはいかがでしょうか。御所見を伺います。

④ さらに、自主的に空き家を撤去した場合、固定資産税が上昇しないような施策を実施すべきと考えますが、御所見を伺います。

一般質問H27.2①

20世紀を代表するドイツの建築家ブルーノ・タウトは、1933年、ナチスの迫害により故郷を追われました。亡命先を探していたところ、日本インターナショナル建築会から招聘を受けウラジオストクから海路で敦賀に上陸しました。その後桂離宮へ案内され、そのすばらしさを世界に広めました。日本美を再発見した建築家です。

そのタウトの極めて率直に書かれた印象記「ニッポン―ヨーロッパ人の眼で見た―」には、我々日本人が看過してきた我が国の姿が描かれており、その日本との初めての出会いの地「敦賀」のことを次のように描いています。

「深緑の山々が一つの湾を取り囲んでいる。船が陸地に近づくに従って、緑はいよいよ濃く、ますます鮮やかになる。湾の奥は明るい空の光に照らされている。松の生えた島が、船の進むにつれて湾の中に現れてきた。まるで「広重の木版画」から抜け出たかのようである。とある村の入江は緑色に輝き、屋根や家々はこんもりと茂った山の言いようのない濃い緑を背景に、鈍い白色をおびた青灰色であった。敦賀港の二基の閃光灯台は、一つは純白、一つはバラ色をしていた。」

「埠頭の人々、働く女たち、可愛らしい店や透明な油紙を張った傘をさした人々、女の人が多彩な色の着物を着て、絵にあるような姿で立っている、低い家並みの街を縫ってのドライブ、淡い電灯の灯った晩景、さらにはヨーロッパ人のうける東洋の印象とは全く違った清潔さ―これら一切が懐かしい思い出である。」

「友人は私たち夫婦をある日本式の旅館へと案内してくれたが、まず玄関で、女中や番頭が驚くばかり丁寧にお辞儀をして迎えてくれた。部屋は驚くばかり明快簡素である。食事は刺身・貝・海藻等、酒や日本茶、その上給仕となると、ヨーロッパの女給のようにただ食事の上げ下げをするだけではなくて、いわば社交の一部をなすものであった。これらすべて、新しく、またこのうえもなく美かった。」

鋭敏にして教養高いタウトの目に映った敦賀の美しさは、「自然の美」「簡素で清潔な美」「人の行いの美」だったわけですが、もし今彼が福井を見たら、どのように感じるでしょう。
新たな発展に感動するのか、失ったものの大きさに失望するのか・・・。

さて、タウトではなく、知事にお尋ねします。
高速交通体系が整ってきて、外部との交流が活発化しています。福井国体も目の前で、観光行政にも力の入るところです。

① それだけに県外・海外の方が福井にこられた時に、何に「福井の美」を感じていただけるか、魅力として感動していただけるか、知事のお考えをお聞かせください。

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2015年03月22日

H26 12月一般質問⑧

最後に、道徳についてです。
先ごろ中教審は「道徳の教科化」を答申しました。「道徳の時間が形骸化しているのは教科でないからだ」とし、「特別教科」という新たな枠組みにするとのこと、さらに教科書や評価についても改善方針が出されました。
 道徳観・倫理観の低下、社会性の不足、自立の遅延など、子どもや若者の問題は先に述べた通りで、私も強く感じているところです。
 しかし、これらの解決は学校の中だけでは限界があると、学校を飛び出してきたのが   今の私ですので、一言、申し上げます。

    子どもは、大人社会を映す鏡です。交通事情の悪化と不審者の出没で、外遊びが困難になり、社会のIT化の影響で、ゲーム遊びに興じるようになった。学力社会で知識偏重となり、食生活の変化で「子供の体がおかしい」という事態になる。
    子ども達のモラルの低下はすなわち周りの大人や社会が見せる社会自体の姿が悪いのであって、仮に道徳の授業だけで子ども達のモラル向上を図ろうとするならば、敏感な子供たちは矛盾を見抜き、その受け止めを益々悪いものとするでしょう。
子どもに道徳を説くならば、それ以上に大人が襟を正す必要があります。道徳教育の強化を子どもにだけ押し受けるのは無責任だと強く思います。

⑩ 最後に、道徳の教科化に当たり、大人社会の責務をどう考えておられるのかを教育長に伺い、国にもその旨投げかけていただくことを求めまして、質問を終わります。

H26 12月一般質問⑦

さらにその外遊びですが、大事なのは幼児期だけではありません。学童期も「遊び」は非常に重要です。「体力も日本一です」と言われる方もおられるかもしれませんが、スポーツだけでは、運動が苦手な子は肩身の狭い思いをするものです。どの子も夢中になったりワクワク・はらはらしたりできる、好奇心を惹起できる遊びが大事です。

我々の学童期と今の子ども達の遊び方を比較してみてください。その違いは驚く程、恐ろしい程、様変わりをしています。同僚議員の皆様は、野山を駆け回ったり、鬼ごっこや水遊び、ドロ遊びに興じたり、多くの友達と喧嘩をしたり仲直りをしたり・・・そういう遊びを経て、成長されたのではないでしょうか?今の子供たちはスポーツ少年団や習い事に通うかゲームをするか・・・私の教員最後の時期に、子供たちに聞くと平日でも数時間ゲームをしていると答える児童が多数おりました。休日ともなれば1日中です。
これを良しと思う人は、おそらくおられないでしょう。変えていかねばなりません。
また、「粘り強さ」「コミュニケーション能力」といった若者の課題を考えたとき、やはり行き着くところは「遊び」であり、特に学童期の「遊びの質」です。

先日、越前市の富士見ヶ丘という新興住宅地で、子どもたちが草野球をして遊んでいるところに出会いました。またその翌日には、鬼ごっこをしています。いずれも今となってはとても珍しい光景です。私は、「条件さえ整えば、今の子どもたちでもそのように外で集団遊びができるのだ」と、その姿に教えられました。
そしてその条件とは、「家のすぐ近くに広場がある」「ある程度子どもの数がいる」「交通事故や不審者の危険性が小さく、安心して遊べる」「大人が集団遊びを尊重している」ということだと分析しました。
この点で行政にできることは、ゾーン30の設定や、歩道整備、防犯カメラの設置、遊び場の見守り活動の促進といったキッズデザインのまちづくりをもっともっと広げることです。

また私は、市街地にある空き家対策にも期待を寄せています。空き家の撤去をすすめて、声の届く家の近所に遊べる場が増えてくれたら、マイナスがプラスに転化できます。
    解散前の国会で、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が駆け込みで通過しました。残念ながら固定資産税軽減策は盛り込まれていませんが、固定資産税の情報を内部利用できることとなりました。

⑧ これを機会に空き家撤去が進むことを期待しますが、この法案成立を受けて、県としてどのような姿勢で臨むのか、跡地利用をどう考えているのか。所見を伺います。

⑨ また、子供の遊び場の確保・誘導を、健全育成の明確な意図をもって着実に進めることを求めますが、県がこれまでに取り組んできたキッズデザインのまちづくりの今後の具体策をお聞かせください。

H26 12月一般質問⑥

さて、子供にとっての「遊び」の重要性は、これまでにも述べてまいりました。
県では幼児教育支援プログラムにおいて、外遊びや他の世代との交流を子供の健やかな成長のための施策として位置づけ、さらに、地域の高齢者などと行う伝承遊びや読み聞かせ、親子で野山に出かけ自然に触れ合う機会など、地域全体で日常的に外遊びや世代間交流の機会をふやす活動を支援していきたいと24年12月議会での私の一般質問に対して答弁されています。また、里山里海湖の豊かな自然をフィールドに展開する独自の環境学習教育を進めなければならないとも述べておられます。

⑦ 非常に大事なことですのでその姿勢を高く評価するとともに、実際、具体的にどのような働きかけがなされ、これまでどういった成果があったか、お伺いします。

H26 12月一般質問⑤

「青少年の健全育成」について伺います。これは、未来の健全な社会を構築する上で、最重要課題です。

まず、幼児期に関してです。
本県は共稼ぎ率が高く、その子育て支援策は充実していると認識しています。入所待機者はゼロで、働く親にとってたいへんありがたいことです。
一方で、主婦としてご家庭で子育てをしておられる方や、お子さんを預かって面倒を見ておられるおじいちゃん、おばあちゃんに対する支援も同様に織り込むべきだと思います。最近の少子化で、昔のように近所のお子さんと遊んだりそれによって我が子・我が孫の長所・短所に気づいたりする機会が激減しています。「成長」に関しては3歳児検診などで確認されますが、日常生活の学習で得られる知能・感情なども含めた「発達」が順調かというもう少しきめ細やかなチェックや、親が周囲の子供達と比較して我が子を見つめられる場を設定する仕組みがあってもいいのではないでしょうか。
「自分のことを知らない若者」が増えている背景に、「我が子、我が孫の特性を理解していない」大人が増えているという懸念あっての提言です。相対的に我が子を見ることで、わが子への働きかけも変わってきます。相対評価は、軽度発達障害の早期発見や、その弱点をカバーして社会生活が行われるような環境の整備にもつながり、私は重要なことだと考えています。

⑥ 例えば、いつでも一定時間保育所などの集団生活の場に加わり、親御さんが我が子の様子をチェックできる無料チケットを発行するなど、家庭での子育てに対しても支援策が必要ではないか、御所見を伺います。

H26 12月一般質問④

「就きたい職業への認識不足」「職業観の未熟」という課題は、「キャリア教育」を充実させることである程度改善が期待でき、県内でも取り組みを進めておられます。
しかし、「人間形成力」「コミュニケーション能力」「粘り強さ・忍耐力」「自己理解」といった人間力の問題は、キャリア教育だけでは解決できません。

そもそも教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質」を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければなないものです。現在の子育てや教育が、「平和的で民主的な国家及び社会の形成者」をしっかり育てているのかという観点で、教育現場の検証が必要です。
本県は、学力体力日本一と素晴らしい成果があります。しかしながら県内産業の求人に応じられる若者がなかなかいなかったり、逆に就業困難という本人や家族にとって辛いであろう状況が生じたりしているわけですから、ここは、「社会の形成者たる資質」を育むという観点が大事です。
教育は何のためにあるのか、学校は何のためにあるのかを素直に問い直す必要があります。

これまで、教育の現状と課題について、臨時教育審議会、中央教育審議会といった場で話し合われてきました。
昭和62年には「しつけや徳育がおろそかにされ、権利と責任の均衡が喪失。」と指摘され、
平成8年には「生活体験や社会体験の乏しさ、人間関係を作る力など社会性の不足。子どもの自立の遅延化。日常生活での体を動かす機会の減少等による体力の低下。」が言われました。
平成11年~12年の中教審では、「子供はひ弱で欲望を抑えられない」という指摘がなされています。
さらに先月、中教審・中央教育審議会は、大学入試改革を進めることで日本の教育全体の改革を促進しようという答申案をまとめました。
背景には学力低下の不安とグローバル化への対応があります。18歳人口の減少で、大学を選ばなければどこかに入学できる時代になりました。AO入試や推薦入試などの広がりで、事実上、学力を問われずに大学に入る高校生が増え、大学生の基礎学力や高校生の学習意欲の低下につながっていると指摘されています。一方で難関と言われる大学でも、知識ばかりを詰め込んだひ弱な学生ばかりでは、世界との競争に太刀打ちできないという理由からです。

私の友人で、実際にアメリカで文具の流通会社を立ち上げた「イトーヤ オブ ジャパン」のCEOは、「海外での事業展開は本当に厳しい。何度も挫折しかかった。そこでやっていくには、何より『忍耐力』『意志の強さ』『コミュニケーション能力』『創意工夫』といった人としての力が必要だ。英語はあくまでツールであり、実際交渉を進められるほどの語学力を養おうとしたら、海外留学も含め、学生時代の相当な時間をそれに費やさなくてはならないだろう。言葉は、通訳がいれば足りることだ。そこに手間ひまかけるより、教育現場でもっと根性やコミュニケーション能力を養う方に力を入れるべきだ。」とご自身の体験からの意見を教えてくださいました。

さて、福井の雇用現場の問題や、一連の審議会での指摘、海外での現実などから、「ねばり強さ」「たくましさ」「自己理解」「コミュニケーション能力」といった社会を生き抜くための資質をどう養うかということが大事なのだと読み取れます。私の拙い経験でも、子どもたち、あるいはその子達のその後の成長を見るに付け、同じことを感じます。学校や子育ての現場、あるいは子ども生活環境は甘くなったり不健康になったりする傾向にあるのに、社会は厳しさを増す・・・このままでは社会に出てからのギャップが大きくなるばかりということです。少子高齢化社会の負担、財政赤字の負担、TPPの規制緩和などで激しさを増すグローバル社会への対応などなど、既に見通されている社会的将来負担や荒波の中で、逞しくやっていける力こそつけてやらねばならないことだと私は考えます。

⑤ 教育委員会では、次の福井県教育振興基本計画を策定するとのことですが、その背景と方向性をお聞かせください。

H26 12月一般質問③

さて、厚労省がまとめた全国の「新規学卒者の離職状況」によりますと、卒業後3年以内の離職率が増加しているとのことです。大卒者の3割超、高卒者の4割近く、中卒者に至っては6.5割です。学力・体力日本一を誇る本県の状況は、平成20年の数値では「大卒28.4%、高卒33.4%、中卒71.4%」です。
離職の原因としては、「就きたい職業への認識不足」「職業観の未熟や人間形成力、コミュニケーション力の不足」「就活時に『自分のことを知らないまま』会社選びをしている」などからミスマッチな就職やトラブルが生じると考えられています。
一方、県内のある土木・建築の事業所の方は、「若者が来てくれない。正規雇用で福利厚生もつけて求人しているが、来ない。給料をアップしてもだめ。現場労務は人気がなく、何より若者に『粘り』がなく続かない。」と嘆かれます。
 またある工場では「若者がすぐに辞める。仕事は多少きついかもしれないが、以前は勤まった。」と言われます。

ここに、『雇用のミスマッチ』という、非常に困難な問題が存在しています。

求人数は増えたが働き手がいないから、外国人労働者をやとおうとか、県外から集団就職を斡旋してこようという意見が出る前に、まず県内での『雇用のミスマッチ』『離職』『失業』『ニート』という課題に向き合っていただきたい。

④ 新規学卒者の離職に関し、あらためて、県内学卒者の3年以内離職率の最新の数値を伺うとともに、その原因を、県はどのように分析されているのか、お聞かせください。

H26 12月一般質問②

少子高齢化、若者の県外流出等の課題を考えていくには、「雇用の質」と現状認識が重要なポイントになります。

先ほど佐藤議員から「パワハラ」や「ブラック企業」の質問がありました。ブラック企業は共通の定義がないため、その実態をつかむことが困難ではありますが、「パワハラ」で精神を追い詰め「自主退職」へ追い込もうとする企業の実態が現実に県内にあったわけです。
昨年、当時の田村厚生労働大臣は、「若者が使い捨てにされている問題を野放しにしておけば、日本再興戦略どころか、国の将来はない」と述べ、全国一斉調査に取り掛かりました。

県は相談窓口を設けていますが、私は、状況把握のために相談窓口だけでは不十分だと感じています。県内で社会人となった若者たちから、「ブラック企業じゃないか」と感じる理不尽な話をしばしば耳にするからです。また、だからといって彼らが県の相談窓口に行くとは思えないからです。窓口を知らなかったり、自分の状況を相談していいのか判断がつかなかったり、時間がなかったり、何より、相談したあと自分が職場で追い詰められるのではないかと不安に思ったりするからです。

「激務薄給・残業代不払い・ワンマン経営・パワハラ・セクハラなどの横行、過酷な環境下での労働を強いる」といったブラック企業対策は、福井の将来のためにも必要であり、理不尽な労務環境があるならばその実態をしっかりつかむことが重要です。また、そうした労働実態があり、是正されないならば、企業名公表などの対策をとるべきです。仮に実態がなくても、抑止のために、そういった仕組みを作るべきです。

③ 現在、県では、労働相談窓口を設けていますが、ブラック企業の情報をどのように把握し、どのような対応をとっているのか実情を伺います。

H26 12月一般質問①

雇用と教育について伺います。
   
私は雇用に関し、「今年度は企業誘致や工場増設による新規雇用の数がすでに800人を超えた」と県政の成果をご報告しています。県のご努力の賜物だと、話をする私も、聞いてくださっている参加者の方々も、喜んでいる話題ではありますが、先日「細川さん、その雇用の中身は『正規雇用』ですか?離職率の高い『非正規雇用』が増えただけということはありませんか?」と問われました。確かに、中身が肝心です。早速担当課に問い合せましたが、その実態は掴んでいないとのことです。

福井労働局の雇用情勢によると、福井県は10月の有効求人倍率が1.45倍と、全国トップクラス。しかしながら、県発表の就業実態調査による県内完全失業率は2.7%で前の月より悪化、完全失業者数は1万1700人で前の月より100人増加しています。全国比較では低い数字ではありますが、そもそも完全失業者の定義は「調査期間中過去1週間以内に求職活動をした者」ですから、その条件から外れる就業の意思を持たない若者いわゆるニートと言われる人たちも相当数います。
「求人はあっても、望む条件のものがない。」といった声はよく聞きますが、実際、有効求人のうち正規雇用の求人は約4割であるのに対し、有効求職者はその約6割が正規雇用を望んでいます。

① まずは、企業誘致を考えるに当たり、求職者側が求める「正規雇用」の求人がどれだけ増えるのかということを把握すべきではないでしょうか。所見を伺います。

② 加えて、完全失業率には現れてこない就業の意思を持たない若者いわゆるニートの人数を教えください。