最後、もうひとつの怪訝は原子力行政に関してです。
原子力災害が、私たちの日常の平和や幸せを一瞬で奪ってしまうものであることを、4年前に私たちは目の当たりにしたところです。その危険性の拭えない原発が日本一集中立地しているのが我がふるさとです。
年末来、韓国では原発のコンピューターシステムに不正侵入が有り、サイバーセキュリティーの甘さが話題となりました。一年前にもんじゅの事務用端末にコンピューターウィルスが感染、攻撃者により内部情報が流出していたのを思い出します。
これまでテロ攻撃など武力攻撃原子力災害にも備えてきていますが、IS(アイシル)が欧米と連携する日本も、彼らの攻撃対象となる可能性を示唆しました。サイバー攻撃なら対象国が遠く離れていても可能です。世界の平和、日本の立ち位置、近隣国との緊張関係など、国際関係の悪化が不安を増大させます。
そんな中、高浜原発が再稼働を目指して手順を進めていますが、先日副知事は国に対し、
「規制委員会委員長の発言によると、規制委員会は新規制基準の水準を満たしたことを確認したもので、決して原発の安全性の全てを確認したものではない。住民の安全を考えると、最後の安全性は誰が確認して守ってくれるのか。規制委と国の認識にすき間がある」旨伝えてくださいました。
納得いかないことがらを、きちんと述べていただいたことに、まずは感謝いたします。
責任や安全にすき間があってはならず、福井で「想定外」とは絶対に言わせてはなりません。引き続き厳正に国を糺していただきたくことを望みます。
原子力行政について、疑問に思うことはまだまだたくさんあるのですが、今日は一つ、お伺いします。それは、何故再稼働の同意権限が立地自治体のみにあり、広く周辺自治体にはないのかということです。
例えば、自治会がお祭りや運動会を行う際には、それによって影響があるだろう範囲のご家庭に、丁寧にご説明とお願いにあがります。そういう我々が当たり前に行っている誠実な対応を、何故原子力行政では取られないのかが疑問なのです。
公衆被曝・国土被爆という取り返しのつかない危険性があり、非常に毒性の強いものを扱うプラントの運転を行おうというのですから、当然、周囲には丁寧に説明し、同意を求めるべきものです。我々は福島事故を経験してしまったのですから。
それなのに、川内原発の例を見ても、周囲自治体の再稼働へ同意の権限を求める声に応じない頑なな姿勢に、返って不信と疑念が深まります。
当たり前のことが何故なされないのか・・・。人々の不安に何故誠実に向き合わないのか・・・。
⑪ 知事は12月議会の代表質問において、再稼働に同意する権限を持つ「地元自治体」の範囲を立地県および立地市町と考えていると答弁しておりますが、改めてその理由を伺います。