« 2月議会6 | メイン | 予算特別委員会4「段階的避難の実効性」 »

予算特別委員会5「賠償問題」

細川
避難に伴う補償について伺う。福島事故の被災者の方々に、事故前の収入から、事故後得た収入を差し引いた就労不能損害補償、避難生活による精神的損害に対する精神的損害賠償金などの補償金が支払われていると聞くが、避難の実態は、帰宅困難地域から指定場所に避難されたケースのほかにも、指定避難場所以外へ避難する方や、自主避難者あるいは個人事業主や法人など様々なケースが考えられる。この福島のケースは、いざという時福井県民はどうなるのかと見ているが。
現状の福島第一原発事故で避難されている方々の補償実態を伺うとともに、万が一福井県で同様に避難が必要になった場合、どこがどう補償するのか、福島の実態と同じような補償と考えていいのか、伺う。
安全環境部長
福島の補償実態は、原子力事故における損害賠償については、原子力損害の賠償に関する法律などにより、電力事業者と国が行うことになっている。福島事故においては被災者等への補償が、これまでにない多額の損害賠償額になっているということで、国が原子力損害賠償支援機構を新たに設置し支援を行っている。その実際の運用は、例えば年間50ミリシーベルト超の帰還困難区域の被災者の方々、約2万5千人に対しては一人1,450万円。例えば4人家族なら5,800万円の損害賠償である。一方、場所が違うが年間20~50ミリシーベルトまでの、いわゆる居住制限区域の被災者の方々約2万3千人は、その区域が解除された後の1年後まで一人月10万円、例えば4人家族なら月40万円の支給となっている。福井県で同様の場合は、原子力災害時の被災者の補償は、災害の規模とかあるいは程度、その都度様々に異なるので、一律にこの問題を論じることは難しいと考えている。
細川
たくさん補償されているところと、子供がいるから帰りたくないということで自主避難している方には補償がないとか、子供を抱えて避難している方々、特に母子が多いが、非常に生活に困窮していると報道があった。また、避難指定が解除されて戻ったら精神的に補償はあるが、1年間で打ち切り。例えば、一番先に帰った川内村の帰宅された方、或いは帰れなくて避難所にいる方々はもう補償が打ち切られている。私の仲間が福島で炊き出し等支援しているが、「米がない」と言われている。「米が無い」なんて他では聞いたことがない。「おかずがない」とか、「温かいものを食べたい」とかは聞いたことがあるが、『米が無い。』そこまでひどい状況に入っている。避難所にお米を持って行ったら、「川内村に残った人たちにもお米をあげたいけど、貰えないか」と言われたそうだ。この年末年始、賠償が無くて米が無い状態にまで陥っている方がいる。広野町であるとか川内村の村長は、何とか賠償を続けてもらえないかと言っている。あるいは、それまでの収入は保障されるとはいえ、例えば農家の方は、農家所得というのは50万から100万の所得になる。そういったところの保障は元々薄いし、地元に帰っても田畑も出来ないということで、今、本当に厳しい生活困窮者が実際に出ている。これから多分、帰宅を許される地域が出てくればくるほど、そういう問題が出てくると思う。多分、机上ではちゃんとやっているというプランなのかもしれないが、現場では様々な問題があって、今現実に福島の方々が苦しんでいる。十分補償されたと思っているようなところも、つい先月末に商工会の人たちが、打ち切りの周期を示されたそうだ。まだ何も立ち直ってないのに、補償が打ち切られるのかと、商工会として記者会見していたニュースもあった。福島の方々が、そういった問題で新たに生活に苦労されているのを目の当たりにして、万が一、もしかしたら福井県で事故が起こるかもしれない危険性がある時に、そうなるのかもしれない不安はますます広がる。福島のことは他人事とは思わず、そのあたりもしっかり見ていって、今福島の方々が困っていることに手を貸していくべきだと思う。
安全環境部長
福島の実態は、十分把握したいと思っている。現行の行われている損害の状況についても、地元からは国に対して様々な緊急要望を出されているようだし、今回のエネルギー基本計画政府案でも、福島の損害賠償の実態等を踏まえたうえで原子力損害賠償制度の見直しなどにも政府は検討すると言っているので、そういった状況を十分見極めていきたいと考えている。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.hosokawakawori.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/457