2月議会6
さて、憲法には4回も「公共の福祉」という言葉が出てきますが、これは「人権相互の矛盾・衝突を調整するための実質的公平の原理」という意味です。私は、「子供につけを回す」というのは、世代をまたいだ「公共の福祉」にも反すると考えていますし、「『原発のゴミはどう処理するのか』といった未解決の課題を先送りしてしまうこと」と、「大きな財政負担を残してしまうこと」、この二つが特に大きな「子供たちへの『つけ』」だと思っています。
こちらをご覧ください。今年1月NHK時論公論「政治とどう向き合う~若い世代は」という番組で紹介された、世代ごとに生涯を通じた受益と負担の差額のグラフです。
道路などの社会資本や、医療や介護といった公共サービスから受ける「受益」と、それを受けるために必要な税金や保険料などの負担を差し引くと、60歳以上は5,000万円近く受益が上回る一方、20歳代では負担が1,600万円以上多くなるという計算です。実にその差は6,500万円を超えます。さらに、20歳代未満の将来世代と比べれば、その差は9500万円に迫ります。これでは、次の世代に申し訳ありません。
しかしながら、現行制度で利益を得ている側が自ら率先してそれを手放すのはで簡単ではありませんから、格差是正のためには、若者がもっと政治に参画して声を上げることが大事です。また同時に、我々がもっと声の弱い子供や若い世代に配慮する必要があります。福井では、若者や子供を大事にしているでしょうか。
例えば、ずいぶん前から若者たちがBMXやスーケーボードなどストリートスポーツの雨天練習場を求めており、議会でも私だけでなく石橋議員、鈴木こうじ前議員なども取り上げています。これらは学校に導入されるダンスも含め「エクストリーム」と呼ばれるこれからのスポーツで、ソチオリンピックスノーボード男子ハーフパイプ競技で若い日本人選手がメダルを獲得したのが記憶に新しいところです。
福井で練習している若者たちは、高架橋下や県営球場の内野スタンドの下、河原など、苦労して場所を見つけて練習しています。石川県小松市まででかけていって練習しているとも聞きます。ちゃんとしたパークのないのは全国でもあと2~3の県だけで、福井からプロも出ましたが、福井は練習環境にないと岡山に行ってしまいました。県外でなければ成長できないのです。
こういった若者の要望は、結局後回しにされてしまう。
また私は、今議会の議案に児童相談所関係の議案がありましたので、先週福井と敦賀の児童相談所を視察しましたが、まず驚いたのは、施設の古さと暗さです。天井の低さや内装の色からそう感じたのかもしれません。児童相談所は、児童福祉の中核をなす相談施設であると思いますが、悩みがあって利用される方の心情を、さらに重くしてしまうのではないかと心配するほどです。また、職員が、特に電話対応をされていた方々がたいへん忙しそうに見受けられました。児童虐待に対する対応などは、他機関との連携や家庭訪問など、解決に時間がかかり、相談者の方への対応に、十分時間が取れる環境が必要です。
① そこでまず、児童相談所の近年の相談内容の傾向、相談解決の状況を伺います。
② また、こども療育センターを利用される方も多くおられますが、そことの役割分担や児童相談所の位置づけをお聞かせください。
③ 加えて、児童相談所について少しでも早く改築すべきと思いますが、今後の予定を伺います。
④ あわせて、雨天でも練習のできるパーク設置について、今後の予定を伺い質問を終わります。