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2月議会1

昨年ドイツに行きました。
ドイツはナチの大量虐殺など困難な歴史を抱えています。そして、世界で最も民主的だと言われたワイマール憲法下でありながら、ナチの台頭を容認してしまった反省から、市民が自分の意見を形成し、事実に即した判断をくだし、責任ある行動を起こせるようにと、連邦や州がセンターを設け「政治教育」を行っていました。
政治教育では、具体的にドイツの歴史を見せ、「選挙に行かなかったのでこうなった」と教えます。負の歴史と向き合い、安定した民主主義の必要性を説き、「市民が民主主義の責任を担う力を身に付けること」を教えます。
さらに、「民主主義の原則は意見の多様性で、ひとつの問題でもいろいろな立場や考えがあること」を伝え、「一人ひとりが自分の意見を形成できるようにすること」が目的だとセンターのヨアヒム先生は語りました。だから、ひとつの政党の考えを教えるのではなく、政治を取り巻くありとあらゆる広がりを教えます。たとえば、「原子力エネルギーの問題」では反原発と推進のそれぞれの立場の資料をもとにディスカッションを行います。センターはあくまで中立の立場です。
さらに「ひとつの情報源しか持たない若者は洗脳されやすく危険だ」と、情報基礎教育にも力を注いでいました。
民主主義とは、根本に「市民の責任」があってのことだと、あらためて突きつけられましたし、これこそ、「ドイツは民主主義の優等生」と言われる所以だと感服しました。

また、ヨアヒム先生は「日本の低い投票率は民主主義の危機だ」と指摘しまいた。私は「どきっ」としました。NHKの大河ドラマ「龍馬伝」の中で、松平春嶽の隣にいた横井小楠が、坂本龍馬に「デモクラシー」を説くシーンが脳裏に浮かびました。
これは日本でも、教育の根幹です。教育基本法第1条に「教育の目的は、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた国民の育成である」と謳われていますし、第2条の中には「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。」と目標が謳われています。それなのに、「政治離れ」が起こり、投票率は危機的に低いのが現実です。

① 民主主義の重要性を考えると、教員はもっと意識して教育にあたる必要があると思います。「民主主義社会の形成者としての資質を養う」具体的手立てについて研修に取り入れるなど、あらためて教育の場で問うべきと考えますが、教育長のご意見を伺います。

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