予算特別委員会1「使用済み燃料など立地県の負担」
細川委員
資源エネルギー庁での総合エネルギー調査会の議事録を見て、基本政策分科会での知事の発言を拝読した。オールジャパンの視点で経済的な視点とかエネルギー安全保障についての発言が主だったと印象にある。先日の一般質問で、「道徳的・倫理的課題の側面から原子力行政に関して検討すべきだ」との質問に、「放射性廃棄物に対する消費地の分担と責任等幅広い観点から検討が行われた」と答えられたので、この週末、再度議事録を確認した。特に基本政策分科会の前身の総合文科会の方で、知事は、エネルギーの生産と消費について、
「何が課題であるのか、国民がもっと理解することが重要であるし、そのうえで分担と協力が必要である。発電の恩恵のみを享受し、負担を立地地域に押し付けるのでは、安倍総理がおっしゃっている、『苦楽を共にする、強い日本』にはならないのではないか。」
とその課題を述べていた。使用済み核燃料を消費地で貯蔵するように提言していた。立地地域の立場で、こう述べたことは本当に高く評価している。
しかし、その後も何度か会の中で、使用済み核燃料の消費地貯蔵は述べているが、残念ながら、委員会での議論は知事の課題的以上には反応がないと見受けた。一回だけ、他の委員から、
「福井県の皆さんの気持ちはよく分かります。消費地に作るべきだ、と思います。べきなんですが、そんなことをやっていたら間に合わない。発電所の安全のためにもオンサイドの暫定保管を。」
という意見が一回返ってきたと、私が見る限りそうでした。知事、立地自治体の知事としては、この使用済み核燃料の貯蔵の問題など、県民の負担に係る事柄の議論こそ大事だと考えるが、ご所見を伺う。
知事
原子力での基本問題の委員会での問題であるが、県民の負担になる事柄の議論が大事である。知事であるが、あくまで立地知事という基本的な立場でいろんな意見を述べた。中間貯蔵の問題であるが、県外消費地での中間貯蔵施設を立地すべきという意見については、誰が賛成とか反対とかを別にして、はっきりそう言うことだろうと言う委員が複数いることは事実である。本県は発電は引き受けてきたが、使用済み燃料まで引き受ける義務はないと、総合エネルギー調査会、及び放射線ワーキンググループ、これは今日夕方あり、石塚副知事が出席をする。国が前面に立って消費地に分担と協力を求めることを主張してきした。この結果、エネルギー基本計画の政府案では、発電所の敷地内外を問わず、新たな地点の可能性を幅広く検討しながら、中間貯蔵施設やかんしき貯蔵施設等の建設拡張促進するとともに、このための政府の取り組みを強化するということで、政府の基本的姿勢をここに出来たということになる。今後、この計画が閣議決定された際には、国がまだ設けてない使用済み燃料探索協議会を早急に設置して、消費立地の実現に向けて国に事業者消費自治体との議論を具体的に進めることが大事かと思う。
細川委員
長い間、高レベル放射性廃棄物の管理について安全にしなければならないというのは、後世にとって重い負担です。こういったことは地政学的問題と委員会の中では出ていたが、田舎にばかり負担を押し付けるというような、廃棄物だけではない、運転に関しても言えるが、この地政学的問題に関して、やはり立地の知事として廃棄物以外、事故が起こる可能性があるとなったわけだから、運転に関してもそうだが、この問題に対して本県の知事として、しっかり議論してほしいし、答えも持ち帰ってほしい。実際に地政学的問題に関して、答えというのは今のところないのでは。
安全環境部長
地政学的な議論という意味が良く分からないが、商業用原子炉13基を抱えている立地地域としては、やはり運転・発電のリスクに日々局面しているという実態を、消費地にも理解してもらうことが大事で、まして、消費地が消費した使用済み核燃料の貯蔵は、消費地そのものが負担するべきである。
細川
それはしっかり主張してほしい。委員会の議事録を見ていて、知事がせっかく廃棄物の問題を投げかけても、次の会議の時にはその話は繋がらない。無理もないと思う。この会議はそもそも経産省がやっているから、何か課題が委員の中から出て、その次の会議の時には経産省の事務方が投げかけられた課題に対して答えを用意して、次の会議が始まる。経産省の範疇の中では、こうした地政学的な問題であるとか、あるいは一般質問で言ったような倫理的な課題に対する資料というか答えを用意できないから、結局この会議というのはエネルギー政策の安定供給とか、コストの削減の観点は何回も繰り返されているが、そういう観点での、それが主たる議論での会議だったと感じる。一般質問で言ったが、逆に原発の問題は、安定供給とかコストの低減とか経済的な観点だけではないものが含まれるから、福井県の問題等を国にはしっかり話し合ってほしい。だから、一般質問で倫理委員会を設けたらどうかと質問をした。
経産省でやっているコスト中心、経済的な話し合いだけでは不十分だと思うが、どうか。
知事
コストや経済性だけを論じてはない。あらゆる方向から論じている。多少は傾聴があると感じるかもしれないが、そうではない。廃棄物については、今日もあるが、廃棄物をどう処理するかという委員会でさらにこうしたワーキンググループで論じあっている。
細川
県民の立ち位置で頑張っていただきたい。