先月東京で開催された都道府県議会議員研究交流大会で、野村総研顧問の増田寛也氏が人口減少問題に関し、
「出生率だけ話題にしているのでは全く問題にならない。仮に出生率が2.1まで上がったとしても人口が安定するのが60年後である。20代~30代の女性の数に着目しなければいけない。若い人、女性の数がかなり減り始めている地方が出てきており、2040年を過ぎて深刻な事態になる。」
と述べました。
そこで、福井県の20代30代女性の人口動態を調べ、グラフ化しました。(図1)減っているとは思っていましたが、なんと、2008年から今年までの5年間だけで、91,198人から79,771人と、実に11,427人、率にして12%以上も激減しています。深刻な状態です。
① このまま減少の底打ちを待つのか、合計特殊出生率をもっと向上させるのか、若い人を県外から呼び寄せるのか、若い女性、出産世代の減少という現実に対する、県のご認識と対応方針をお聞かせください。
男性人口も同様の傾向にあると思われますが、女性政策に絞ってお伺いします。
先日、福井県は子育てしながら働く母親の割合が全国第3位と、総務省より発表されました。就学前の乳幼児を育てている25歳~44歳の本県女性のうち、約72%が正社員やパートなどで働いているとのこと、これは福井県がこれまで取り組んできた「子育てしながら仕事を続けられる環境整備」の賜物であろうし、三世代同居によって祖父母に子供を見てもらえるケースが多いことも、母親の労働比率を押し上げていると思われます。知事もよく「福井の女性は働き者日本一」とおっしゃっておられるところです。
しかしながら、県民の「職場における男女平等感」となりますと、こうです。(図2)
男性が優遇されていると感じている女性の割合が、他県に比べ非常に多い。共働き率№1の本県なのに、職場は男女平等だと感じている人の割合はたった13%、全国平均を大きく下回っているし、お隣の石川県36.6%の半分にも満たない数です。
大きな課題です。しっかりと原因分析して対処する必要があります。
まず男女の賃金格差を見ます。これは、OECD諸国の「フルタイム労働者の男女賃金格差」を現したグラフです。男性賃金を100としたときの、女性の賃金との開きは 日本が韓国についで2番目に大きくなっています。格差が約30、つまり、女性の平均賃金は、男性の7割ほどの額だということです。
平成24年の場合、男性の平均給与が33万円に対し、女性は約23万円です。
このように男女の賃金格差の大きな日本にあって、福井県はというと、全国平均より金額が少ないうえに格差はさらに大きく、男性約31万円に対し女性は約21万円、男性の3分の2しかありません。
厚生労働省は、男女の賃金格差の原因を、「男女平均勤続年数」と、「管理職比率」の差だと述べております。
しかしながら、福井県は子育てをしながら働く母親が多いので、女性の勤続年数は全国平均よりも長いです。月当たりの労働時間も長い。普通に考えると、男女の賃金格差は他よりも小さいはずです。それなのに現実は逆に格差が大きい。
また、平成22年の「就労者のうち管理的職業従事者に占める女性の割合は、全国平均13.98%のところ、福井県は11.73%で47都道府県中41位です。女性の就労率は50.9%と全国2位であるのに、管理職比率は41位と低い状況です。つまり、福井は全国と比べて女性の能力が評価されていない県、女性の地位向上がもっと必要な県だということです。
② 女性はこんなに働いているのに、賃金格差は大きい、管理職登用率は低いとなれば、「職場における平等感」が低くて当然だと思いますが、知事のご認識をお聞かせください。