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2012年12月18日

反対討論

発議第42号『信頼の持てる原子力規制行政の遂行を強く求める意見書』に反対する意見を述べます。

 原発は、これまで地域振興に多大な貢献を行ってきました。しかし、絶対安全を言われていた原発が、自然の力にあっけなく壊れました。そのリスクはあまりにも大きい。だからこそ、信頼の持てる原子力行政が求められるところで、意見書のタイトルにはおおいに賛同するところです。

 しかし本意見書によると、「規制委員会が少人数の専門家が事業者と十分な議論をすることなく短期間で判断されたこと。」が問題だとされています。

 まず人数に関しては、原子力規制委員会設置法に謳われている人数通りであり、瑕疵はありません。

 また、これまでの4つの事故調で福島事故の調査結果を報告していますが、共通している大きな課題が「安全規制の在り方」です。規制当局と規制される側の事業者の逆転の力関係、事業者言いなり…ということが、規制の信頼を大きく損ねているということです。ですから、信頼の持てる原子力規制行政の遂行を求めるならば、電力事業者や政治からの独立性と専門性の高い規制機関でなければならなりません。
 そのことを踏まえると、現段階で活断層・破砕帯の判断において、専門家がまず独立した判断を持つことに問題があるとは思えません。事業者との話し合いは、自らの判断を行ったこの後、行われることになるのだから、それを待つべきです。

 国の指針では、活断層のうえに重要施設設置を認めていません。耐震工学云々の以前の問題で、今の知見での活断層判断を静粛に待つべきではないでしょうか。
 安全第一が大前提です。社会的環境に左右されない、安全に関する「真実」のみが「信頼される原子力規制行政」の要です。我々はその「真実」を踏まえ、そして、今後の福井のありようを考え、住民の生命と財産を守っていかねばなりません。

 以上、立地県が専門家の判断に対し、今のタイミングでこうした意見書を出すべきではないと考え、この意見書に反対します。

2012年12月15日

予算特別委員会5

県財政について伺います。
平成23年度決算の財政状況は、歳入における一般財源が2472億円である一方、歳出の性質別支出をみると、人件費・扶助費・公債費の義務的経費が2226億円を占めており、一般財源はほとんど義務的経費に消えることとなります。一般財源に余裕がありません。

⑧ 臨時財政対策債の発行により、新規事業の県負担分を捻出するだけという実態しか見えてこないのですが、この認識について確認します。

平成23年度「主要施策の成果に関する報告書」に
「成果主義に基づく事務事業の見直しや歳出の抑制、県税収入の確保など、行財政全般にわたる改革を推進し、政策推進枠の財源を確保したい。」
と総務部長が総括しています。これは、政策推進の財源捻出のため、行財政改革プランを行うということを裏付けています。

⑨ それならば、平成25年度予算に向けて、具体的な捻出額は行財政改革によってどの程度見込んでいるのかお聞かせください。

⑩ 臨時財政対策債は、当然、後年度分の交付税算入により元利金が補填されると聞きますが、例えば、100の支出に対し、どの程度実質的に算入されているのでしょうか。また25年度発行予定額はどの程度か伺います。

⑪ 本県の財政状況について、「厳しい財政運営を余儀なくされている」と決算概要に述べています。経常収支比率93.6%はまさに財政硬直化であり臨財債を抜くと経常収支比率はさらに高くなります。硬直化により弾力性が失われていると言えないでしょうか、ご所見を伺います。

⑫ 国は赤字国債発行を、地方は臨時財政対策債発行をと、二重の後世代負担を余儀なくされ、もはや臨時などとは言えず恒常化しているとも言えます。この臨財債を毎年発行し続けることの認識に危機感を覚えておられないのか、ご所見を伺います。

(時間が押して、11は割愛しました)

予算特別委員会4

次に、「デザイン」を広い意味でとらえるなら、人間の行為をより良いかたちで適えるための「計画」を意味します。
まちにもっと活力が必要ですが、私は「まちの活気」は私たちの後継者たる「若者たち」の姿にあると思っています。

⑤ 通学のための学生の姿は見かけますが、それ以外に、街中を闊歩する活きのいい若者の姿は激減しています。若者が街中で楽しめる場、活力を表現できる場が必要だと思いますが、県都デザイン戦略の中で何か議論や工夫はあるでしょうか?

⑥ 以前より、屋根のあるパークを求める若者たちの声があります。モトクロス用の自転車で、ジャンプや回転など華麗な技を競うBMXは、地域のイベントでも老若男女の衆目を集め、人だかりができます。西口の計画にある屋根付き広場などで、こういった若者の声に応えることが必要ではないでしょうか?


⑦ 以上、中山間地域にあっては「美しい田舎」、市街地にあっては「歴史と郷土が感じられる生き生きしたまち」といったコンセプトで、市町の地域振興を県が総合的・広域的に調整してはいかがでしょうか。ご所見を伺います。

予算特別委員会3

さて、福井の女性の会話で、「大阪や神戸で『いい』と思って洋服を買ったのに、福井で着ると浮いて見える。着ていくところがない。」という声をしばしば聞きます。街中は、出かけるのに「おしゃれ」をしたくなる魅力的・刺激的なところであって欲しいと思いますが、これには街全体の色合いが大きく影響していると感じます。

例えば私の感覚で言うと、福井の街の基本的な色は「灰色」。路面の色であり、冬空の色であり、越前がわらも「銀鼠」。 鮮やかな色の服装では浮き立ってしまい、今日も道行く人の服装は黒が多いです。

 同じく灰色のイメージを、私はロンドンに感じています。ロンドンも雨の多いところで空はグレー、人の服装も黒が多い。正直、あまりいいイメージではなかったのですが、何十年ぶりかで行ってみて驚きました。街全体がオシャレなイメージに変わっていたのです。オリンピックを終えて何が変わったのかと観察していたのですが、エンジ・モスグリーン・黒と金・・・といった看板や飾りが、ベースのグレーに生えて、全体を引き立たせていました。アクセントカラーが灰色の風景を、「シック」な上質で洒落たものに一変させていました。こんなにも変わるものだと感心しました。

街が洒落ていたら、当然、人もワクワクとおしゃれをしたくなるし、実際道行く人は粋で颯爽としていました。

④ デザインは、表面を飾ることによって美しくみせる行為でもあるわけですが、美しく、特に女性にとって刺激的なまちづくりのために、街のカラーを統一した方向に誘導するなどの、地域を巻き込んだ景観形成を進める考えはないでしょうか?

予算特別委員会2

福井の伝統文化について述べます。若狭の古墳群は、1500年前には力のある豪族が権勢を誇り、福井が大陸からの玄関口であったことを示しています。また福井には、和紙・漆・織物など伝統工芸の手業の産地が集積しています。このことも、この地域が大陸から来た渡来人からの「文化伝来」の原点だったことを示しています。
 この「日本の文化の源が福井にあった」ということを、総合的に理解し内外に誇れるようなところが必要です。

②県立博物館がそれに当たると思いますが、県民も来県者も、来館すれば「福井が日本の文化の源の地」だと納得できるような内部構成に努めていただきたい。いかがでしょうか。

福井県民は、日本海側の雪国で、郷土を愛し、信仰心厚く、謙虚・実直に生きています。そして歴史を振り返ると、中世には越前農民による一揆が強く信長も手を焼いたほどですから、芯には鋼のような強さと爆発力が秘められているのでしょう。
一言で言うと、「質実剛健」、これが福井の県民性を最もよく表しているように思います。
県都デザイン戦略では福井城址公園の整備など、歴史や文化・伝統を生かしたまちづくりが中心のひとつに据えられていますし、こうした歴史資源や歴史的人物のブラッシュアップは、今後、新幹線をバネに、県全域で促進されていくと思われます。あちこちでバラバラに歴史を掘り起こすことになるのでしょうが、「こんな人がいた、あんな有名人がいた」というだけではなく、一本筋の通ったものであって欲しいと思うところです。
古くは継体天皇、戦国時代には柴田勝家、お市の方、朝倉義景、松平春嶽や幕末の志士、戦時中の佐久間艇長など、誇るべき歴史的人物が数多くいますが、彼らも、福井の土と水で生活した福井県人です。

③ 県は市町の地域振興を支援していくと述べていますが、福井のブランド戦略として、歴史を語る際には「福井の郷土が生み育んだ歴史だ」という意識を強くし、来訪者が福井人の姿やスピリットを感じることができる、コンセプトを持たせることが県の役割だと思いますが、ご所見を伺います。

予算特別委員会1

地域振興について伺います。

以前、東京の老舗企業の社長に「細川さん、欧米は、田舎が美しいんですよ。」と言われて、それがずっと気になっていたのですが、この秋にその美しい田舎を見に、英国湖水地方に行く機会を得ました。
 そこは、築何百年ものオールドハウスが多く、それを手入れして大事に使っていました。見渡しても派手なインフラや新しいインフラはほとんどなく、手を加えているのは内装程度、古いものを丁寧に手入れし、田舎ならではの落ち着いたゆったりした町並みでした。そして、それが自然と調和し、聞きしに勝る美しさであるとともにその地方の伝統や文化を強く感じ、衝撃を受けました。そこには大きな観光スポットがあるわけではなく、交通も決して便利ではなかったのですが、都会から「美しい田舎と田舎文化」を求める多くの観光客を集めていました。
 1例を上げると、道路・・・広くなくガタつきましたが、除草が行き届いていました。
福井の中山間地域の道は広くて新しいけど、歩道を割った雑草が伸び放題のところも多く、傍らの空家や遊休地・耕作放棄地が、寂れた感じを増幅させていたりします。作るときにお金がかかっていても、手入れが行き届かなければ寂れた感じがして、人を案内していて恥ずかしくなる事もあります。
 福井も、「美しい田舎」を構築すべきだと思います。
 新幹線の金沢開業を前に観光に力点を置くわけですが、観光スポットを磨くだけではなくて、面として都会の人に「美しい田舎」を提供できるように磨かなくてはならないと、強く思うところです。

① 寂れた感じになる一番の要因は、雑草にあると思いますが、中山間地域は過疎高齢化が進み、人の手ではとても追いつかないのが現状です。昔は家で飼っていた山羊や牛などが、河原や土手の草を食べてくれたと聞きます。昔のように、家畜の力で除草することを進めていってはいかがでしょうか。

2012年12月05日

12月一般質問7

では、どうしたらいいか。どういうふうにすれば通常に戻せるか・・・ですが、やるべきはとにかく健康生活の構築だそうです。特に、「昼間の遊び」が大事だということです。夜の眠りには、昼間の活動量もさることながら、どれだけお日様の光を受けたか、受光量というものも大切だそうで、「日中の外遊びによる活動と受光」が自律神経機能の発達と調子を整えることに良いのだそうです。

さらに、遊び内容も大事です。昔、子供たちは、放っておいても勝手にわくわく、はらはら、どきどきと興奮を惹起させて遊んでいました。しかし現代は、興奮を惹起させない生活環境にあり、ほうっておいたのではコントロール機能が育まれません。だから、まずはその「興奮」を引き出す遊び環境を与えていかなくてはなりません。
 つまるところ、「子どもが子どもらしくワクワク・ドキドキ・ハラハラしながら興奮して、太陽の下で行う外遊び」が、子どもの身体の「危機」を「希望」に転じる可能性を秘めているということです。

しかし、現在の社会は、交通状況や不審者出没、山間地では鳥獣の出没、子供の数の減少などで、容易ではなくなりました。
地域から、元気な子供の遊び声が途絶えて、かなり久しくなってしまっています。本当に、悲しく心配なことです。

前置きが長くなりましたが、最後に一つ伺います。

① 福井の子供の健全な育成のために、豊かで逞しい成長に絶対必要な「外遊び」や「人と関わる遊び」がしやすい条件を地域に整える子育て支援策を講じるべきではないでしょうか。
御所見を伺います。

以上、明日の福井を担う子供たちの、芯からたくましい成長を願いまして、質問を終わります。

12月一般質問6

子育て支援に関して伺います。

県はこれまで様々な子育て支援策を行ってきておられますが、今年度、年少扶養控除廃止による地方自治体の税収増加することに伴い、国庫補助金による子育て支援環境整備事業が一般財源化されました。母親クラブへの助成金などが、国のひも付きではなく市町の判断に任されたわけです。
県内母親クラブから制度変更の不透明感から混乱の声が上がり、一般財源化される中、市町でどの程度予算が組まれるのか、結局子育て予算の総額が縮小するのではないかと危惧しております。また県は制度廃止なのですから、逆に関わりが薄れたように見えます。
 現在、福井型18年教育として幼児教育に重点をおいておられるところですが、あらためて、成長著しい幼少時期に必要なことに力を注ぐべきで、それに関し私の思うところを述べます。

豊かな「心」を育むことが大事だとよく言いますが、「心」とはどこにあるのでしょうか。心臓はハート型ですが、これは血液を全身に送るポンプです。専門家によりますと「心」は脳にあるのだそうです。脳の中でも前頭連合野という前の部分、ここにある。ここが脳の機能の中でも高次脳機能ということをつかさどっているからです。

 高次脳機能は、記憶や言語、認知能力、情緒、理論立てて物事を解決する能力、注意深く物事を見る能力、コミュニケーション能力、社会性などに関与しています。
この高次脳機能を高めるというのは、生化学的に言うと、シナプス形成によりニューロン同士のネットワークを密にするということです。このシナプスの数が増えると考える力がつき、本当の意味での「頭のいい子、知恵のある情緒豊かな子」になると言われています。
またその「シナプス」は、外からの刺激によって発達していき、幼少時期に、五感に良い刺激を与えることが重要です。

 慶応大学研究員で小児科医の出口医師によると、このニューロン形成は特に人間関係でどんどん変わってくるのだということです。物を対象にするのではなく、人同士がかかわっていくことで脳は発達し、人との交流や感情のコントロールができるようになる。人を介しないゲームなどの関わりではなくて、人が介する関わりで心を育めるのだと、脳科学の観点からおっしゃっています。 

また、埼玉大学で「子どもの体と心」を研究されている野井博士によると、高次脳機能の発達において、不活発型というタイプが増えてきているとのことです。この不活発型の子供たちの特徴は、大脳の興奮過程も抑制過程も十分育っていないため集中が続かず、いつもそわそわ、キョロキョロして落ち着きがありません。
こういう子供たちも、かつては年齢とともにおさまって少なくなっていったのに、今は成長してもなかなかおさまらない。特に男子の方がおさまらない。

また、どちらかというとブレーキが強くかかりすぎてしまう抑制型というタイプも出現してきたそうです。それは余りにもブレーキをかけ過ぎていて、突然何かあったときに「『かっ』とキレる」というタイプです。昔はゼロ%、見られなかったものが、近年そういう抑えつけ過ぎていて、うまくいかなくなって「ぷつっ」ときてしまうタイプが出てきたのだということです。子ども,とりわけ男の子を取り巻く現在の生活環境が,子どもの高次脳機能を発達させにくい状況にあるといえるのではないかと専門家は指摘しています。
他にも、身体的に体温調整、血圧調整の機能も落ちてきており、今子供たちの体は非常に危機的な状況にあるといわれています。

12月一般質問5

さて先日の議案事前調査会で、県都デザイン戦略の議論をすすめるにあたって、「議会との関係」に対し、手順・審議の持ち方について、複数の同僚議員から意見が出されました。
「懇話会の検討結果を持って骨子案とするのは問題だ」
「中長期的な計画であり、常に議会とのキャッチボールが必要だ」
「方針を決めた後に提案してくる手法は従来手法だ」
「途中経過が大事。途中途中で議論をすべきだ」
といったものです。結局県都デザイン戦略の中身については今議会で議論するということでしたが、大きな計画策定の手順に関して、先に述べた独自条例制定同様、策定過程で議会と話し合うことの重要性を感じました。

お隣の石川県では「基本的な計画を議会の議決事件と定める条例」の中で「政策の実現に向けて計画の段階から議会の積極的な役割を果たす」として、「立案過程における報告」や「実施状況の報告」を条例の中に謳っています。
岩手県では、同条例で、計画策定や変更の趣旨、目的、背景、根拠法令、計画案の概要、実施経費など、具体的な議会への報告事項を謳っています。

また議会基本条例で首長が提案する重要政策の形成過程の説明を定めているものもあります。
例えば栗山町では
⑴ 政策等の発生源
⑵ 検討した他の政策案等の内容
⑶ 他の自治体の類似する政策との比較検討
⑷ 総合計画における根拠又は位置づけ
⑸ 関係ある法令及び条例等
⑹ 政策等の実施にかかわる財源措置
⑺ 将来にわたる政策等のコスト計算
という7項目を明らかにするように定めています。同じく伊賀市は
(1) 政策の発生源
 (2) 提案に至るまでの経緯
 (3) 他の自治体の類似する政策との比較検討
 (4) 市民参加の実施の有無とその内容
 (5) 総合計画との整合性
 (6) 財源措置
 (7) 将来にわたるコスト計算
を説明すると定めています。他にも所沢市や越前市など、いずれも重要政策の策定過程を重視し、議会との議論のルールを定めています。
福井県でも、基本的な計画の策定・変更に対して、議会の意見具申を可能にすべく「福井県行政に係る基本的な計画について議会の議決事件と定める条例」を制定しているのですが、それでもなお、今回のような「途中でしっかり議論すべきだ」という意見が交わされるのであれば、他の自治体のように、立案過程における報告を何らかの形で制度化しなくてはなりません。

⑩地方が自立するために、より一層地方自治の充実が求められる時代です。基本的な計画策定でも、独自条例制定でも、重要政策の策定過程で、住民や市町の意見を反映させる手法をきちんと義務付けし、議会へ報告し、議論を尽くすことが大事です。現状でそれが十分でないのであれば、制度化する必要があると思われますが、知事の御所見を伺います。

知事は、「福井元気宣言」や「福井新元気宣言」の中で、「県民本位の県政運営」とか、「温かい心で県民の声に耐えず耳を傾ける」「政策形成過程から県民参加を推進する」と述べておられます。初めに述べました松平春嶽の言葉とも相通じることだと思います。地域主権改革という極めて大事な制度改正が進行しているこのときこそ、民意の集約と施策への反映は重要です。なお一層ご努力いただくことを求め、次の質問に移ります。

12月一般質問4

続いてもう一点、議案に関して伺います。
救護施設や児童福祉施設、養護老人ホームなどに対し、本県独自基準として「施設が職員に対し、人権擁護等の研修を実施すること」と定めようとされています。これは、昨年9月に「障害者虐待防止対策事業」という新規事業で、障害者施設の管理者に対する研修を実施するとしたところですから、良い目の付け所だと思います。
しかし残念なのは、これが「努力基準」であるという点です。その9月の厚生常任委員会で、私は
「弱い立場の方と接する以上は、普通以上に人権感覚をきちんとしていかないといけない。ともすれば、相手の痛みをわかりづらいようなこともあるのではないかと懸念されるので、適性検査も含む研修にして、管理者も加え、受講を義務付けるようにしてはどうか。」と伺い、さらにその研修を「団体に委託するのではなく、県が主体で、直営でやってもいいのではないか。」といった提言をしました。障害福祉課長は「より職員の意識を強め、職務に当たっていただくために、次年度以降もその研修体制の強化を検討していかなければいけないと思っている。」と回答されました。

⑨それならば、今回のこの条例改正に当たり、人権擁護の研修実施は、実効性を高めるために、努力義務ではなく義務規定とし、罰則規定も儲けるべきではないでしょうか。ここは肝心なところです。御所見を伺います。

12月一般質問3

さて今回上程された議案に対し、具体的に伺います。
地域主権一括法関係条例の制定・改正、さらに、従来の政省令で規定が欠けている項目の条例整備をされたわけですが、多大な作業を行ってこられたことに対し、まずは敬意を評します。
中でも、これまで児童福祉施設の「非常災害に対する具体的計画の策定」について、「努力規定」であったものを「義務規定」に変えるとしたことは、先の越前市東部集中豪雨で保育所が被災したことを考えると、妥当な内容と得心いたすところで、高く評価いたします。
ただ懸念するのは、この計画を現場が作成するために、かなりの手間を要するのではないかということです。専門家を加えての検討も必要かとも思います。

⑥現場に対し、計画策定の支援をすべきではないでしょうか。


⑦また今回の社会福祉施設関連の改正において、独自基準を決めることは非常に重要なことであると同時に、現場も含め、変化に伴い予算が必要になったり社会保障費の負担増が予測されたりといった、財政面で考慮すべき点は出てこないのか、お聞かせください。


予算をチェックする立場として地域主権改革を考えるならば、財源も移譲されるとは言え、国の言うことを黙って受け入れていて結局負担の増大にならないか、あるいは地域独自のルールによって県負担がどうなるのか、一括交付金化の効果や影響はどうなのか等は気になるところです。きめ細やかな施策を講じると同時に、事務の簡素化を行って負担軽減を行い、できるだけ現場に直結した予算の使い方ができることを願います。

⑧地域主権改革において、県として財政面で留意していることがありましたら、お聞かせください。

12月一般質問2

次に、地域主権改革のポイントである「住民主体の発想に基づく」「住民が責任を持って決める」・・・という視点について伺います。
今議会に「地域主権一括法関係」として「これまで法令に定められていた施設・公物設置管理基準の設定が条例に委任された事等に伴う、条例改正や制定」の議案が上程されています。
先日の議案事前調査会で、これら「県の行っている見直し作業において、全体的に示すのは初めてである」とお聞きしました。議会に対し相談はせずに改正作業を行ってきたわけですが、それならばそれぞれの作業段階で、何らかの手立てで「市町の実情」や「住民、特に施設利用者の意見」を反映させたということなのでしょうか。

④県では、この重要な地域主権改革による条例改正が一括して出てきた背景についてお聞かせください。また、県は関係条例を見直す中で、市町や住民の意見の反映の経過も含め、どのような手法で今日に至ったのか、具体的にお聞かせください。

⑤また私は、県民意志の反映という点から、一連の独自条例制定・改正の作業をしているのならば、そのスケジュールや予算への影響、方針などを、議会に知らせるべきと思いますが、御所見を伺います。

ちなみに、他県のホームページを見るだけでも、秋田県、栃木県、千葉県など、地域主権改革の趣旨を分かりやすく県民に説明し、条例ごとのパブリックコメントを募集していることが読み取れます。こういった姿勢が大事だと思います。

12月一般質問1

初めは、地域主権改革についてお伺いします。

我が国は、2050年に総人口が3,000万人以上減少し、高齢化率は40%、大都市部への人口集中が進むと予想されています。さらに、地方財政の借入金残高が約200兆円、国の残高約1,000兆円であることを踏まえ「地方自治体の自主性を強化し、自由度を高めなければ、日本の将来はない」と、自公政権時代に言う「地方分権改革」、また民主党政権で言う「地域主権改革」が推し進められています。
これは地域に権限と税源をセットで移譲するものであり、その意義は「中央集権体質から脱却し、国と地方が対等な関係に転換、国民が地域の住民として、自らの暮らす地域について自ら考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負うという『住民主体の発想』に基づいて、改革を推進する。」という点にあります。つまり、「地域のことは住民が責任をもって決める」ということです。
現在県は、平成21年12月に閣議決定された「地方分権改革推進計画」や平成22年6月に閣議決定された「地域主権戦略大綱」を踏まえ、関係法律の整備を行っておられる最中です。オールジャパンではなく、地域の実情に応じた独自のルールを決めておられるわけです。

①そこでまず、「福井県の特徴や実情」を、県はどのように捉えておられるのか、伺います。


②また、国が関与するいわゆる「義務付け・枠付けの見直し」は10,000条項に及ぶ膨大な作業であるわけですが、その全体像と現在の作業の進捗状況をお聞かせください。


さて、今回の地域主権改革により見直し対象となった条項の中で、施設や公物の設置管理基準については、国の基準に従わなければならないものは約6割、そして地域の実情に応じて国の基準と異なる内容を定めることを許された裁量権の大きなものが約4割と聞いています。この4割こそが、「福井県の特徴や実情」を反映できる独自条例だということです

③そこでお伺いします。これまでの改正で、国の基準をそのまま転用したものではなく、県独自の改正を行ったというものは、どの程度あるのでしょうか。またそれによって、「県の特徴や実情」を十分反映しているとお考えでしょうか。現時点での県の評価をお聞かせください。

12月一般質問前文

「我に才略無く、我に奇無し。常に衆言を聴きて宜しきところに従ふ。」

 江戸時代最後の福井藩主松平春嶽は、福井藩の財政改革のみならず、黒船来航で揺るがされる国内状況において、自ら国政の改革にも取り組みました。
そのなかで春嶽は、自らの見識や能力のみに頼るのではなく、身分に関係なく人材を登用し、多くの人々の意見を聴き、決断したならば積極的に改革を推進したと言われています。
橋本左内や由利公正など革新的な家臣をどしどし登用、新進気鋭の「改革派」家臣団グループが誕生しました。冒頭の言葉通り、春嶽は彼らを含め、多くの人々の意見を聴くことに意を用い、横井小楠や坂本龍馬との出会いもその良い例とされています。春嶽は「公論政治」の実現を目指したそうですが、この歴史を考えると、議員として自分がこの場に立たせていただいている重みをなお一層感じ、身が引き締まります。
今日の我が国は、危機的な財政状況にあり、大震災が起こり、不況が長引き、・・・それなのに、政治が混乱しています。先の読めない現代社会だから、歴史に学び自らの使命を問い直し、様々な課題に議論を尽くしていきたいと思います。