9月一般質問4
さて一昨年策定された越前市の教育振興ビジョンには、子供たちの現状と課題が書かれています。私の実感とぴったり一致しているのでかいつまんで紹介します。
まず幼児期の課題は「基本的生活習慣の乱れ」「コミュニケーション能力の不足」「子供の安心安全の確保」などです。そしてその背景に「人間関係の希薄化で子育ての不安や負担を感じる保護者の増加」などが指摘されています。
幼児期は、親御さんへの働きかけが特に重要ですが、今年度、年少扶養控除の廃止に伴い「子育て支援 環境整備 事業」の中の「地域組織活動 育成事業」が廃止されました。その分、国から市町には一般財源化して予算措置されたわけですが、このことによって、今後の母親クラブへの助成見直しや廃止を検討すると言われた自治体が出てきています。
⑧ 県として、この事業廃止後の、幼児期の親に対する子育て支援をどのように考えておられるのか、お聞かせください。
先ほどの続きです。義務教育時期の課題は、「人と人との触れ合いや社会体験、自然体験の減少」「自制心の低下や規範意識・倫理観の希薄化」「学習や生活に対して無気力な子供の増加」などとなっています。変化の激しいこれからの社会をたくましく生きるために、基本的なマナーの定着を図り、コミュニケーションスキルの一層の育成が求められます。
また、不審者の出没や薬物乱用、ネット犯罪といった問題や、バーチャル世代である若者の「生きている実感」の乏しさや、人間関係における齟齬感の増大が指摘されています。一度こじれた人間関係を修復する力が低下しているのです。
教育の目的は「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として、必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」です。本県教育は、先に述べた子供たちの今日的課題克服を十分に盛り込んだものであるべきと考えます。
⑨ 最後に、教育長にお尋ねします。福井型18年教育は、今までの教育をどう変え、子供たちのどういった変化を目的とされるものなのか。それを策定・実施された暁には、福井の子供たちは今日的課題を乗り越え、これまでよりたくましく育まれるものなのか、ポイントを端的にお教えください。
以上、若者の健全育成で、私が課題だと感じていることを述べました。これらは、学校の中だけでは解決できず、広く皆様に考えていただきたいと思って、ここまでやってきました。若者が絶望する社会に未来はありません。希望を持って生きられる社会構築のために、理事者各位、同僚議員の皆様の、お知恵・お力を尽くしていただければと念願し、質問を終わります。