貞観地震の前後
3・11東日本大震災は、今から1100年前の貞観地震・津波の再来だといわれています。
地球はマグマの動きによって動いており、日本がプレート圧縮などで繰り返し大地震に見舞われるのは宿命です。
東北太平洋側の地殻の動きから、今がその約1000年の節目であったと考えるのは自然です。
ですから、貞観地震のころの日本列島の状況を真摯に受け止めるべきです。
日経サイエンス『国史が語る千年前の大地動乱』(2011年6月号)によりますと、貞観地震の前後で、天変地異が連続的に起きています。
時は平安時代・・・しかし、平安前期860年頃からの4半世紀は「平安」という名にそむく「大地動乱の時代」だったそうです。
863年7月 富山から新潟にかけての大地震 (いくつかの小島が崩壊)
864年初夏 富士山噴火 (湖に溶岩が流れ込み、今の「青木ヶ原樹海」と西湖・精進湖に)
11月 阿蘇山噴火
867年3月 鶴見岳噴火
6月 阿蘇山再噴火
8月 兵庫県西部大地震
869年1月 摂津(兵庫県南部~大阪北部)地震
7月 貞観地震
8月 熊本で暴風雨災害と同時に地震・津波
871年5月 鳥海山噴火(山形県・秋田県)
874年夏 開聞岳噴火(鹿児島県)
878年11月 関東大地震
880年11月 島根県で大地震
881年1月 京都で地震
887年8月 南海地震・・・貞観地震級
その3年後に京都で地震があり、その後は平穏期が続いたそうです。
3.11以前から、富士山噴火などの危機感が高まっていて国は観測強化しています。
また、海外の事例でも、M9クラスの地震の前後に、火山噴火が起きています(スマトラ沖、チリ・・・)
琵琶湖環境科学研究センターで琵琶湖湖底の調査を続けてこられた熊谷道夫氏によれば、2009年に湖底で「泥とガスの噴出現象があり、それが2010年には9箇所に増え、今年はじめには湖底全域、数え切れない場所に広がっているのだそうです。「琵琶湖湖底に蓄積した地殻の歪みは、泥噴出だけで解消されるとは思わない。警戒すべきは、周辺の陸上部も含めて数多く潜む『活断層』の破壊です」とのこと。
日本列島が、現在、今後まだ何が起こるかわからない、そんな『大地動乱』の時期にあるのだとしたら、生半可な備えではならないわけです。