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2011年12月07日

質問11

最後に、広く大事なことは県民が福井の農業を守ろうとする意識の醸成です。
「その土地の季節のものを食べることが、最も健康的で 栄養が豊かである。それが自然なことであり、そこに住んでいる人に一番優しい食になる」
と述べたのは、福井の生んだ食育の祖、石塚左玄です。福井の農業がつぶれたら、野菜など新鮮な食物が手に入りにくくなります。地産地消することは、農業者のためだけではなく、ひいては自分たちのためだと言うことを、しっかり啓発することが大事です。
食育は大人にも必要です。

⑪県は現在「食育」に関し、どのような取り組みをされているのか、あるいはどう取り組んでいかれるのか?お聞かせください。

以上、厳しい状況の中にある農業の中で、特に弱っている部分を、私なりに模索し提言させていただきました。
「農業を守るか強くするか」の策なくして、TPP参加は無謀です。
「福井の農業を守りたい」との思いは一つだと思います。 
前向きなご回答を期待します。

質問10

園芸作物に関して伺います。
福井県は稲作中心で、なかなか園芸農業が進みません。兼業農家が多く手間がかけられないことと、市場価格が安いためだと思われます。
現状を考えると、今作っておられる人を支えなければ、どんどん生産者が減っていくとのではないかと危機感を覚えます。世代交代して農業を継ぎたくとも、現在は、ビニールハウスの修理や曲がったパイプの交換などに対する助成が無く、農業継続が困難との声も聞きます。
北陸は雪でビニールハウスが傷むことが多く、こうしたことへの手当も必要と考えます。

⑩園芸農業を守るために、現在の施設整備に対する支援制度を
小規模な農家に拡充したり、後継者に世代交代する際の 部分的な施設修理に助成したり、出荷奨励制度を創設したりすべきと考えます。考えをお聞かせください。

質問8,9

さて、鳥獣害被害が拡大しています。丹精込めた作物が、収穫前に根こそぎやられてしまうと、営農の継続だけでなく、集落の活力さえも失われます。イノシシに加え、鹿も年々北上し、被害を拡大させています。
これら鳥獣害対策において、もっとも厄介なのが殺処理後の処理です。処理ができないから獲ることもできないと、被害拡大に泣き寝入りしている集落もあります。 

⑧市町からも県に対し、処分場の整備について支援の要望が出ています。「猪は食べるべし」と、県は獣肉の利活用研究もなされているのですから、それが実現できるように、「猪の食肉解体処理施設」を市町が設置し易いよう支援すべきと考えますが、県の考えをお聞かせください。

⑨集落営農についてです。国は、強い農業を目指し、農地集約をさらに進めようとしています。県は以前、集落営農組織設立を支援されていたと記憶しています。これが功を奏して、これまで農地集約が促進されたと評価しているところですが、さらに農地集約を加速させるために、再び県が集落組織作りをサポートするべき時だと思いますが、ご所見を伺います。

質問7

次に、農業問題に関して質問します。
私が尊敬する南州翁西郷隆盛は、
「政の大体は、文を興し、武を振い、農を励ますの三つに在り。その他百般の事務は皆この三つのモノを助くるの具なり」
と述べています。農業は国の根幹だと言うことです。
しかしながら今日、農業を取り巻く環境は厳しさを増すばかりで、TPPを前にしては存亡の危機でさえあります。
今議会でも、さまざまご議論がありましたが、私からも農業振興のため、いくつか提案をさせていただきます。

まず、中山間地域の農業振興についてです。
午前中、知事は中山間地域を「残すべき地域」と評価されました。その支援策に関してもご説明いただきましたが、現状はどうでしょうか。

越前市を例に話します。これは、越前市の地図です。緑は山です。農業委員会の農地の分類によると、水色の部分が平坦地、黄色が中山間地域、ピンクが山間地域です。農地の衰退ぶりを知る手がかりの一つに、「賃借料ゼロ=ただ貸ししている農地」の割合があります。「もう耕作することはできないが、草を生やして周囲の田んぼに迷惑もかけられない。誰かに作ってもらえるのなら無料でいい。」という賃借関係です。この割合が高いほど、危機的な状況です。
越前市の昨年度の農業委員会の統計によりますと、賃借料ゼロの農地の割合は、平坦地で15.7%、中山間地域で27.9%、山間地域ではなんと78.8%です。ピンク色のところは、山間の谷間で寒暖の差が大きく、生活雑廃水が入らないきれいな水で、特においしいお米がとれる所です。それなのに、そこで行われる田んぼの賃借の約8割が「ただ貸し」になるほど、営農存続が危機的状況なのです。
中山間地域がこのような状況なのに、実は、直接支払制度の対象となっている農地は、この赤い部分(一部)だけです。その他はその制度の要件を満たせず、支援が受けられないのです。こういったところから荒廃します。

⑦直接支払制度の対象とならない中山間地域が多くある理由は、団地要件が厳しいのか、補助金を受けるための事務処理ができないのか、農地集約のための取りまとめができないのか、県はその理由をどうとらえておられるのでしょうか?また、中山間地域等 直接支払制度を拡充し、こういった制度狭間の地域の農業再生を図れないか、お聞かせください。

質問6

さて、9月議会の議決を経て、福井県公害防止条例の罰則規定が強化されました。
私たちのふるさとの環境は、大気汚染防止法や土壌汚染防止法、水質汚濁防止法、環境基本法など、さまざまな法律によって、厳しく守られています。福井県環境基本条例の前文には
「良好な環境を享受することは、県民の基本的な権利であり、私たちは将来にわたって健全で恵み豊かな環境が維持されるよう、環境の保全に努めていかなければならない」
と謳われていますが、これは私たち県民が、ふるさとの自然を大切にし、次世代に引きつぐ決意に他ありません。
この条例によりダイオキシンや一酸化炭、ホルムアルデヒドなど、様々な環境汚染物質が規制されているわけですが、その中に「放射性物質」は含まれていません。

放射性物質は、他の環境汚染物質と違い、「原子力基本法」の定めに従うことになっていますが、これまで「漏れない」「漏らさない」という大前提であったので「大気や水、土壌」が汚染される想定がなく、罰則規定が定められていません。

 しかし、福島原発の事故で、原発に絶対の安全はないということが明らかになりました。広範囲にわたり、大気や土壌・水質が、大量の放射能によって汚染され、公衆は被ばくしました。この現実に向き合うならば、当然、放射能汚染も条例で厳しく規定し、罰則規定を定めるべきです。原発の安全は、地域社会の存立、そして人の命にかかわる問題だからです。

⑥放射能汚染を厳正に取り締まる条例を作り、県土県民は県が守るという姿勢を、形にされてはいかがでしょうか?ご所見をお聞かせください。

質問5の2

二つ目は、核燃料サイクル全体から浮かぶ「もんじゅの問題点」です。
核燃料サイクルは、基礎研究の実験炉「常陽」、原型炉「もんじゅ」、実証炉、実用炉と、4つのステップを踏みます。しかし、実験炉「常陽」においても、照射試験用 実験装置 MARICO-2 が、平成19年
装置移動の際に破損、接続ピンが6本ふっ飛びましたが、そのことに気づかないまま試験や作業を行い、さらに状態を悪化させ、今でもピンが炉内で不明のままです。事故原因はメーカー側の設計ミスと、原子力機構が装置の検証作業をしないまま設置したことにあります。
これまで「もんじゅ」で起きた事故原因とも共通なのは、
「試験集合体の設計・製造をメーカーに丸投げしていた」ことです。
この点に関し 原子力環境安全 管理協議会 で質問したところ、
「性能保証一括でメーカーにすべて任せることは、原子力機構としても反省している。」
「反省を踏まえ、設計・品質・リスク管理を水平展開していく。」としながらも、
「優先順位があるので、重要部品から順にやっていく」との回答でした。
 つまり「もんじゅ」は、その設計思想自体に問題があるわけで、それは、ちょっとやそっとの努力では取り返しがつかない根本的なことだということです。また次に、どこが原因でどんな事故が起きるとも限らない危険性をはらんでいるのです。

 新型転換炉「ふげん」は、MOX燃料もプルトニウムも燃やせたにも関わらず、将来的な商業ベースでは経済性に問題ありということで廃炉になりました。「もんじゅ」は「ふげん」以上に経済性が悪く、プラントとしての信頼性にも欠けます。高速増殖炉の壮大な実験に、非常なる危険は感じても、未来を感じるものではありません。

⑤「もんじゅ」は、真下の活断層と性能保証一括の設計が問題だとご説明しました。このことに対する県のご所見をお聞かせください。また、これを国に伝え、論点に加えるよう要望します。あわせてお尋ねします。    

質問5の1

高速増殖炉「もんじゅ」の件です。
「もんじゅ」存続問題に関し、県は「国のエネルギー政策全般の中で考えるべきこと」とのスタンスですが、それはオールジャパンで考える論点です。「県」が何のために存在するかということを思えば、まずは県民の安全を第一に考え、県民の安寧な生活を守ることが優先です。
福島県が、国策に協力してきたにもかかわらず、「国に裏切られた」という思いでいっぱいの状況です。そのことは、福島に職員を派遣までして見てきているはずです。
国の一連の議論は、主に経済観点からのもので、立地地域のリスクの論点が欠けています。ですから、次の課題を県からぜひ国に伝え、議論のテーブルにあげていただきたい。

まず、「もんじゅ」の真下を潜る2つの活断層についてです。一つは美浜原発から「もんじゅ」真下を通っている「C断層」。これは断層面が斜めに走っており、美浜原発の真下4km、もんじゅの真下6kmを通っています。
そして、それに平行して「白木-丹生断層」があり、「もんじゅ」の真下わずか1kmを通っています。つまり、「もんじゅ」の真下には2本の活断層が通っているのです。
これらは連動する可能性もあり、さらに「浦底断層」とつながっている可能性もあります。何度も言うように、西日本は地震の活動期に入っており、「もんじゅ」配管は複雑で長く、薄い所で2ミリの厚さしかなく、耐震性が懸念されるのです。

先月、我が家の近くを震源とする地震が4回ありました。昨日もありました。温見断層が越前市まで続いているのかもしれません。
ゴリッという音と共に瞬間的にガガッと揺れ、私は足元の地面の奥底の岩が陥没したのかと驚いたくらいです。あちこちの被災地に行くので地震には慣れているつもりですが、この時は発表された震度以上に、ぞっとする怖さがありました。
アメリカのカリフォルニア州に「活断層法」という「活断層の上に建物を建ててはいけない。」という法律があるくらい、震源断層
近傍の揺れは、別物です。
 活断層の影響を矮小化してはならないし、活断層の上にいかなる原子炉も設置してはいけません。活断層の上にある原子炉は廃炉にすべきです。

質問4

さて、国は原発事故に備えてUPZを30キロ圏としました。
つまり
「原発から30キロ圏内は防災対策を重点的に取らなくてはならない」
ということですが、言い換えると「万が一の時は、危険が及ぶ可能性の高い地域」ということです。新たな対象自治体では市民からの問い合わせが多く、不安と混乱が生じています。
ですから、これら自治体が、原子力の環境安全について十分に情報を得て理解する必要が生じていますし、実際に、該当自治体の首長からの強い要望があります。

④玉村議員の質問に重ねてお伺いします。県が主催する「原子力 環境安全 管理協議会」に新たにUPZ対象となった自治体を加えなければならないと考えますが、御所見をお聞かせください。

質問3

自らの姿を見直し、「使命感」という根本的なところから叩き直さなくてはならないような状況です。県が国に明確な方針を求めるのは当然ですが、待っているだけでは遅々として物事が進みません。

今回これまでの避難計画が机上の空論であったことが露呈しましたから、実効性のある提言を、現場をよく知る県からどんどんすべきです。そして、言っても響かないならば、率先して県が計画を策定すべきです。県が国を変えればいいのです。

福井県の原子力担当課は国と比較しても能力が高い。また、福井は三国重油災害や福井豪雨災害の経験があります。
福井の医療チームや災害ボランティアの「チーム福井」が被災地で大活躍したことでもお分かりのように、現場関係者は「兵站(へいたん)=現場ロジスティックス」に長けたツワモノぞろいです。若手消防隊員の中には、図上訓練=DIGの技術をもって熱心に活動している方々もおられます。学識や肩書で人を集めるだけでなく、

③こういった、実際に前線で活躍されてきた方々を中心に、それこそ暫定的でもいいから、実効性のある防災計画を主体的に立てる。そのうえで、足りないツールは揃え、改正すべきルールは変え、国に担わせるべきことは要求していくべきです。ご所見を伺います。

ちなみに、アメリカ ニューヨーク州ウェストチェスター郡のインディアンポイント原発では、決して形式的な同心円で避難させるのではなく、行政区とかかわりなく地域をモザイク状に割ってナンバリングし、地形や風をシミュレートして広まり方によって効果的・効率的に避難させます。これによって警察官も軍人も効率的に動けるのです。
また、カリフォルニア州では、情報伝達に『リバース911』という「地域を特定し、固定電話へ一斉情報通知できるシステム」を使い、山火事の際に短時間で何十万人もの人を避難させました。
これらを組み合わせれば、効果的な避難計画を作ることも可能です。

質問2

続けて、その防災計画策定についてです。
現在県は、国に明確な方針を示すよう求めて、答えを待っている状況です。しかしながら、原子力安全委員会は今だ「福島事故における住民避難の実態を十分に把握せず、立地地域の意見を聞くに至っていない」という、信じがたい無責任な状況です。
私が知る限りでも、経産省・原子力安全保安院はじめ国の原子力関係者には、住民の立場で避難の状況を調査し、どれだけの犠牲が払われたか、何が課題で何をなすべきかということに真剣に向き合っている様子がありません。気にしているのはプラントの状況ばかりです。
原子力行政は国策だと言い、原発は安全だと言い、誠実な地震学者の忠告は退け、あげく、事故が起きたら立地の県民を見ようともしない。
私は今原発事故において、「住民避難の指揮をとる役割を担うオフサイトセンターが機能せず、ちゃんとした避難誘導をやらないまま、まだ避難できず苦しんでいる住民が残っているのにセンター要員が退避してしまった。住民の安全確保という最も大事な彼らの使命を果たさなかった。」ということが、何より一番重大な問題だと思っています。
国は事故後、東電の現場退避を阻止した一方で、自分たちは60キロ先までさっさと退避したわけです。
5月の福島県議会で「臆病者ばかりではないか」「退避すべきではなかった」と怒りの声が上がりました。当然です。

「国民の生命と財産を守る」という使命より、己の身を守ることを優先したのです。原発の監督官庁の、この問題と責任は、まず真っ先に検証され、追求され、責任を問われなくてはならないはずです。原子力安全・保安院が、このことをうやむやにしたまま看板を付け替えるようなことがあってはなりません。

②国の、住民避難に対する姿勢をただし、オフサイトセンターのBCP=事業継続を確立し、それを反映した原子力災害特別措置法と同施行規則の改正を速やかに行うよう、国に強く要請していただきたい。やっていただけますか?

12月議会一般質問1

細川かをりです。
今回も資料を使います。

ここに立つのも3度目ですが、原子力災害対策に関し、国の判断が現場感覚や住民目線から外れていると感じてもどかしく、国に対してモノ申していただきたいことばかりです。

先日、「原発を考える福井県女性議員の会」が県と話し合いを行った際、参加市町議員から、
「目の前に原発があって非常に不安である。もし事故が起きたら、私たちはどこへどうやって逃げたらいいのか?」
という質問がありました。
原発に対する率直な不安は、原発に近いほどに大きく、反対に、声に出しにくいのが現状ですが、確実に県民の中にあります。
また、
「原子力防災についての疑問は誰に聞いたらいいのか?」とか、
「市長に聞いたら『県に聞いてくれ』と言われたが、答えていただけるのか?」
との質問もありました。

私は6月議会で、「県民からすれば、信頼できる地域防災計画なくして原発の再稼働はない」と発言しました。
県はいち早く防災計画の見直しに着手されたものの、現時点、
「地方だけでは実効性のある原子力防災計画の策定は困難である」という状況です。

①まず、あらためましてお伺いし、確認します。原発事故が起きた時、どこへどう逃げたらいいかまだ誰も答えられない状況、つまり、信頼できる地域防災計画がないまま、原発の再稼働はありえませんね? Yes、Noのお答えで結構です。