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2009年07月29日

福井豪雨から5年

今月は、防災関連の講演依頼で、「災害ボランティア活動」についての講演・研修依頼が何件かありました。
ここのところ、「地域の防災力向上」や、「災害時要援護者」、「自主防災組織育成」・・・といった依頼内容が中心でしたが、今月は福井豪雨から丸5年ということで、再び災害ボランティア活動にスポットが当たったのでしょう。

災害ボランティア活動は、「風」のように行うのを理想と考えています。
被災者の方々には、精神的負荷をかけないように、さ~~っとやってきて活動し、さ~~~っと引き上げる・・・です。
ボラセン運営当時を思い出すと、ボランティアに来てくださった方を送り出すときに
「被災者の方に『頑張って』とは言わないで下さい。すでにいっぱいいっぱいでおられるので、お声掛けいただくのでしたら『私達が代わるので休んでください』とおっしゃっていただけませんか。」
などとお願いしたものです。
先日福井市一乗へお邪魔した時に、地域の方から
「一番初めに県外からやってきたボランティアの方に『泊めて欲しい』と言われました。でもうちには若い娘もおり、お断りしたのですが、よかったでしょうか?」
と聞かれました。
「それで結構です。」
とお応えしました。ボランティアは自己完結が基本です。
しかしこのように、被災地にやってきていろいろな事を要求されるボランティアもおられます。
「助けにきてやっているのだから、そのくらいの要求はして当然。」
という「たかり体質」のボランティアがいるのは確かです。私には許容できません。
今立のセンターでも、当初いろいろありました。
結局、お帰り願った方もおられます。

ボランティアセンターは、ボランティアの支援・調整をします。
その運営方針は、福井では県本部がバックアップしていましたから(鯖江以外)、だいたい同じ歩調で進めることができましたが、他県の事例を見ると様々です。
ボランティアという対等な関係の世界に、特別意識や上下関係を持ち込もうとする団体もいます。これも私は好きではない。
被災者のために、よりパワフルで有益な支援活動を行うための、優れた仕組みが「福井方式」だと考えています。運営方針は「協働」で、様々な団体・個人が、お互いの強みを活かしながら、弱みは補い合いながら、スクラム組んだ運営を行います。行政だろうが何であろうが、そこに「上下関係」はありません。(役割の違いはあります)
でもこれも、被災後5年を経過し、関係者であってもよく知らない人が増えてきました。

「災害・防災」の専門NPO法人として、私の所属する「ふくい災害ボランティアネット」の役割は、ますます重要で、かつ難しくなってきていると実感しているところです。