族譜
「青年劇場を観る会」主催で、「族譜」という演劇を、越前市で行ないます。
地元出身の俳優(女優)さんが所属されている関係で、有志が応援しているのです。
ポスターやチラシ、看板、チケット・・・上演に必要な段取りを、素人の市民が行ないます。
作業はわいわいがやがや楽しく進みます。
作品は、昭和15年の韓国・朝鮮が舞台の物語で、「創氏改名」という、韓国・朝鮮人の名前を日本式に変えさせる日本政府の政策をめぐる物語です。
明治以降の近代日本が行なった事実をこの演劇を通して考えたり、この頃少なくなった「社会派演劇」の凄みを感じたりできるものと期待しています。
(ちなみに「族譜」とは一族の系譜をしたためたものです)
チケット売りもメンバーの手で行ないます。私もあちこち当たっているのですが、ある若い男性が「僕は反対の考え方だから(観ない)。」とおっしゃいました。この「創氏改名」は、奇しくも先の自民党総裁選挙で勝利した麻生氏の言動で話題になりましたが、その方も「『創氏改名』は朝鮮人が望んだ」と考えているようです。この歴史的事実の本質をとらえず、一面のみで語る人たちがやっぱりいるのだとビックリしました。
また逆に、そういった(↑)歴史認識に対し、とても憤る女性がいました。
聞けば出身学校の隣が朝鮮国籍の方々の学校で、太平洋戦争や日本対する彼らの考え方、あるいは入国や強制送還の実態を肌で感じていたとの事。また、身内をビルマ戦線や原爆でなくしているそうで、日本の軍国主義を心底憎んでおられました。
「創氏改名」「皇民家政策」を、支配者の側の理論で語ることは、「愚か」だとばっさり言い切られました。同感です。
「族譜」・・・原本に感動したので、それがどんな舞台になったのか、当日を楽しみにしています。