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土砂災害防止法①

先週の国交省での委員会の席で、私は
「国の考え方は、例えば『急傾斜地など危険な区域を高い費用をかけて直すより、新築を規制したり移転の補助を出したり』・・つまり『出て行った方がいいよ』という方向なのではないか?中山間地で山や田畑を守る『人』を大事にしないと、過疎高齢化や水源域の『荒れ』が進む」
という主旨の発言をしました。
その件で、先日、別件で来福された土石流の専門担当官の方が、県の担当者の方々と共に、私の所に説明にお越しくださいました。(庁舎別館で懇談)

 まずは「土砂災害防止法」。
この法は、土砂災害から国民の生命を守るために、土砂災害の恐れのある地域についての『危険の周知』『警戒避難体制の整備』『住宅等の新規立地の抑制』『既存住宅の移転等のソフト対策を推進しようとするものです。
 これが私には過疎に拍車をかける恐れがあるのでは・・・とひっかかっています。

 教えていただいたのは、この法が平成11年に死者24名を出した呉土砂災害をうけてのもので、宅地開発が山の斜面近辺の危険なところにまで及んでしまうことへの懸念から作られているということです。
 対策として、まずは土砂災害警戒区域の調査・指定を進める。しかしそれらを直せればいいけど、全国には危険区域が膨大な数があります(福井県内は6000箇所以上、越前市内約700箇所)。全ての危険箇所を対策工事だけで安全にするには、膨大な時間と予算が必要となるため、対策工事に加え、ソフト対策を充実させることが必要となります。そこでで『危険の周知』『警戒避難体制の整備』『住宅等の新規立地の抑制』『既存住宅の移転等のソフト対策』となるのだ・・・ということ。
 
 この『住宅等の新規立地の抑制』『既存住宅の移転等のソフト対策』部分は、行き過ぎた宅地造成を規制するという視点からは納得できます。
 でもやはり昔からそこにあった中山間地域、過疎高齢化の進む限界集落・・という立場からすると、「危険です」「直す費用がありません」「移転されるなら補助します」・・・・・では、次世代の若者達が集落を出て行くのをとめる術もなくなります。
 実際、私の周辺でも、中山間地域の小学校の児童減少の凄さ・・・30%40%・・となだれを打ったように若い世代が出て行き、耕作放棄地、手入れ放棄林野は増える一方です。仮にお金をくれたとしても、担い手がいない状況です。(もちろん、その原因は多岐に渡るものですが・・)
 そのような山の中の実情をお伝えしたら、
「確かに、そういう視点は抜けてましたね。」
とおっしゃってくださいました。
はい、山を「守り」する人のためのインフラ整備が大事だと思うのです。

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