さてその「山を『守り』する人を大事に・・・」ですが、実際私の住む地域は、福井豪雨の後、砂防堰堤工事などが進みました。たいへんありがたいことです。
課題に感じているのは、急傾斜地の崩壊対策です。
(地域住民の生活に近いところにあるので、目に付きやすいのかもしれませんが・・・。)
これは昭和44年に施工された「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」に基づき、砂防工事の査定が行なわれています。
危険箇所の条件は
「がけの高さが5m以上、傾斜度が30°以上でそのがけの崩壊により被害を受ける人家が5戸以上かあるいは公共的建築物(官公署、学校、病院、駅、旅館等)が存在する所を急傾斜地崩壊危険ヶ所」
です。
実際には、国の砂防工事採択の基準が「保全人家個数10戸以上」で、9戸以下は地方自治体次第(例えば、大分県は5戸~9戸が県単独事業(県費)、1~4戸が市単独事業(市費)という規定あり)です。
「国の採択基準に当てはまらなかったら、県や市でね・・・」という事なのですが、このご時勢、費用対効果の低いところのインフラ整備にかける予算は、「ない」に等しいようなもの。福井は県単の採択、厳しさを増す一方です。(市単・・・「ない」!)
市の担当課は、住民からの要望があって応えたくても、国の基準に引っかからなければ首を縦にふれません。これが実情。
せめて災害時の一時避難場所だけでも安全確保がなされて欲しいところです。
この点に対して
「災害時要援護者関連の重要施設」があれば10戸以上、重要でなければ20戸以上という条件に当てはまれば国が採択してくださるのですが、う~~ん・・・・例えば我が市には1集落10戸以下のところだってあるわけだし、避難所なんて全国平均住民の10%~15%ほどしかカバーできていないくらい、数的には不十分。つまり、実際の1次避難場所は、公共の建物ばかりではないわけです。(わが谷の各集落の1次避難所は、公民館がわりのお寺!)
国の採択基準に当てはまるって『ラッキー』なこと!?
なかなか地方の現場では、公式どおりに行きません。
国の担当の方は「国でだめなら県で・・・と思っていたけど、実際、そうは行かないと伺い・・目から鱗でした。」と述べられました。
県の方も沈黙・・・
懇談後、市の担当者とそのことを話したら「そうなんです。国がダメだったら何もできないんです。そのことを知っていただきたい。」と言われました。
お国の偉い方と2時間もお話し合いさせていただきましたが、地方の実情を聞いていただけたこと、心より感謝しています。「ユビキタス情報社会における河川管理・・・」的には、流域全体の情報(特に中山間地域、水源域に関して)が、平時広く周知されるようになってほしいなあと望んでいます。
急傾斜地に関しては、せめて「災害時要援護者関連施設『等』」にして、10戸以下でも面倒見てくださいませ・・。はい。